破綻への備え

  • 2019.01.12 Saturday
  • 22:08

インフレ率、170万%=IMF「今年は1千万%」―ベネズエラ 1/10(木) 時事通信
【サンパウロ時事】南米ベネズエラの国会は9日、2018年のインフレ率が170万%に達したと発表した。国際通貨基金(IMF)は今年のインフレ率を1000万%と予測している。ベネズエラは有数の産油国だが、原油相場低迷やマドゥロ政権の価格統制などの失敗により経済が破綻。近年200万人もの市民が国外に脱出した。マドゥロ大統領は8月にデノミ(通貨呼称単位の変更)を実施したが、混乱は収まらなかった。


今日のベネズエラは明日の日本である。

債務残高の対GDP比を見ると、我が国は主要先進国の中で最悪の水準となっている(財務省)。あのギリシャは178.6%(2017年)であったが、それをぶっちぎってのダントツ一位である。

 


日本では国民が生産した額の倍以上を政府が使っている。日本は税収が約60兆円。債務残高は1000兆円。例えれば、年収500万で預金無しの家庭において、借金額が8000万以上に膨らむようなものである。月給が入っては利子をつけて返し、返してはまた借りの繰り返しで借金は雪だるま式に膨らむ一方である。これで家計が回るわけがない。

家計と国家財政との間に質的な違いは何もない。量的な違いがあるのみである。国家財政は大きな家計である。家計において推奨される事は国家財政においても推奨される。家計において忌避される事は国家財政においても忌避される。

家計において最も忌避されるのは金の使いすぎである。「使いすぎと」は収入に対して支出の割合が高いことである。毎月の給料日前に所持金が底をつき、一時的な措置として翌月の支出を調整することで容易に返却できる程度の額の金を借りるならばまだよい。だが、返す当てもない額の金を延々と借り、前に借りた金を返すために新たな借金をするとすれば、それは破綻した家計である。

日本の国家財政は破綻した家計そのものである。

家計の破綻した人に対し、人はいつまでも同じように金を貸し続けるわけではない。なぜならば、借金で首が回らなくなればなるほど、回収不能になるリスクが高まるからである。じきに誰も金を貸さなくなり、借金だらけの人間は破産することになる。

日本ではバブル崩壊後、景気対策と称した政府の過剰支出体質が続いてきた。アベノミクスの「デフレ脱却」を目的とする円安誘導と低金利政策、更に異次元の量的緩和によって大量の金が刷られ、市場にばら撒かれた。政府が国債を発行し、金融機関がそれを買い、日銀がそれを即座に買い取る。これを無制限に行うことで実質的に金を刷って市場に撒いているわけである。

自民党の幹部はこのようなことを言っている。



日銀は通貨発行権を持っているから必要な資金は紙幣を発行することで調達できる、と言っている。このような素人が政治の実権を握っているのである。いくらでも通貨を発行できるのであれば我々一般人から税金を徴収する必要がない。その分も通貨発行で賄えばよい。無制限に通貨を発行すれば世界一の金持ち国家になれるであろう。ついでにいえば、我々が働く給料分も通貨発行すれば、我々は一切働かなくてもよいということになる。国民全員が働かずに年収5000万でも8000万でも得ることも可能であろう。これほどバカげた発言はない。

金を市場に撒けば金の価値は下がる。1個のリンゴと100円が存在する島を想像してみる。その島において、リンゴの価格は100円である。その島の通貨供給量を100円から200円に増やしたらどうなるか。1個のリンゴを倍の通貨が追うことになるわけだから200円になる。1個のリンゴを買うのに以前は100円あればよかったものが、200円出さなければ買えなくなるわけである。

通貨価値が下がる。それがインフレである。

なぜ日本ではまだインフレが起きていないのか。

起きていないのではない。その時々の状況で金は様々なところへ向かう。異次元緩和で注入された金は消費財ではなく投資財へ向かった。そのために株価が上昇したのである。安倍信者は株価上昇を称賛したが、上昇して当然なのである。

そして消費財も徐々に価格上昇しつつある。少し前まで「隠れ値上げ」というものが取りざたされた。1000mlの牛乳を「価格据え置きで軽くて持ちやすく、残さず最後までおいしく飲んでいただけるようにしました!」という売り文句で950mlにしたりというのがそれである。最近はもうそのような「姑息な」手段がネタ切れになったのか、「正直な」値上げが相次いでいる。本格的な値上げは消費増税後である。

しかし諸外国から「それほど問題視されていない」のはなぜか。

それは日本の国債を保有しているのがほぼ日本人だけだからである。国債の価値が暴落しようがどうなろうが、日本人が勝手に買っているものを心配するほど誰もヒマではない。しかし我が国の愚かな者達はその事実を逆さまに見てこう言う。

「ギリシャと違って国債は全て日本国民が保有している。だから破綻するわけがないのだ。いわば、オヤジが息子から金を借りているようなもので、どうにもならない状況になっても無理に取り立てはしない。だから大丈夫なのだ」と。

これは別の言い方をすると、政府は我々国民の財産を没収するつもりだということである。その気になれば国民の財産を使って借金を返せば一発でやり直せる、ということである。

ではどうやって徴収するのか。正直に「税金を取ります」では国民は納得しない。しかし隠れた徴収方法がある。それがハイパーインフレである。

パンを買うのに100円だったものが1万円になり、10万円になる。タクシーに乗るのが1000円だったものが100万円になる。そうなれば1000兆円の政府借金などわけもなく清算できるということである。

ハイパーインフレにおいて、庶民の生活はどうなるのか。それを予測するには現在のベネズエラがどうなっているかを見ればよい。




断続的に電気供給が止まる市場では腐臭漂う肉が売られ、病院では壊れたベッドや医療機器が放置され、葬儀所では死人が6か月以上も放置され、ゴミは収集されずに放置され、人々は僅かな食糧を求めてゴミを漁り・・・。このため人々は平均8.6キロも体重が減ったという。

「日本でこのようなことが起こるわけがない」とはよく言われることである。

しかしベネズエラは石油資源に恵まれ、かつては南米で最も豊かな国であった。ハイパーインフレがナチス台頭の引き金を引いたかつてのドイツも豊かな国であった。豊かな国が転落するのは珍しい事ではない。今だけを見ていても仕方がないのである。

我々庶民ができるのは生活防衛である。その手段は外貨保有である。円の価値がどうなろうが、ドルはドルである。国は個人の財産に手を突っ込もうとしている。個人は防衛しなければならない。

ハイパーインフレはやってくる。これはIF(くるかどうか)ではなく、WHEN(いつくるか)の問題である。米国の株価の影響を受けて年末から円高に振れているが、これは一時的な調整である。米国ではトランプ政権にはいって景気が回復しており、それを受けて金利が上昇しつつある。金利が上がれば(日本同様に)いままで投資財に向かっていた金が貯蓄に向かう。すると当然ながら株が下がる。米国ではこの株価下落は一時的な現象と受け止められ、ドル売りも止まるはずである。そうなれば円買いによる円高も終わる。その時が正念場である。

現在の円高傾向は線香花火のようにパッと最後に散って終わる可能性が高い。それからが急激な円安とそれに引きずられるインフレの加速が始まる時である。


参考:藤巻健史 「日銀破綻」 ・・・
金融トレーダーとしての経験を持つ維新の会・藤巻議員は日銀の破綻は近いと警告する。この本については改めて読了記を記したい。内容的には賛否あるが、現在日本が置かれた危うい状況についての解説は刮目に値する。



 

政府が介入して民泊はお陀仏

  • 2018.06.17 Sunday
  • 14:05
 

家主の不在は1時間まで 民泊、ビックリ規制で激減 6/10(日) 10:12配信 NIKKEI STYLE 住宅に旅行者などを有料で泊める民泊が6月15日に解禁されるが、事業者の登録届け出が低調だ。1カ月前の時点でも全国で約720件にとどまり、ゼロという地域さえある。数万件以上が営業していた従来とは様変わりだ。解禁を機に民泊をやめるという人たちに理由を聞いたところ、厳しい規制と煩雑な手続きが浮き彫りになった。きちんとルールを守ろうとする「真面目な人」ほど継続をあきらめる矛盾も垣間見える。


カーシェアも同様であるが、活用されていないものを有効活用する、というのは有意義な経済活動である。使われていない自分の家や部屋を民泊で人に貸して利益を得る。新たな設備投資も建設も不要。借りる側もネットで手軽に手続きができ、ホテルとは違う生活感を味わうことができるということで人気が上昇してきた。世の中の不足や過剰(旅行者の増加、ホテルの逼迫、空き家・空室の増加)はそういった人々の自発的な行動によって解消されていくものである。

貸し手と借り手が相互に自発的に取引し、どちらも満足感を得られればそのサービスは自然と拡大し、どちらかが不満を持てばそのサービスは自然と消滅する。

しかし政府が目をつけて介入した結果、その流れが断ち切られようとしている。

新しい法律では家主が2時間以上外出する場合には「家主不在型」と分類され、苦情対応などの管理業務の外部委託、ほかの部屋と無線で連動する火災報知設備や避難経路を示すための非常用照明器具の設置、建物が安全性についての建築士による証明といった義務が課される。

しばらく不在にするからその間人に貸そう、というような気軽な運営は不可で、そうするならば煩雑な手続きや出費を覚悟せねばならない。さもなければ観光客が朝から晩まで外で観光をしている間、家主はずっと家に居座らなければ違法になる、というわけである。

同法律では営業日数が年間180日までと決められている。口コミで人気が高まり、年間を通じて訪問者で賑わっていたようなところは民泊としては続けることができず、宿泊業を続けたいならば昭和23年に施行された旅館業法に則って運営しなければならない。さもなければ廃業である。

また、同法律では民泊業者は民泊をしていることが周辺住民に分かるように公衆の見やすい場所に標識を掲げなければならない。



自分の名前、住所、電話番号といった個人情報を公衆に晒せ、というわけである。日本全国、集合住宅地だらけで周辺にどこの誰が住んでいるのかも分からないこのご時世に、このような情報を公にするリスクは大きい。

結果として冒頭の記事にあるとおり政府による民泊「解禁」を前にして申請数は鳴かず飛ばずの状態である。これまで盛り上がりを見せてきた民泊市場に完全に冷水を浴びせた状態である。

政府が手を触れるとすべてはダメになる。これはもはや物理の原則になったといっても過言ではない。

「人材不足」なる蜃気楼・・・国破れて政府あり

  • 2018.06.17 Sunday
  • 12:51

政府も企業もメディアも一般大衆も、一億総出で蜃気楼を追いかけるという現象はよく見られるものである。

「人材不足」なる現象もその一つである。

人材不足を補うために高齢者にもっと働いてもらおう!シルバー人材活用だ!
人材不足を補うために女性にもっと働いてもらおう!「女性が輝く社会」だ!
人材不足を補うために外国人に働いてもらおう!移民受入だ!
人材不足を補うためにロボットに働いてもらおう!AI社会の到来だ!

ここまでメディアで騒がれると、一般大衆はもう思考停止である。人材不足は社会問題として人々の思考に定着する。

価格が需要と供給の調整機能を果たす自由な経済において、不足や過剰は局地的に発生するものの、即座に解消される。

需要曲線と供給曲線を見て考えれば簡単である。



ゞゝ襪減ると、一時的に不足が生じ・・・
価格が上がる。価格が上がると
需要量が減る。需要量が減れば
不足は解消する

経済の面白いところは、ここで話が終わらないということである。経済は常に動的であり、新しいアイデアを持つ人々によって息吹を与えられる。不足によって価格が上がれば、その商品やサービスを利用していた人々は何らかの影響を受ける。何らかの軋轢が生じる。何らかの不都合や不愉快が生じる。起業家精神に富む人々はそこを見逃さない。潜在的に見込まれる需要を目当てに創意工夫がなされ、やがては当初の不足を解消しつつも更に良い商品やサービスが市場に投入される。

一方、不足が解消されないということは、△鉢の動きが阻害されていると見るのが妥当である。次に考えるべきは、この動きを阻害するのは誰か、阻害出来うるのは誰か、ということである。

この動きを阻害できる存在は唯一つ、政府である。

「人材不足」という現象は、実際には人材が足りないのではなく、需要と供給のミスアロケーションである。政府政策によって人為的に作られた過剰と不足が経済のあちこちで発生し、それが人材不足という形で現出しているに過ぎないのである。

例えばオリンピック。これに向けて政府は税金を投入して競技会場や各種設備づくりを進める。「国の威信」がかかっているから迫りくる期限に向けて遮二無二強行する。建設関係をはじめとして関連する幅広い業界に対して人為的な需要が作りだされている。

例えば保育。政府が保育料を設定する一方、待機児童対策と称して税金を投じて保育施設づくりに励み、無償化と称して税金で経費を補てんしている。結果として限られた供給に対して需要(子供を預けようとする人の数)を人為的に増加させている。

例えば介護保険制度。少子高齢化で益々高齢者が増える最中、政府が「利用できるサービスの上限」を決め、サービス単位の点数を決めることで料金をコントロールしている。料金を低く抑えることによって供給を制限する一方で受益者の負担率を1割に抑えることによって需要を人為的に増加させている。

創意工夫で付加価値をつけて参入しようにもガチガチの規制で固められた業界に新規に入るのは難しい。供給は制限される。そこにもってきて需要が人為的に増えているのであるから不足がいつまでも解消されないのは当然である。

日本では少子化で人口が減少している。普通に考えれば総需要は減るのが当然である。もしも我々の経済が自由なものであれば、需給がバランスしたままで徐々に需要も供給も減少していくのが当然である。

だが現実は「人材不足」。政府の介入以外の理由がなければあり得ない現象である。

人材不足を補うためと称して移民を入れてしまえば当初の不足をもたらした政府の失態はそのまま温存される一方、日本人の、日本人による、日本人のための日本国は失われるであろう。

国破れて政府あり、である。

なぜ低インフレなのか

  • 2018.04.15 Sunday
  • 20:57

「脱デフレ」を目指すアベノミクスのインフレ政策と日銀黒田の「バズーカ砲」にも関わらず、なぜ我々の経済は低インフレなのか。確かに食品のサイズがさりげなく小さくなる実質値上げはあるものの、明日どうなるやら分からないという戦々恐々たる状況ではない。

長期にわたるインフレ政策によって、本来ならばかつてのワイマール共和国やジンバブエ、現在のベネズエラのようなハイパーインフレが我々の生活を襲っていてもおかしくはない。

なぜそうなっていないのか。保守主義とリバタリアニズムを掲げる人気ポッドキャスター、ダン・ボンジーノ氏がその疑問に答えるような興味深い記事を紹介していた

この記事が理由として挙げているのは技術革新、シェアリング経済、人口動態の変化である。

技術革新によって、以前ならば買わなければならなかったものが買わなくてもよくなっている。典型的な例はスマートフォンである。Iphoneは電話ではない。電話機能は極一部である。例えば私にとってIphoneは手帳であり、道案内であり、図書館であり、テレビであり、ラジオであり、オーディオであり、カメラであり、新聞であり、家計簿であり、天気予報であり、辞典であり、メトロノームであり、ショッピングセンターであり、ファックス機であり、スキャナーであり、銀行であり、航空チケットの発券所であり、サイフであり、目覚まし時計であり、メモ帳である。Iphoneが一台あれば、それだけの多くのモノを買わなくてもよいということである。これはインフレを抑制する要因である。

もう一つは日本でも徐々に知られるようになった配車サービスのUBERや民泊サービスのAirbnbに代表されるシェアリング経済である。これは既に存在するがそれまで活用されていなかった資源を有効活用するというものである。車は人が運転していない間はただのハコである。住宅も人が住んでいなければただのハコである。彼らは既存のタクシーやホテル・旅館といった規制勢力に挑戦する。それらは低価格化をもたらし、消費はは恩恵を受ける。これもまたインフレ抑制要因である。

UBERもAirbnbも技術革新によって可能となったサービスである。技術革新をもたらしたのは市場経済である。アベノミクス、0金利政策、黒田バズーカ砲という破壊的要因にも関わらず、図らずとも我々の生活は市場経済によってハイパーインフレという奈落の底への転落から救われているのかもしれない。

ネタニヤフ首相がイスラエル経済を語る

  • 2018.03.17 Saturday
  • 16:40

イスラエルのネタニヤフ首相が語る。イスラエルから渡米した当初、英語が一言も話せなかった少年時代のこと。ドナルド・トランプとの友情。アメリカへの想い。自由と繁栄と平和への想い。米国でボストン・コンサルティング・グループ就職し、ミット・ロムニーと出会ったこと。そこで自由主義市場経済の重要性を知ったこと。そして、イランの脅威に立ち向かう決意。


LIFE, LIBERTY & LEVIN 03/11/2018 I Fox News

ネタニヤフ首相は完璧な人間ではないし、批判したこともある(トルコへの謝罪等)。だが不安定で知られるイスラエル政界においてこれだけの長期政権を維持する統治能力はさすがである。

ネタニヤフ首相は、軍隊での訓練経験をもとに経済改革を語る。

「私は財務大臣となったとき、いったいどうしたら人々を説得できるかを考えた。そこで軍隊での経験を話すことにした。

教官が訓練生達を前に『お前達、それぞれ自分の横の人間を担いで走れ』命じた。私は自分と同じくらいの人間を担ぎ、一歩を踏み出すことすら困難であった。隊で一番小柄なある者は一番大柄な者を担がなければならず、担いだ途端に潰れてしまった。ある大柄な者は小柄な人間を担ぐことになり、脱兎のごとく走り勝者となった。

大柄な公共部門に押し潰されている小柄な民間経済、それがまさに我々の経済なのだ。上にいる肥った公共部門をダイエットさせ(支出削減)、下にいる民間経済に酸素を送り(減税)、行く手を阻む柵(規制)をとっぱらってやなければならないのだ」

事実、ベングリオンやゴルダ・メイヤーをはじめとして、イスラエルを建国した当時の政治家は大方左の人々であった。80年代までのイスラエル経済は社会主義的であり停滞していた。イスラエルが経済大国として知られるようになったのは90年代からであった。

ネタニヤフ首相は、氏が政府の主要ポストに就いて以来経済改革を推し進め、民間経済の強化に取り組んできた経緯を語る。

言うまでもなく、周囲を敵で囲まれたイスラエルにとっての最重要事項は国防である。自由主義の立場から経済を語り、その国を繁栄に導くことのできる人間を首相として持つイスラエルは幸運である。そしてそのような政権を選んできたイスラエル国民にも敬意をいだくものである。

インタビューしているのは米国の保守派論者として知られるマーク・レビンである。レビン氏の主要舞台はずっとラジオであったが、このたびフォックスニュースに起用され、落ち着いた長い形式のインタビュー番組を始めるに至った。このインタビューもそうであるが、保守哲学と知識に裏打ちされた深みのある対話は稀である。番組の成功を祈りたい。

ビール価格規制

  • 2017.07.17 Monday
  • 07:05
 

夏本番間近もビールが売れない!大手メーカーの秘策とは
7/15(土) 15:09配信 日刊工業新聞
関東地方などは連日暑い日が続いているが、ビールの販売は不振だ。


この世には「余計な仕事」というものが多数ある。政府の政策に対応するための仕事がまさにそれである。

政府は町の小規模酒店を保護する、という名目でビールの安売り規制を導入した。

だが酒店を保護するどころかビール全体の売上が落ちている。今、まさに誰もが冷たいビールを飲みたい時期に、ビールが売れない。その理由は政府の「安売り規制」。

私自身も以前はビールが中心であったが規制開始後からビールを止めた。規制による価格上昇に反応したためではない。実際にいくら上がり、それがサイフにどの程度響くかは正直知らないが、とにかく規制によって価格が上昇することだけは知っている。故に規制代金など払う気がない自分としてはビールを買う気持ちが失せたといったところである。

政府が規制することによって本来ならば売れるはずの商品が売れない。それに対してビール各社はビールを売るためにあの手この手で対策を打っている。これらは本来やる必要のない仕事である。

モノは価格が高ければ売れない。モノが売れなければ富は創出されない。モノが高ければ富者はまあまあ何とかなるが貧者には堪える。

モノは価格が安ければ売れる。モノが売れれば富が創出される。モノが安ければ貧者も富者も助かる。

政府の政策によって売れるものが売れず、買いたいものが買えず、やらなくてもよい仕事をさせられる。

これは政府による富の収奪に他ならない。

「人手不足でも賃金停滞の謎」を解く

  • 2017.06.11 Sunday
  • 22:15

 

コラム:人手不足でも賃金停滞、日本最大の謎=河野龍太郎氏
河野龍太郎BNPパリバ証券 経済調査本部長(記事


人手不足なのになぜ日本では賃金が上がらないのか・・・この謎を解き明かす、というコラムがあった。

筆者は様々な角度から長々と論じているのであるが、悪いが私はその本文は読んでいない。なぜならば読む気がしないからである。なぜならばこれは謎でも何でもなく、単純な需要供給曲線で説明できる話だからである。

/雄犲要が増えると
価格(給料)が上がるはず



人件費が上がり過ぎれば
需要そのものが減少し
い△訥度の上がり幅に落ち着く



これが本来あるべき姿である。

本来はこのような調整が自然と働くはずだが、現実はそうはならない。

なぜならば、一つには様々な雇用規制のため労働市場における価格が本来の調整機能を失っているためであり、一つにはそもそもの人材需要が2020年のオリンピック開催をはじめとする人為的・政治的に生み出されたものだからである。

人材需要が政府政策によるものであり、価格の調整機能も働かないから需要は減らない。

上がらない価格(賃金)と減らない需要。その間に生じるのが需要と供給のギャップである。

そのギャップこそが人材不足、負担増という現象であり、人手不足なのに賃金停滞、という現象である。



 

プレミアム級のバカ政策・プレミアム・フライデー

  • 2017.02.25 Saturday
  • 19:24
 

「プレ金」で午後から寄り道か? 「早帰り」取り組み確認できた企業は120社
産経新聞 2/24(金) 政府と経済界が考案し、月末の金曜日の仕事を早く切り上げることで消費を喚起しようとする「プレミアムフライデー(プレ金)」が24日からスタート。大和ハウス工業(大阪市)など導入企業では、従業員を早帰りさせるなどの取り組みがみられた。プレ金は2月から毎月末に実施。飲食店や百貨店などは仕事帰りの人を呼び込もうとする催しや、関連商品を販売する。経済産業省によると、23日時点で早帰りなどの取り組みが確認できた企業は120社程度という。


この世にはプレミアム級に恥ずかしい政策があるものだが、この「プレミアム・フライデー」なる政策はまさにそれである。

政府の恥ずかしい経済政策はすべて「消費が経済を牽引する」というカルト信仰から出てくる。誤った前提からは誤った思考しか出てこない。誤った思考からは誤った政策しか出てこない。プレミアム級の誤った前提からはプレミアム級の誤った政策が出てくる。

経済を牽引するのは消費ではなくて生産である。消費があるから生産があるのではない。生産があるから消費があるのである。アップル社がiPhoneを生産するから消費者はiPhoneを買えるのである。

アップル社に対して消費者が列をなして「こんな通信機器が欲しいから製造してもらえませんか」という陳情をし続けたからアップル社が「分かったよ、つくってやるから必ず買うんだぞ」と重い腰を上げたのではない。

アップル社が消費者から何を言われるまでもなく時代を先回りして何億ドルだか何十億ドルだか何百億ドルだかを投資して開発し、生産し、世に出したからこそ人々はiPhoneが買えるのである。

生産があるためには投資がなければならない。投資があるためには資金がなければならない。資金があるためには貯蓄がなければならない。

消費とは貯蓄の反対である。

政府が消費を喚起する。これは言い換えると政府は生産を阻害しているわけである。

政府はプレミアム・フライデーを経済の「起爆剤」にしようと狙っているそうである。経済を牽引する生産を阻害して起爆剤もへったくれもない。

この「プレミアム・フライデー」は経済産業省の特別チームと大手百貨店、飲食店が議論を重ねて立ち上げたのだという。国民の税金でメシを食う高給取の高級役人が国民の生活を破壊する政策をセッセとつくるのだから大したものである。

バカは死ななきゃ治らない。このようなバカ政策を葬るためには経済産業省を葬らなければならない。

賃貸住宅バブル・・・収奪が呼ぶ不毛な投資

  • 2017.02.09 Thursday
  • 19:19
 

「相続税の節税対策を背景にした賃貸住宅」
国内の賃貸住宅の新規着工戸数が急増し、世帯数の増減などを加味した潜在需要を2016年以降上回り、供給過剰となる可能性が高いことが、内閣府のリポートで分かった。利用者のニーズに合わない狭小住戸も多いと指摘しており、相続税の節税対策を背景にした賃貸住宅の「建設バブル」の発生に警鐘を鳴らしている。 毎日新聞2017年1月24日


問題の原因を作り出しておき、それを「リポート」し、「警鐘」を鳴らす。それでいて問題の根本原因が何か、その原因を除去する方法は何かに触れることはない。

この政府の自作自演ぶりほど滑稽なものはない。

この賃貸住宅の着工急増は不動産業界が将来の需要を見込んだ結果ではない。これはマイナス金利政策に後押しされた相続税の節税対策である。

マイナス金利は金の価格を人為的に下げる収奪行為である。相続税も人々が税金を払った後で残った収入をせっせと子や孫のために貯めた金をとろうとする収奪行為である。

このダブルの収奪行為に動かされた投資の結果として需要の見込みとは関係のないところで建設バブルが起こり、それはまた人手不足もひきおこす。

本来必要ではない投資が行われた結果として資金も資源も無駄になる。需要の無い賃貸住宅は何十年も残り、長期的な市場への影響をもたらす。

一方不要な投資の結果として、長期的な富の増加と雇用の創造をもたらしたであろう有用な投資のための資金は失われた。そしてこれからも失われ続ける。

人口が減少するなかで不要な賃貸住宅が累々と屍のように残る。これが収奪が収奪を呼んだ哀愁の結末である。

「同一労働・同一賃金」空想に基づく愚策

  • 2016.12.25 Sunday
  • 11:58
 

大半の企業、人件費の拡大懸念 同一労働同一賃金の導入に警戒感
政府は20日、非正規労働者の待遇を改善する「同一労働同一賃金」の実現に向け指針案を示して取り組みを強化する方針を表明したが、産業界では導入への警戒感を強めている。「制度が決まれば対応しなくてはならないが、コスト的には厳しい」(大手スーパー)と、人件費の拡大を懸念する声が圧倒的に多い状況だ。人手不足のなか人材流出の懸念もあり、産業界は対応に苦慮している。 SankeiBiz 12/21(水) 


「同一労働ならば同一の賃金を払うべし」という考え方は、この世に「同一労働」というものが存在する、という幻想に基づいている。

限りなく「同一」に近い、例えば工場の組み立てライン作業を考えてみる。部品Aと部品Bが流れてきて、作業員はAとBを組み合わせて部品Cにするプロセスである。そこでは作業員が指示に従って単純な作業さえすれば同じ仕上がりになるような仕組みになっている。ではここで働く10名の作業員は「同一労働」をしているのか、といえばそうではない。その工程の後では部品Cが仕様通りに組み立てられているかを機械で自動判定する検査工程がある。そこではズレや不完全な組立てが検知されて自動で良品と不良品に仕分けられ、同時に作業員毎の良品率が計測される。

この例において、一定時間内における10名の良品率が100%から60%にわたる場合、ある作業員は100%の仕事をし、ある作業員は80%の仕事をし、ある作業員は60%の仕事をしたことになる。もしもすべての作業員の良品率が100%であったとしても、それはたまたまその検査に違いを判定するだけの精度が無い、もしくはそこまでの精度が求められていないというだけのことで、「違いが存在しない」ということを意味するわけではない。

複数の人間による作業には必ず違いが存在する。違いが存在しないのは、同一規格でつくられた機械による作業だけである。人間は同一規格でつくられているわけではない。人間は性格も能力も指向も多様である。同じ人間でも気分の良い日もあれば悪い日もある。気力が充実していれば集中力が増す。気になることがあれば注意力は減じる。

単純労働ですら人により違いが生じ、同一人物であっても時と場合によって違いが生じる。何らからの付加価値を求められる仕事において、その差は指数関数的に増大する。

また同程度の仕事を同程度に仕上げる複数の人間に関しても、与えられた仕事に素直に取り組むか、早く仕上げるか、体裁よくきれいに仕上げるか、工夫して改善につなげるか、仕事内容の文字ヅラに表れない違いは山ほどある。また、長く仕事を続ける可能性が高いか、もしくは結婚や妊娠等で途中で仕事を辞める可能性が高いか、といった当人の資質以外の要素によっても雇用者にとっての被雇用者としての価値は違ったものとなる。

賃金というものは労働の価値に対する対価である。

これら多様な人間による労働において、「同一労働」と「同一賃金」を語るというのは完全なる空想の世界である。

空想にふけるのは時として楽しいものである。個人が空想にふけるのは自由である。だが政府が空想に基づく政策を施行するとき、結果は空想の範囲を超えて現実のものとなる。

「同一労働・同一賃金」を導入するとき、賃金をパフォーマンスの高い側に合わせてはパフォーマンスの低い人間の慢心を呼び、逆にパフォーマンスの低い側に合わせてはパフォーマンスの高い人間のモチベーションを下げる。妥協策として企業はパフォーマンスの平均値に賃金を合わせる。

結果として企業内にはある程度の慢心とある程度のモチベーション低下がもたらされる。パフォーマンスに基づいた最適賃金の設定は妨げられ、全体的にコスト高となる。高パフォーマンスの人材の不満と低パフォーマンスの人材の慢心が同時に発生するのであるから当然である。

それがために産業界では人件費の拡大が懸念されているわけである。

あらゆる企業が安心して金儲けに邁進することこそが景気回復への道である。そのための枠組みを整備するのが政府の役割である。その枠組み整備とは規制の排除に他ならない。道路の信号のように最低限全ての人が守らなければならない決まりに従う以外はいつ、誰が、どこへ、どのような道筋で行こうが自由である、というようにしなければならない。

政府がやっているのはその逆である。故に景気の悪化は必然である。

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