トランプ大統領、中国へ宣戦布告
- 2020.05.31 Sunday
- 17:31
5月29日のトランプ大統領の発表は中国に対する宣戦布告と理解すべき内容である。
トランプ大統領は武漢コロナウイルスによって10万人を超える米国人が犠牲になった状況を、自国内を移動制限しておきながら世界中に人々とウイルスを拡散させた中国政府の隠蔽工作の結果であるとして糾弾する。そして完全に中国の意を受けた組織であるWHOとの決別を宣告する。早期の中国との渡航遮断は今や正しい決断であることが明白となったが、この決断を止めようとしたのが他でもないWHOであったことに言及する。WHOへの中国の拠出金4千万ドルに対して米国の拠出金は4億5千万ドルにものぼり、今回のトランプ大統領の決定によりWHOは大きな痛手を被るはずである。
大統領は中国を安全保障上の脅威であると明確に位置付け、産業技術分野における中国人へのビザ停止を行うと述べる。国務省は既に中国共産党とつながる科学、技術、工学、数学分野の就学ビザ数千件を停止する動きをとっている。
https://dailycaller.com/2020/05/29/trump-announces-who-punitive-action-china-immigration/
国家安全法の導入とともに中国が香港を暴力的に飲み込みつつある現状に言及し、香港に対する優遇措置撤廃を発表する。中国はいままで香港が持つ世界に冠たるファイナンシャルセンターとしての地位を通じて経済上の利益を得てきたが、今後はその経路が塞がれることを意味する。繁栄よりも共産党一党独裁の維持を優先する中国は、どこまでいっても共産主義国家なのである。
日本はどう動くべきか。
「これは香港の問題で日本の問題ではない。我々は立ち入るべきではない。米中の争いに巻き込まれないよう、うまく立ち回るべきだ」という不見識な考えを目にする。このような考えは歴史的に間違いである。
香港では無実の人々が国家権力によってしょっ引かれている。香港において、政府に反対する人々は中国政府への反逆者として処罰を受けるのである。そこには言論の自由も幸福を追求する自由もない。
今、我々が目撃している香港の状況は、我々が国防を放棄した時の我々の姿なのだ。香港人は中国共産党との戦いの最前線にいる。そしてその最前線は今や陥落しようとしている。香港が陥落したら中国の圧力は次に台湾へ向かう。そして我々の国である日本へ向かう。日清戦争の時も、日露戦争の時も、そして今も、同じことが繰り返されようとしているのである。
当時と違うのは、幸運にも米国にはトランプ大統領がいるということである。しかしトランプ大統領が責任を負うのは米国であり、日本ではない。日本は日本の立ち位置を明確にしなければならない。
ヘリテージ財団の経済自由度ランキングで常にトップを維持してきた資本主義経済の星である香港が、今この地上から消えようとしている。この香港が、経済自由度103位であり、ほぼ自由無しの中華人民共和国に制圧されようとしている。
https://www.heritage.org/index/
2020年5月現在
1位 シンガポール
2位 香港
3位 ニュージーランド
4位 オーストラリア
5位 スイス
米国と香港人の側にいたのか、中共側にいたのか、それとも気づかないフリをして明後日の方を向いていたのか、それが歴史に刻まれるのである。