グリーン・ニューディール議決案

  • 2019.02.11 Monday
  • 20:49

ニューヨーク選出のアンドレア・オカシオ・コルテスという知名度を急上昇させている若き下院議員が「グリーン・ニューディール」と銘打った決議案を発表し、話題になっている。この人物は最近「気象変動によって地球は後12年しかもたない!」と明言して嘲笑を買った人物である。

グリーン・ニューディールという言葉はオバマ大統領が政権時代にフランクリン・ルーズベルトのニューディールにちなんで打ち出したもので、自然エネルギーや地球温暖化対策に公共投資することで新たな雇用や経済成長を生み出そうとする政策である。

この考え方に従って日本でも再生可能エネルギー等導入推進基金事業が立ち上げられ、風力発電や太陽光発電が全国に広がっている。

その議決案の内容であるが、民主党指導部も呆れるほどの荒唐無稽で前のめりな内容に当の本人もヤバイと思ったのか、オカシオ・コルテス議員のウェブページの決議案の部分が削除されてしまった。だが、それが掲載された時にスクリーンショットを撮られたのか、ここに見ることができる。

 
  • 10年以内に温暖化ガスの排出0を実現する
  • 再生可能エネルギーへの100%移行
  • 100万もの生活可能な所得の雇用創出
  • インフラへの投資
  • きれいな空気と水、自然へのアクセス
  • 働けない、または働かない人々の生活を保障
  • 全ての建築物の高エネルギー効率の建物への建てかえ

同議員は温暖化ガスの排出を0にするための方策として、なんと「広大なアメリカ全土に高速鉄道を敷きつめ、飛行機による移動を不要にする」としている。19世紀に栄え、20世紀になって自動車にほぼ取って代わられた鉄道に戻ろうというのである。駅まで鉄道で行って、そこから目的地まで電動自転車で走るのであろうか。米国内だけを鉄道にしても飛行機は無くならない。太平洋や大西洋に長距離鉄道網を敷くのであろうか。

そしてその電力はどうするかと言えば、100%風力と太陽光エネルギーでまかなうというのである。ある試算によると、カリフォルニア州とテキサス州全土を太陽光パネルで敷き詰めなければ現在のエネルギーは供給できないそうである。

このグリーン・ニューディールは社会福祉政策でもある。この案では「国は働けない、または働かない人々の生活を保障する」としている。働かなくても生活が保障されるならば、ほとんどの人々は働くのをやめるはずである。一部の仕事が趣味だという人間が、その他大多数の働かない人々を支えるという構図になる。

この荒唐無稽な案を実行した場合、何十兆ドルというカネがかかるといわれている。ではそのカネはどうやって調達するのか。累進課税を強化し、金持ちの財産を収奪してもこのような資金供給は無理である。

ではどうするのか。

コルテス議員は必要な限り連邦準備銀行が金融を緩和し、政府が資金供給するとしている。どこかで聞いたことがあると思ったら我が国のアベノミクスであった。

現在は嘲笑の対象となっているが、近いうちに笑いごとではすまなくなる。バーニー・サンダース、カマラ・ハリス、エリザベス・ウォーレン、コーリー・ブッカー、カーステン・ジリブランドといった時期大統領選に名乗りを上げている人物を含めた民主党の主要な面々が支持を表明している。民主党は既にここまで左傾化してしまったということでもある。


参考:
左翼の手口は巧妙である。コルテス議員のアドバイザーを務めるコーネル大学のロバート・ハケット教授がフォックス・ニュースのタッカー・カールソンの番組に出た。「この案はそんな突拍子もないことは求めていません。常識の範囲です」という具合にノラリクラリとかわそうとする教授をカールソンが鋭い眼光と破顔一笑を繰り返しながらじりじりと追い詰めている。



トランプ大統領・一般教書演説

  • 2019.02.11 Monday
  • 10:31

トランプ米大統領の一般教書演説は力強く自信に満ち溢れるものであった。オバマから政権を引き継いで2年になるが、政治哲学の違いがこれほどまでに世の空気を変えるものかと改めて感慨に浸る。

減税と規制緩和による経済の活性化。地下資源エネルギー産業の復興とエネルギー輸出国としての地位確立。雇用の増加と上昇する所得、特に黒人やマイノリティーにおいて低下する失業率。米国第一を掲げる外交政策。

トランプは不法移民によって引き起こされた悲劇とその悲劇の犠牲者の家族を紹介し、国民の安全を守るためにメキシコとの国境に壁を建設しなければならないと改めて強調する。体を張って不法移民と日々対峙する英雄的な入国税関捜査官(南米からの合法的な移民)を紹介し、議会は大喝采をもって迎える。

民主党議員は沈黙。

トランプは成功事例を次々と挙げながら政治の壁を越えて米国人として一つにまとまろうと呼びかける。それを妨げるものは党派主義であるとし、その代表を政権発足以来続けられていながら何の証拠も示すことが出来ない「ロシア疑惑捜査」であると断じる。

議会は大喝采をもって応え、民主党議員は沈黙。

トランプはロシアの重大な違反によって意味をなさなくなった中距離核戦力(INF)廃棄条約を破棄することを言明し、ロシアを敵として明確に位置付けた。ロシアに対して融和外交に終始した民主党がこのトランプに対して「ロシアと共謀してクリントンを追い落とした」というのであるから滑稽である。

トランプは生命の尊さに触れ、中絶に失敗して生まれてしまった赤子を医師が殺すのを許すべしと述べたバージニア州知事を糾弾する。居心地悪そうにチャック・シューマーがモゾモゾし、大統領の真後ろに座るナンシー・ペロシが目をぱちくりさせる。トランプが後期中絶の禁止を訴えると議会は喝采し、白装束の民主党議員の席は静まり返る。

ベネズエラの新政権への支持を明言する一方、国民への弾圧を強めるマドゥロ政権に言及し、米国は絶対に社会主義への道を歩まないことを明言する。バーニー・サンダースは手を顔に当てた姿勢を硬直させて座ったまま。

イスラエルの米国大使館をエルサレムに移転したことに触れ、イスラエルへの強い支持を改めて明確にする一方、イランとの核合意から離脱したことの正しさとイランへの締め付けを強めていく意思を強調した。

全体を通して高揚感のある演説であった。トランプらしい気さくさを感じさせる場面の多く、高所から見下ろすような政治家目線でない言葉遣いにも好感を覚える。ただし、聞いていて疑問に感じる部分があったのも確かである。

女性の権利拡大を後押しする発言や有休家族休暇の立法化を支援する発言があったが、これは民主党のリベラル思想である。全ての人を平等に尊重するはずの米国の理念に反するのではないか。

中国に触れる場面があったが、言及されていたのは「中国との貿易赤字」であった。貿易赤字は問題の根本ではないし問題ですらない。問題は中国政府による中国企業を使った高度技術の窃盗行為である。中国政府はその技術を軍事利用し、それが米国とその同盟国を脅かしてる。そのことをなぜ強調しなかったのか。

各国の貿易障壁について触れ、今後米国製品に対して貿易障壁を設けた国に対し、その国の産品への同レベルの障壁をもって対抗するという発言があった。これは自国民の利益を考えたときに最も避けなければならない感情的な落とし穴であり、残念なことである。

国内の「老朽化するインフラ」を整備するために資金を投じるという意味の発言があったが、資源の無駄に終わったニューディールの二の舞となることが危惧される。一方で危機的に増え続ける政府支出の削減を求める発言は無かった(日本よりは遥かにマシなのだが)。これも心配要素である。

トランプは社会主義を排することを明確にしたが、一方で製薬会社に対して薬の価格を下げることを求めた。資本主義が機能するためには政府があの手この手を使って市場経済に介入しようとするのを防がなければならない。このような発言を聞くたびに一抹の不安を覚える。

トランプの演説は保守派からは絶賛あるいは好意をもって迎えられている。これら懸念事項がどうでるか。それが折り返し地点となる2020年に向けての課題であろう。

Trump's 2019 State of the Union address | Full Speech





追記:
トランプの中国との貿易戦争の問題点は、「中国政府による技術窃盗」に焦点が絞られていないことである。鉄やアルミに対する輸入関税の悪影響は様々な分野に表れてきている。懸念すべき事項のひとつである。

Nail manufacturer: Trump's steel tariffs put us on the brink of extinction

仮想通貨を考える

  • 2019.02.03 Sunday
  • 16:55

国の借金が天文学的なレベルに積み上がっている。政府は日銀を使った出口のない錬金術で資金を捻出し、株価を支えて誤魔化し続けている。

ある時点で日銀が債務超過になれば日銀は倒産し、円の価値は暴落する。そうなれば我々庶民が苦労して働いて貯めた金は一瞬で価値を失う。

そのような中、国会でひとり警告を発し続ける藤巻健史議員はこう呼びかける。

 

貧しくてもきちんとリスクに備えていた人は助かるでしょう。準備してなかった人の生活は地獄でしょう。それはある意味自己責任だと思います。


氏が薦めるリスクへの備えとはドルと仮想通貨の保有である。「とりあえず口座を開設し、小額でもいいから売り買いの練習をしておけ」と説く。

1000も2000もあるといわれる仮想通貨の中で最も有力なのがビットコインである。

ビットコインとは何なのか。まずは知らなければならない。そこで簡単な調査をしてみた。

そこで得られた現時点での結論は、こうである。

ビットコインはカネではない。ビットコインは通貨である。更に言えば、ビットコインはリスクの高い投機対象商品である。知るべきであるが、大きな額を突っ込むべきではない。

カネ=通貨ではないのか?通常はそれでよい。だが違いを理解しなければならない局面がある。例えば、タバコは商品であってカネではない。だが刑務所や捕虜収容所においては通貨となる。

カネであるためには条件がある。一つ、価値の保存機能があること。一つ、交換の媒体となること。一つ、会計の単位となること。タバコはある特殊な状況においては交換媒体となるが、一般社会においては火をつけて煙を吸うものである。

仮想通貨で最有力のビットコインは、少なくとも現時点ではこの3つの条件を一つも満たしていない。過去の上昇と下落の経緯を見れば、価値の保存機能としては最低であると断じざるを得ない。



現在ビットコインを保有している人々の多くは、価値の保存を目的とはしていない。彼らの目的は「利を得ること」である。彼らはビットコインが将来的に値上がりすると踏んで、値上がりした時に売り、代わりに莫大な額の通常貨幣(円やドル)を得ようとしている。実際、世のビットコイン長者はそれに大成功した人々である。そのようなローレックス&ランボルギーニ族を見て「俺も」と後から参加した人達は、ビットコインの価格を押し上げることで長者達の利益を助けはしたものの、彼ら自身はその後の暴落でスッカラカンになっている。

仮想通貨が暴落し大損した話…ヤバいです。。まだ保有中



暴落して大損するようなものは価値の保存には向かないということである。

残念ながら日本ではビットコインで「大儲けした!」か「大損した!」、もしくはビットコインやブロックチェーンの技術を解説したくらいの声しかなく、有効性を判断するに役立つ情報が少ない。

リサーチする中で行きついたのが以下である。

2014 Free Market Forum Panel 1: Bitcoins



ヒルズデール・カレッジは米国では最高位のリベラルアーツ専門の大学であり、政府からの補助を一切受けずに独立性を保っていることで知られている。カネとは何か、通貨とは何か。ビットコインはカネなのか通貨なのか。ビットコインがどのようにして誕生し、発展してきかた。その仕組みはどうなっているのか。技術に詳しくない人間でも分かりやすく解説している。

Is Bitcoin the Future of Money?



ビットコイン是か非かのディベートである。非の立場をとるピーター・シフ氏は投資家としても著述家としても有名であり、オーストリア学派の立場から経済を語る人物である。氏はビットコインを単なる投機対象であると断じる。氏はビットコインを金と比較する。『金はそれ自体に装飾から工業まで様々な用途がある。金だけが持つ輝きと特性がある。それが金の価値を支える。だがビットコインは煎じるところ単なる「ビット」である。その「ビット」を崇める人々がいるというだけのことである。だからこのような激しい上昇と下降があるのだ。マイスペースがフェイスブックにとって代わられたように、いつかはビットコインが更に高機能なものにとって代わられるだけ。実際にビットコインに似たものはどんどん出てきている。ビットコイン自体が供給を制限しても他は制限無しで出てくる。現在のまがいものの貨幣システムを別のデジタル版のまがいもので代替しても意味がない。目指すべきは金本位制への回帰である』と。

Congrats on Reaching a New Level Of STUPID! #BitcoinRant



財産管理の指導者として全米で人気を集めるデイブ・ラムゼーはビットコインをビットコン(詐欺)と断じる。「カネといものは本質的に信用に基づくものである。ビットコインにはこの信用が決定的に欠けている。あるのは先進的でクールだというイメージだけだ」と。この動画では学生ローンで借金してビットコインに投資している学生が増えていることを取り上げ、「超バカ(学生ローンで借金) X 超バカ(ビットコイン購入)= メガトン級バカ」と吐き捨てる。

ところで、ビットコインを是とするほうの意見も傾聴に値する。ビットコイン(及び上位の仮想通貨)が現時点においては他の有象無象の仮想通貨の追随を許さない堅牢さと機能をもっているのは確かであろう。銀行では何日もかかる外国送金が仮想通貨を使えば遥かに低コストで一瞬でできる等、機能面では革命的な可能性を持っていることは間違いない。

ビットコインや有力仮想通貨はカネではない。そして永久にカネにならないかもしれない。だが、将来的に我々の生活を大きく変える革命的な何かをもたらすであろう。

上のヒルズデール大学の講演でも説明されているが、ビットコインは通貨の安定している先進国よりもベネズエラやジンバブエのような破綻した国々で人々の逃げ場になっている。財政的には極めて危ない日本においても何らかの重要な役割を果たすはずである。

日本の生産性が最下位なのはなぜか

  • 2019.02.02 Saturday
  • 16:19

 

先週、公益財団法人・日本生産性本部が、日本の2017年の労働生産性が主要先進7ヵ国(G7)で最下位だったと発表した。このワースト記録は、なんと47年連続。東京オリンピックまでこんな調子が続けば、「50年間、生産性を上げることができなかった先進国」という、誇らしくない世界タイトルを獲得してしまうのだ。2018.12.27 Diamond Online


「生産性」というと、「作業速度」と勘違いする人が多い。

日本人は比較的手先が器用なのと頭の回転が速いのでチャキチャキ働いているイメージがある。店などでも「これはどこに置いてありますか?」と店員に聞くと「ハイッ、お客様。こちらでございますッ!」とスタスタと先導して教えてくれる。レジでも店員がセッセセッセと会計をこなす。

レジの店員が客や他の店員とタラタラお喋りをしながら手を動かす他のどこぞの国とはエライ違いである。作業速度=生産性ならば、日本人の生産性は並みいる国々をブッちぎってダントツ世界一に違いない。

だが、生産性は作業スピードではない。生産性とは、同じ時間内に労働者がどれだけの価値を創造できたか、の指標である。

お喋りや昼寝をしながらゆったり仕事しようが、血眼になって限界速度に挑戦しようが、結果が問われるのは「いくらの価値が創造できたか」である。

その指標に置いて、日本人は遅れを取っているのである。これは徒競走に負けて格好が悪いだの、後塵を拝して不名誉だのという観念的な問題を意味するのではない。我々庶民が日々の多大な努力にも関わらず低い生活水準に甘んじざるを得ないということを意味するのである。

この原因は何か、という問いに対し、上記に上げた記事では「給料が低いことだ」と答えている。そして、当然ながら解決方法は「給料を上げることだ」としている。

給料を上げれば企業運営コストが上がる。すると価格が上がる。するとモノは売れなくなる。だから企業は給料を上げることができない。そんなことは分かり切っていることである。途中から話を始めるから短絡的で杜撰な分析になるのである。

生産性=労働による成果(付加価値)/ 労働投入量 である。

多くの日本人は朝から晩まで真面目に働いている。早朝から深夜、終末まで働いている人も珍しくはない。更なる改善、更なる効率化、更なる迅速化、更なる相乗効果、更なるPDCA、とより少ない人員でより多くのアウトプットを出すことを目指して計画を立て、目標を定め、実行し、結果を査定し、評価し、反省し、対策を立て、より高次なる目標へと突き進んでいる。日本人の労働投入量は、世界的に見てかなり高いと言ってよい。

問題は労働による成果である。

これだけ頑張っているのだから成果も高いはずだ、と思うかもしれないが、そうではない。

日本では、民間企業で働いていても半分以上は何らかの形で政府関連の業務である。管理部門は特にこの傾向が顕著である。

従業員が入社すれば各種社会保険や労働保険や各種税の手続きをしなければならない。従業員が家族を持てば保険や扶養やの手続きをしなければならない。例えば大企業に対しては常時雇用する従業員の一定割合以上の障害者を雇うことが障害者雇用促進法で定められている。女性活躍推進法でも非常に多くの義務が掲げられている。内容を把握するだけでも大仕事である。だが企業としては把握しなければならないのは当然であり、それに対して、いつ、誰が、何を、どのように実施していくかを策定し、社内稟議をかけ、推進していかなければならない。ストレスチェック制度によって企業は社員の「こころの状態」にも責任をもつことが義務付けられている。人事部はアンケートや面談で社員に聞き取りをし、問題のある社員を指導医に診させなければならない。

政府関連の業務を行うのは管理部門だけではない。営業部門も同じである。管理部門が動けば営業部門も動かざるを得ない。例えば厚生労働省はハラスメント対策を企業に求めており、企業はそれに従ってLGBT教育プログラムを策定し、社員は強制的に業務時間を調整して教育研修に参加させられる。

また、今年「おそらく実行されるであろう」とされる消費税増税に向けて各社が怒涛のように動いている。増税に対して競合他社はどう動くか・・・ それに対して我が社はどう対抗するか・・・ 消費者は増税前にどのようなタイミングでどのように先買いに走るか・・・ それを競合他社はどう取りにくるか・・・ それを我が社はどう阻止し、どう先手を打つか・・・ すでに他社はこのように対策を実施しているのに対し、我が社はどう挽回し、どう奪還し、どう形成逆転させるか・・・ このような熾烈なせめぎ合いが企業間で繰り広げられている。軽減税率の導入に向けてソフト面、ハード面ともに莫大な資本が投下されている。ここは各社とも「負けられない」山場である。営業部門にはかつてないプレッシャーがかけられている。

ここで挙げた例はごく一部である。国が掲げた「二酸化炭素排出削減目標」を実現させるためにエネルギー使用量を削減したりポイント還元制度でオフセットしたりと、これら以外にも企業が政府のために労働力を捧げている例は数えきれないほどである。

日本の労働者は、これらの仕事を精力的にこなしている。昨日よりも今日、今日よりも明日、明日よりも明後日と、血のにじむ思いで頑張っている。

ところでこの働きに対し、企業は政府から報酬を得ているのかといえば、当然報酬は無しである。なぜならば、これは義務だからである。

ところでこの働きは、消費者へのサービス向上に役立っているのかといえば、当然全く役立ってはいない。なぜならば、これらは消費者からの要望ではなく、政府からの要求だからである。

企業は政府のためにタダ働きしているのと同じなのである。政府の要求は大企業ほど厳格である。よって大会社になれば営業部門よりも管理部門の方が規模が大きいくらいである。政府関連業務を専門とする部署も珍しくはない。

最近日本経済新聞に「外食各社、宅配シフト 軽減税率にらむ」という記事が出た。政府のお陰で本来は睨まなくてもよいものを睨まなければならないわけである。

日本の生産性向上を妨げている原因は何か。

答えは明らかである。労働者が大半の時間を富を生まない政府関連の仕事にかかりきりになっているからである。

それはなぜか。政府が規制と法律によって民間の領域を侵食しているからである。

それはなぜか。自由な市場経済の重要性を理解する人間が、政界、財界、学会問わず、日本全国で危機的に不足しているからである。

このような意見はメディアには一切登場しないが、考えれば当たり前のことなのである。

医療バーゲンセールを支える残業2000時間

  • 2019.01.20 Sunday
  • 19:23
医師残業、年2000時間も=地域病院勤務の上限−厚労省案
2019年01月11日 JIJI.com
2024年度から医師に適用する残業時間の規制に関し、厚生労働省は11日、医師不足の地域などで勤務する医師の上限を、休日労働を含み年1900〜2000時間程度で検討する方針案を明らかにした。同日開いた医師の働き方改革を議論する有識者検討会に示した。検討会は年度内に方向性をまとめ、同省が制度化する。

勤務医ががなぜこれほどまでに忙しいのか。実際に働いている医師に聞けば彼らの知る範囲で答える。
 
  • 生身の人間が相手のため容体の変化は予測しきれないから。
  • 交代制ではなく一人の患者に一人の医者がつく仕組みのため、患者に何かあれば時間に関わらず対応せざるを得ないから。
  • 当直という業務があり、夜勤の後でそのまま翌日の勤務に入る仕組みだから。
  • 医療行為以外の雑務が多いから。
中山佑次郎 「医者はなぜ忙しい?残業年2000時間の衝撃 医師の視点」より

これらは、忙しさに寄与していない、とは言わないが、本質的な原因ではない。

予測が難しい業務も交代制ではない業務も夜勤も雑務も医者の専売特許ではない。忙しいのはサービス供給能力に対して需要量が過剰だからである。あるいは需要量に対してサービス供給能力が過小だからである。いずれにしても、サービス供給能力が相対的に低く、需要量が相対的に多いということである。

市場経済の原理が機能する場合、両者は自然と価格を軸に整合する。整合した結果、不足と過剰は無くなる。この整合点は常に流動的であり、需要量と供給量によって常に変動しながら整合状態を維持する。価格はそれらの状態を示すシグナルであり、あらゆる人々がそのシグナルを受けて行動を調整する。

なぜ医療という世界では需要が過多で、サービス供給が過小なのか。

それはこのシグナルが恣意的、人為的、作為的に固定化されているからである。

何がそれらを固定化しているのか。

それは国民皆保険制度と医師免許制度である。

国民皆保険制度というものは、いわば格安大バーゲンセールを年間ぶっ続けで全国津々浦々で実施することを制度化したようなものである。本来は1万円かかるところを7割引きで売る。老人向けは更に”お得”な割引で9割引きセール。子ども向けは各都道府県・地方自治体で「子ども医療費助成制度」と銘打って特別セール。インフルエンザの予防接種を受けるよりも、かかってから医者に行けば数百円ですむなどという事態になっている。

大バーゲンセールをある企業が自社の利益を原資に売上向上と顧客獲得を狙って実施するならいくらでもやればよい。

企業のバーゲンセールならば、結果どのくらいの成果を上げたかが重要である。問題は、この大バーゲンセールが国民の税金を原資に行われていることである。税金が原資であるから売上、利益、顧客獲得がどうなろうが関係ない。ひたすら継続するのみである。

一方、7割〜9割、それ以上の割引をすれば需要は爆発的に増える。病気にならないよう予防に努めるくらいならば病気になってから医者にかかったほうが楽である。人々の行動がこのバーゲンセールが永久に続くことを前提として調整される。

一方で医者になるにも病院を建てるにも政府の免許制度と認可制度に規制されている。政府は将来に向かって進む少子化を”視野に”医学部定員を削減しようとしている。

一方は大幅な嵩上げ、一方は大幅な制限。

医師の勤務条件が殺人的に悪化するのは当然の帰結である。

ならどうする?医者を増やそう!

医者を増やせば「医療費(=無謀なバーゲンセールの国民へのツケ)」の増大につながる。

ならどうする?医療報酬を下げよう!

医療報酬を下げればタダでさえ大変な業務なのに益々奴隷労働に近くなるだけである。バカバカしくて医者になる人間は減る一方である。

唯一の解決方法は国民皆保険制度と医師免許制度の撤廃、そして医療の自由化である。自由闊達な医療市場において、市場経済の原理で需要と供給は調整され、医師不足も過労も雲散霧消する。価格は適正化され、市場は健全化する。医療の質は上がる。

この方向に向かう道に立ちはだかる鉄壁のようなものがある。それはわが国民の「世界に誇る日本の医療への信仰」である。宗教には理屈もヘッタクレもない。信仰心あるのみである。

「日銀破綻」読了

  • 2019.01.13 Sunday
  • 16:22



辣腕金融トレーダーとしての経歴を持つ維新の会議員・藤巻健史氏は日銀の破綻とそれに伴うハイパーインフレの現実化が近いと警告する。

政府は足りない資金を日銀に新しい紙幣を刷らせて賄ってきた。その結果、日銀は経済規模に対して大量にお金をばら撒くに至った(対GDP比で世界最大規模)。

藤巻氏はこの行為を過去のハイパーインフレの経験から各国で禁じられている財政ファイナンスであり、飛ばし行為(危機を先延ばしする)であると断じ、以下のような経緯をたどるであろうと予測する。

 

日銀の財務諸表は極めて脆弱であり、インフレ加速に対して引き締めを行えば、金利が上昇して債務超過に陥り、信頼の失墜、円の暴落を経てハイパーインフレに突入する。

日銀が大量に保有する国債の利回りは僅か0.279%で経常収支(大部分が保有債券からの利子収入)は1兆3000億円。日銀当座預金残高384兆円。1%金利を上げたようとする場合、民間銀行に3.8兆円の金利支払いが必要となり、収入が1.3兆円の現在、2.5兆円の損失となる。CPI(消費者物価指数)が2%になれば、金利を2%以上に上げなければインフレが加速してしまう。384兆円の2%で7.6兆円。6.3兆円の損失となる。

日銀の準備金は僅か8.2兆円。金利が2%になれば1年ほどでこの準備金を使い果たし、債務超過になってしまう。債務超過になることが明らかになった時点で円売りが始まり円の価値は暴落する。

2%でインフレが止まる保証はない。更に上振れする可能性が高い。異次元緩和を止めれば政府が資金繰り倒産。金融引き締めを行えば日銀の倒産。インフレが進む中、異次元緩和を継続するしかない。インフレが10%、20%と上がる中で異次元緩和は継続される。ハイパーインフレへまっしぐら。

国が資本投下して支えればよいという声があるが、赤字財政で資金捻出する術がない。

毎年、新たな国債が30兆円以上発行される。現在は日銀が(紙幣を刷って)これを買い支えている。日銀が買うのを止めたとたん長期金利が跳ね上がる。国債価格が下がり、投げ売りが始まる。

一方、赤字予算の政府は金利が上昇すれば支払い金利が急増して大赤字になる。日銀による国債爆買いに支えられてき政府の資金繰りはたちまち行き詰る。政府が資金繰り倒産の危機に直面する。

ハイパーインフレはある日突然やってくる。20%〜30%程度は1980年の米国の例でも十分にあり得る。

日銀倒産、新中央銀行設立。政府は財政破綻を免れる。1088兆円の巨額債務もタクシー初乗りが1億円〜1兆円なら実質ないも同然。1億円の財産があっても吹き飛んでしまう。実質的な借金棒引き。払うのはハイパーインフレで地獄を見ることによって国民が払う。


極めて暗い将来であるが、氏はそれに対する防衛策を示す。

氏が提唱する防衛手段とはドル資産と仮想通貨の購入である。様々な通貨があるが、やはり避難通貨は米ドルであるという。また預金封鎖の際にはスマートフォンひとつで口座開設も送金もできる仮想通貨が避難通貨になるという。従来通りの円貨の銀行定期預金が最もリスクに晒されることは間違いない。時代は変化し続けている。お金も変化し続けている。我々は適応しなければならない。さもなければ財産を失うリスクを受け入れるのみである。

さて、重要な示唆を与えてくれる本書であるが、意見を異にする部分もある。

氏は、「デフレ脱却するには異次元緩和する必要はなく、円安とマイナス金利を導入すればよかった。円安もマイナス金利も伝統的金融政策によって実現可能。円安になれば日本の競争力が高まり、マイナス金利によって投資と消費が盛んになり景気が回復する」と説く。

氏は常々日本の問題は大きな政府による社会主義的、計画主義的政策が原因であると説いている。疑問に思った私は氏に疑問をぶつけてみた。



氏は通貨価値の上げ下げや金利の上げ下げは資本主義に反せず、別に計画経済ではないと思っているようである。

古くは産業革命時代の英国、自動車革命時代の米国から現代のスイスまで、経済発展しているのは通貨価値を下げた国ではなく通貨価値を安定化させた国である。通貨安が発展につながるならば、通貨価値が暴落したジンバブエは今頃先進国である。

また、政府が景気を良くしようと金利を下げると、本来なら事業者が二の足を踏むような不確かな投資に対する抑制が効かなくなり、結果として浪費の増加と貯蓄(投資資金)の減少をもたらす。まさに計画主義の弊害である。

計画主義者にとって金利を上げ下げする力以上に計画主義を実行する手段として強力なものは無いのである。

これらの部分は意見を異にするが、現在の日本が置かれた状況に対して真摯に向き合っている人物が、少なくとも政界には氏以外には見当たらないのである。

破綻への備え

  • 2019.01.12 Saturday
  • 22:08

インフレ率、170万%=IMF「今年は1千万%」―ベネズエラ 1/10(木) 時事通信
【サンパウロ時事】南米ベネズエラの国会は9日、2018年のインフレ率が170万%に達したと発表した。国際通貨基金(IMF)は今年のインフレ率を1000万%と予測している。ベネズエラは有数の産油国だが、原油相場低迷やマドゥロ政権の価格統制などの失敗により経済が破綻。近年200万人もの市民が国外に脱出した。マドゥロ大統領は8月にデノミ(通貨呼称単位の変更)を実施したが、混乱は収まらなかった。


今日のベネズエラは明日の日本である。

債務残高の対GDP比を見ると、我が国は主要先進国の中で最悪の水準となっている(財務省)。あのギリシャは178.6%(2017年)であったが、それをぶっちぎってのダントツ一位である。

 


日本では国民が生産した額の倍以上を政府が使っている。日本は税収が約60兆円。債務残高は1000兆円。例えれば、年収500万で預金無しの家庭において、借金額が8000万以上に膨らむようなものである。月給が入っては利子をつけて返し、返してはまた借りの繰り返しで借金は雪だるま式に膨らむ一方である。これで家計が回るわけがない。

家計と国家財政との間に質的な違いは何もない。量的な違いがあるのみである。国家財政は大きな家計である。家計において推奨される事は国家財政においても推奨される。家計において忌避される事は国家財政においても忌避される。

家計において最も忌避されるのは金の使いすぎである。「使いすぎと」は収入に対して支出の割合が高いことである。毎月の給料日前に所持金が底をつき、一時的な措置として翌月の支出を調整することで容易に返却できる程度の額の金を借りるならばまだよい。だが、返す当てもない額の金を延々と借り、前に借りた金を返すために新たな借金をするとすれば、それは破綻した家計である。

日本の国家財政は破綻した家計そのものである。

家計の破綻した人に対し、人はいつまでも同じように金を貸し続けるわけではない。なぜならば、借金で首が回らなくなればなるほど、回収不能になるリスクが高まるからである。じきに誰も金を貸さなくなり、借金だらけの人間は破産することになる。

日本ではバブル崩壊後、景気対策と称した政府の過剰支出体質が続いてきた。アベノミクスの「デフレ脱却」を目的とする円安誘導と低金利政策、更に異次元の量的緩和によって大量の金が刷られ、市場にばら撒かれた。政府が国債を発行し、金融機関がそれを買い、日銀がそれを即座に買い取る。これを無制限に行うことで実質的に金を刷って市場に撒いているわけである。

自民党の幹部はこのようなことを言っている。



日銀は通貨発行権を持っているから必要な資金は紙幣を発行することで調達できる、と言っている。このような素人が政治の実権を握っているのである。いくらでも通貨を発行できるのであれば我々一般人から税金を徴収する必要がない。その分も通貨発行で賄えばよい。無制限に通貨を発行すれば世界一の金持ち国家になれるであろう。ついでにいえば、我々が働く給料分も通貨発行すれば、我々は一切働かなくてもよいということになる。国民全員が働かずに年収5000万でも8000万でも得ることも可能であろう。これほどバカげた発言はない。

金を市場に撒けば金の価値は下がる。1個のリンゴと100円が存在する島を想像してみる。その島において、リンゴの価格は100円である。その島の通貨供給量を100円から200円に増やしたらどうなるか。1個のリンゴを倍の通貨が追うことになるわけだから200円になる。1個のリンゴを買うのに以前は100円あればよかったものが、200円出さなければ買えなくなるわけである。

通貨価値が下がる。それがインフレである。

なぜ日本ではまだインフレが起きていないのか。

起きていないのではない。その時々の状況で金は様々なところへ向かう。異次元緩和で注入された金は消費財ではなく投資財へ向かった。そのために株価が上昇したのである。安倍信者は株価上昇を称賛したが、上昇して当然なのである。

そして消費財も徐々に価格上昇しつつある。少し前まで「隠れ値上げ」というものが取りざたされた。1000mlの牛乳を「価格据え置きで軽くて持ちやすく、残さず最後までおいしく飲んでいただけるようにしました!」という売り文句で950mlにしたりというのがそれである。最近はもうそのような「姑息な」手段がネタ切れになったのか、「正直な」値上げが相次いでいる。本格的な値上げは消費増税後である。

しかし諸外国から「それほど問題視されていない」のはなぜか。

それは日本の国債を保有しているのがほぼ日本人だけだからである。国債の価値が暴落しようがどうなろうが、日本人が勝手に買っているものを心配するほど誰もヒマではない。しかし我が国の愚かな者達はその事実を逆さまに見てこう言う。

「ギリシャと違って国債は全て日本国民が保有している。だから破綻するわけがないのだ。いわば、オヤジが息子から金を借りているようなもので、どうにもならない状況になっても無理に取り立てはしない。だから大丈夫なのだ」と。

これは別の言い方をすると、政府は我々国民の財産を没収するつもりだということである。その気になれば国民の財産を使って借金を返せば一発でやり直せる、ということである。

ではどうやって徴収するのか。正直に「税金を取ります」では国民は納得しない。しかし隠れた徴収方法がある。それがハイパーインフレである。

パンを買うのに100円だったものが1万円になり、10万円になる。タクシーに乗るのが1000円だったものが100万円になる。そうなれば1000兆円の政府借金などわけもなく清算できるということである。

ハイパーインフレにおいて、庶民の生活はどうなるのか。それを予測するには現在のベネズエラがどうなっているかを見ればよい。




断続的に電気供給が止まる市場では腐臭漂う肉が売られ、病院では壊れたベッドや医療機器が放置され、葬儀所では死人が6か月以上も放置され、ゴミは収集されずに放置され、人々は僅かな食糧を求めてゴミを漁り・・・。このため人々は平均8.6キロも体重が減ったという。

「日本でこのようなことが起こるわけがない」とはよく言われることである。

しかしベネズエラは石油資源に恵まれ、かつては南米で最も豊かな国であった。ハイパーインフレがナチス台頭の引き金を引いたかつてのドイツも豊かな国であった。豊かな国が転落するのは珍しい事ではない。今だけを見ていても仕方がないのである。

我々庶民ができるのは生活防衛である。その手段は外貨保有である。円の価値がどうなろうが、ドルはドルである。国は個人の財産に手を突っ込もうとしている。個人は防衛しなければならない。

ハイパーインフレはやってくる。これはIF(くるかどうか)ではなく、WHEN(いつくるか)の問題である。米国の株価の影響を受けて年末から円高に振れているが、これは一時的な調整である。米国ではトランプ政権にはいって景気が回復しており、それを受けて金利が上昇しつつある。金利が上がれば(日本同様に)いままで投資財に向かっていた金が貯蓄に向かう。すると当然ながら株が下がる。米国ではこの株価下落は一時的な現象と受け止められ、ドル売りも止まるはずである。そうなれば円買いによる円高も終わる。その時が正念場である。

現在の円高傾向は線香花火のようにパッと最後に散って終わる可能性が高い。それからが急激な円安とそれに引きずられるインフレの加速が始まる時である。


参考:藤巻健史 「日銀破綻」 ・・・
金融トレーダーとしての経験を持つ維新の会・藤巻議員は日銀の破綻は近いと警告する。この本については改めて読了記を記したい。内容的には賛否あるが、現在日本が置かれた危うい状況についての解説は刮目に値する。



 

COP24・・・地球温暖化教徒の断末魔

  • 2019.01.02 Wednesday
  • 16:34

 

2度目標の達成と1.5度目標の追求のためには、世界全体が排出削減の取り組みを強化する必要があります。もはや温暖化対策はコストではなく競争力の源泉となりつつあるという実情のもと、環境と経済の好循環を回転させ、ビジネス主導の技術革新を促す形へとパラダイムシフトをすることが重要となっています。日本は、優れた技術、ノウハウなどの強みを活かしながら、従来の延長線上にないイノベーションを創出し、「環境と成長の好循環」を実現する世界のモデルとなるべく、取り組みを進めていきます。COP24 Japan Pavilion 【環境省】


地球温暖化教は断末魔の叫びをあげている。パリ協定の他ならぬ本国であるフランスのパリではデモが吹き荒れた。原油価格が続落する中、フランス政府は「地球温暖化対策で電気自動車への転換を促進するため」燃料税を導入し、人々が怒りが爆発したわけである。アメリカ人と違い、フランス人は概ね地球温暖化説を信仰している。そのフランス人にとってすら我慢の限界だったわけである。

パリ協定の目標(2℃より十分下方に抑える。1.5℃までに. 抑える努力も追求)の実現を図るべく各国代表が昨年12月にポーランドのカトヴィツェに集まった。時期を同じくして、地球温暖化全体主義に対抗する真の科学者の集まりであるNIPCC(Nongovernmental International Panel on Climate Change)と米リバタリアン系シンクタンクのハートランド研究所が同じカトヴィツェでプレゼンテーションを行った。

NIPCCがCOP24に呼ばれることはない。なぜならば、地球温暖化の「化学的根拠」を主導するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は地球温暖化危機説を支持しない学説を徹底的に排除するからである。信じる者は救われ、疑うものは地獄行き、ということである。

IPCCと国連とメディアから排除されたNIPCCとハートランドの貴重なプレゼンテーションの一部をここに紹介したい。

COP24 Climate Science Presentation by The Heartland Institute



十万年単位でみると地球が大きな寒暖の波を経験してきたことが分かる。そして、過去の気温のピークは現在の気温を1〜2℃上回っている。


ローマ時代の温暖期、中世の温暖期と現在の気温が同等であることが分かる。また、20世紀から現在にかけて大気中の二酸化炭素濃度が増加しているにも関わらず気温上昇が中断していることも注目される。


1982年〜2015年にかけて二酸化炭素濃度は上昇の一途を辿る。その一部は間違いなく人間活動による二酸化炭素排出に起因している。一方、明白に確認できるのが地球の緑化である。


空気中の二酸化炭素濃度の上昇が植物の育成を助けることは科学的事実として知られている。二酸化炭素濃度が上昇して光合成が促進される。二酸化炭素濃度が上がっている現在は生物にとっての黄金期である。


二酸化炭素濃度と気温上昇の関係・・・ ミランコビッチサイクルとして知られているが、IPCCは無視し続けている。十万年単位のグラフなので見にくいが、二酸化炭素濃度の上昇は気温上昇の800年後に遅れて発生している。二酸化炭素が増えてから気温が上昇するのではなく、気温が上昇してから二酸化炭素が上昇しているのである。


科学というものは仮説をたてて事実によって検証する学問である。IPCCが主張し、各国政府が受け入れている実績と予測が赤い線、現実が下の「Reality」である。事実を見ても主張を改めないのを科学と呼べるのであろうか。それは宗教ではないのか。


1990年、IPCC はこれから10年の間に0.3℃気温が上昇すると予測した。懐疑論者は当時0.1℃の上昇を予測した。約30年後の今、実際には10年間に0.13℃の上昇であったことが分かっている。どちらも予測を外した。だがより近いのは懐疑論者であった。そして懐疑論者は「気象変動を否定する者」というレッテルを貼られている。

地球の気温に主要な働きをするのが太陽である。太陽の活動と気温の上下動がほぼ連動することが分かる。


単純に太陽の熱が地球を暖める、ということだけではない。太陽からは宇宙線(cosmic rays)が照射され、それが上空で雲凝結核(cloud condensation nuclei: CCN)を生成し、雲凝結核が雲を生成する。雲が増えれば太陽光が遮られる。太陽光が遮られれば気温は下がる。宇宙線の増減と気温の上昇下降は反対方向に一致している。


地球温暖化説によると、地球温暖化が進むと(実際に小氷河期から近年まで気温は上昇している)気象災害が増えるとされている。だが、実際には頻度が減っている。


頻度だけでなく、嵐のつよさも減じている。


地球温暖化説によると、地球温暖化が進むと干ばつが進むともいわれている。だが、米国においては20世紀初頭から現在にかけて干ばつは減っていることが記録されている。


米国だけではなく、世界的にも干ばつは減っている。


地球温暖化説論者は「それはだな・・・激しい雨が大地を叩きつけるからだ」と反論する。だが、局所的な大雨はむしろ減っていることが分かる。


世界各国は二酸化炭素排出を減らすために風力・太陽光発電を推進している。原発を止めている国もある。そのコストはいかに・・・


まとめとして・・・

 

  • 科学的な手法やそれを適用する人々を敵視する動きを警戒しよう。
  • 地球の歴史において、気象変動は異常ではなく正常である。
  • 懐疑論者も警戒論者も地球が温暖化傾向にあり、人間の温暖化ガス排出が寄与していることには合意している。
  • 歴史的には現在の地球はやや寒冷である。
  • 気温上昇は国連の予測よりも遥かに遅く推移している。
  • 人間は温暖な気候によって健康と幸福を享受する。


以上、この内容は一人でも多くの人々に見てもらいたいと願う。

人間は温暖化がもたらす利益を享受し、来る可能性のある寒冷化に向けての備えをすべきなのである。一方、「地球温暖化対策待ったなし」を主張する人々の中には狂信性を先鋭化させている人々がいる。

 

ハーバード大学の研究者チームが進める「The Stratospheric Controlled Perturbation Experiment(SCoPEx:成層圏制御摂動実験)」と名付けられたプロジェクトでは、Stratospheric Aerosol Injection(SAI:成層圏エアロゾル投入)と呼ばれる手法の検証が行われます。実験では、建築用のセメントや胃腸の「制酸剤」などとして用いられることが多い炭酸カルシウムの粉末を空中に散布し、地域一帯の環境がどのように変化するのかを観測します。将来的には、高高度を飛行する航空機から粉末をまく方法を使うことで、年間100億ドル(約1兆1500億円)以下で地球の平均気温を1.5度程度下げることができると考えられています。記事


気違いである。化石燃料は人間の生活環境を爆発的に改善してきた。その発展を止めようとする共産主義者は環境の仮面をかぶって地球温暖化論にしがみつく。文明の発展を願う我々と文明の破壊を願う狂信者達との戦いが繰り広げられている。

米国のパリ協定の離脱はトランプ大統領の英断である。正しさが世界的に危機に瀕している現在、一縷の望みを託したい。

カルロス・ゴーン逮捕は日本凋落の一章

  • 2019.01.01 Tuesday
  • 12:43

日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告(64)=金融商品取引法違反罪で起訴=が、平成20年のリーマンショックで生じた私的な投資による損失約18億5千万円を日産に付け替えた疑いが強まったとして、東京地検特捜部は21日、会社法の特別背任容疑で再逮捕した。ゴーン容疑者は報酬過少記載事件で10日に再逮捕され、東京地裁が20日に勾留延長を認めない決定をしたため、近く保釈される可能性が高まっていた。今回の再逮捕で勾留は長期化する見通し。SankeiBiz 2018.12.21


カルロス・ゴーン氏の拘束がいまだに続いている。この国の金持ち引きずり降ろし体質は病的である。

東京地検特捜部はゴーン氏を金融商品取引法違反罪で逮捕し、それが法廷で却下されると今度は会社法の特別背任容疑で再逮捕した。

これは「罪を見つけて犯罪者を裁く」ではなく、「人を捕まえて罪を探す」という法治主義の基本をないがしろにするものである。現代の複雑化した法制度において、些細な過失を探そうと思えば何人も犯罪者にすることができる。今回の「事件」はまさにそれである。

ゴーン氏は自らの報酬額を過少に有価証券報告書に記載したとされて金融商品取引法違反罪に問われた。ゴーン氏くらいになると我々庶民のように月給とボーナスが全報酬という単純なものではない。退任後に「もらう予定」の報酬もある。予定だから額は未確定である。有価証券報告書というのは投資家向けの書類であるから脱税ではない。投資判断を左右するものですらないから騙しでもない。

更に地検はゴーン氏がその立場を利用して自宅購入や改装等の私的目的の出費を会社経費につけかえることで会社に損失を与えたとして特別背任容疑で再逮捕した。

仕事領域と私的領域を完全に分けられる人間は皆無である。仕事のレベルが上がれば上がるほどにその両領域を隔てる境目は薄くなる。朝起きてから寝るまで、寝ている間も仕事のことを考え続ける。人と会って飯を食ったり酒を飲んだり遊びに行ったりするのも仕事との関係性を排除することはできない。ゴーン氏くらいの立場になればあらゆる時間を業績向上につなげることが求められる。

そうなると必然的に私的な時間に仕事の領域を、仕事の時間に私的な領域を混ぜ込まざるを得なくなる。あらゆる人には1日の時間は24時間しかないからであり、体力と知力を2倍、3倍にすることはできないからである。私的領域が仕事領域になり、仕事領域が指摘領域になるのである。それは悪いことでも何でもない。現実というものである。

そして、日産ほどの会社を崖っぷちから回復させるにはそれ相応の能力が必要である。だからこそ国内ではなく国外からゴーン氏という人材を得たのである。人材はタダではない。稀有な人材であればあるほどそれなりの報酬が必要なのである。こういう人材は日々の生活に困っているわけではない。このような人材に特有なニーズがある。行動範囲は常人を遥かに超えるためかかる経費も莫大になる。様々な都市に豪邸を買って別荘にするというのもその一つである。その経費を会社で負担するというのも、必要な人材を確保するために必要なコストである。

もしもそのコストが会社の利益を上回っており、会社に損失を与えているというのであれば、会社がゴーン氏を解任すればよいのである。もしも経費の使い方が不当であると、多くの幹部が感じるのであれば、幹部は会社内でそられを阻止すればよいのである。幹部が阻止することができず、多くの社員が不満を爆発させているのであれば、幹部も社員も会社を去ればよいのである。それで自然と自浄作用が働くのである。

日産はカルロス・ゴーン氏を絶対君主にいただく帝国ではないし、公官庁でもない。日産は株式会社である。会社としてゴーン氏の処遇を決定すればよいのであって政府がしゃしゃり出る必要はない。

些細なことでも人々が「会社を利用して個人的なニーズを充足させている」例は沢山ある。海外出張によく行く人間がマイルをためてそれで買い物をしたり家族旅行に行ったりするのもそれである。出張は会社経費である。マイルを買い物や家族旅行に使うのは個人用途である。人はそのようなことには目くじらを立てないが、カルロス・ゴーン氏は許せない。それは氏が金持ちだからである。

金持ちを引きずり下ろして人々が豊かになるか。考えてみれば分かることであるが、社会主義に脳をやられた人間にはやはり分からないのであろう。

あの国で活躍すれば大儲けできる、と思えば潰れる寸前の会社をV字回復させ、世界に冠たる企業に変貌させられるほどの有能な人材がやってくる。あの国で活躍し、儲けられたと思ったら引きずり降ろされて牢獄に入れられ、財産も没収される、となればどうなるか。バカバカしくて来る気にもなるまい。

インターネット上では「乾いた雑巾を絞るようにぎゅうぎゅうに締め上げてやれ」と息巻いている人間を見かける。この一件で溜飲を下げたつもりになっている人間は束の間の楽しみを享受すればよい。この結果は来月、再来月、来年、再来年といった近い時間軸で来るわけではない。10年〜20年といった時間軸でじわじわと効いてくる。その時にはこの件など遠い過去になってしまっている。人々の記憶にも残っておるまい。

"Spygate" 読了

  • 2018.10.28 Sunday
  • 19:43

「トランプ・ロシアゲート疑惑」の何たるかを追い続けてきた保守ポッドキャスターのダン・ボンジーノが集大成を出版した。

「スパイゲート・・・ドナルド・J・トランプ追い落とし作戦」



メディアが世間に流布するいわゆる「疑惑」の内容はこうである。

『トランプはビジネスマン時代からロシアとロシアとつながりがあり、プーチン大統領を尊敬していた。2013年にロシアを訪問した際、ホテルで売春婦と乱交し、それをクレムリンに握られていた。トランプは2016年の大統領選においてクリントンと対峙することになった。トランプはロシアのコネを使い、ロシアに民主党本部をハッキングさせると同時にクリントンに不利な情報をロシア情報機関から仕入れた。ポール・マナフォート、マイケル・フリン、カーター・ペイジ、ジョージ・パパダポラスといった親露的でロシアと繋がりの深い人物を起用し、ロシアから仕入れた情報を有利に使ってトランプは大統領選挙に勝利した。だがトランプのロシアとの共謀が徐々に露呈し、トランプ本人と選挙戦を支えた側近達の国家反逆的な違法行為が次々と白日の下に晒されることになった』

それに対し、本書はロシアゲート疑惑の本質をこのように説明する。

オバマ大統領やクリントン候補、民主党はトランプは共和党内での選挙戦で消えていくものと考えた。だが意外なことに生き残っただけでなく、ヒラリー・クリントンを脅かす存在となった。トランプを阻止しなければならない。それが至上課題となった。

トランプが公言する政策はそれまでの民主党政権においてオバマ大統領とクリントンが行ってきた政策をひっくり返すものであった。そしてトランプが政権につくということは、オバマ大統領とクリントン国務長官(当時)のイラン核開発容認、ロシアのイラン核開発支援の容認、ロシアのウラン確保容認、クリントンの個人メールサーバー使用とオバマの関与、こういった問題行為の数々が裁かれるということを意味した。彼らにとってトランプは危険人物であった。

ヒラリー・クリントンは法律事務所を隠れ蓑にし、ロシアに情報網を持つイギリスのスパイに「ロシア疑惑文書」を作成させる。ジョン・ブレナンCIA長官はそれにお墨付きを与え、ジェームズ・コーミーFBI長官はそれに基づいてトランプ陣営を盗聴する許可を裁判所に申請する。トランプ陣営を罠にはめる作戦が始動する。トランプ阻止の目的を共有する様々な人物がトランプ陣営に入れ代わり立ち代わり近づき、「ロシアが握るクリントンに不利な情報」をチラつかせては「情報に食いついた」証拠をデッチあげ、その報告をFBIに上げる。FBIはそれをもって「トランプ陣営はロシアと共謀している」と裁判所に訴え盗聴許可を得る。

FBIは犯罪行為を発見してその行為の主を捜査するのではなく、特定の人物をターゲットにして罪を探すという法治国家としてあるまじき捜査を繰り広げる。

しかし彼らの作戦は失敗し、トランプは大統領になってしまった。いよいよ憎しみに燃える彼らは「トランプ引き下ろし作戦」に移行する。

オバマ時代からFBI長官を務め、この疑惑の形成に重要な役割を果たしていたジェームズ・コーミーはトランプ大統領に解任される。メディアと民主党は「疑惑の捜査を妨害している!」とトランプ大統領を非難。オバマ時代の残党が牛耳る司法省はロバート・ムラー特別捜査官を任命し、トランプ大統領追い落とし作戦が始まる。ロバート・ムラーはトランプ選挙陣営とトランプ政権に関わる人物を片っ端から狙い撃ちにし、選挙に関係あるなしに関わらずあらゆる手を使ってトランプ大統領の政権運営を妨害しにかかる。

この「疑惑捜査」は大統領選の最中に始まり、トランプが大統領就任後1年が経過しようとしている。

しかし今にいたるまで「疑惑」を証明するものは、何一つ見つかっていない。トランプ大統領の支持率は益々上がる一方、この「疑惑」の本質が日を追うごとに明らかになる。それに関わる人物達の欺瞞と偽善と不道徳が暴かれつつある。彼らは窮地に追い込まれている。本書の出版がとどめを刺す。

本書ではこの疑惑に関わってきた人物を軸に、一連の詳細な流れを時系列でまとめている。

この「疑惑」には複数の国々にまたがる人々がそれぞれの思惑をもって関わっている。ウクライナはクリントンに肩入れした。イギリス情報部とオーストラリアの元外相は疑惑を形成する上で主要な役割を果たした。なぜ彼らが「トランプ阻止」に動いたのか、彼らの思惑とは何だったのか、なぜアメリカのCIAがイギリスの諜報機関に米国民をスパイさせたのか、疑惑の当人であるロシアがアメリカ大統領選をどのように見ていたのか。これらの疑問の答えは本書で明らかにされている。

現職の民主党政権が国家権力を動員するとともに外国の諜報機関をも使って対立政党の共和党の候補者を阻止する作戦を実行し、それが失敗した後にも政府機関とメディアを使って妨害を続ける、という前代未聞のスキャンダルとして、この「ロシアゲート疑惑」は後世に伝えられることになろう。

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