我々は日常何百という商品を使っているが、まがい物に出くわすのはまれである。 買って袋から出したらガラクタだった、という経験は極めてまれである。 それはなぜかというと、市場には競争があり、客に平気でガラクタをつかませるような店やメーカーは著しく信用を失い、程度が酷ければつぶれてしまうからである。 だから、いくら安かろうがある程度の品質は担保されているものである。
しかし、メディアが提供する情報の質が極めて低い。 メディアという市場がいまだに規制に縛られていて、嘘ばかりタレ流す既存のメディアが守られる一方でジャーナリズム精神のあるメディアの参入が阻止されているからである。 メディアの市場は肥溜めである。
単なるガラクタならばまだ無視できるが、悪意と偽善と欺瞞に満ちた報道であふれる状況は危険である。 今回のイスラエルによるガザでの軍事行動にて、我々はその様子を目にすることになった。
イスラエルの軍事行動によってガザの一般市民が犠牲になっている、とメディアは連日のように報じた。ガザにはシュジャイヤという地区があるが、そこでの市民の犠牲がメディアで取り上げられていた。
<ガザ>激戦地の住宅密集地は根こそぎ崩壊 立ち尽くす人々 リンク
毎日新聞
8月6日(水) 【シュジャイヤ(パレスチナ自治区ガザ地区北東部)大治朋子】
イスラエルの検問所を抜け、ガザ市に向かう幹線道路を左へ曲がるとシュジャイヤの住宅街に入る。ハマスの「シュジャイヤ大隊」と呼ばれる精鋭部隊が拠点にしていた地区だ。イスラエルはここに市街戦の特殊訓練を積んだ「ゴラニ大隊」を投入。激しい戦闘で住民数百人とイスラエル兵13人が死亡した。
「すべてを失ってしまった」。3児の母ナビール・アルアガラビさん(30)は、ぺしゃんこに潰れた自宅から布団を取り出していた。脇には、がれきの間からお気に入りの赤いまくらや皿を見つけた息子のユーセフ君(7)が無表情に立っている。アルアガラビさんは「当面は避難所で暮らすしかない。布団が無かったけれど、今日から硬い床の上で眠らずにすむ」と疲れた表情。ユーセフ君は空爆を恐れてあまり眠らず、笑わなくなったという。
ガザ3日間停戦 奪われた命1800人超、跡形ない家々 リンク
朝日新聞デジタル 2014年8月6日 ガザ=山尾有紀恵、エルサレム=渡辺淳基
ガザ東部シュジャイヤ地区を訪れると、イスラエルとの境界地帯に近い住宅街は、数キロにわたって完全に破壊されていた。壁に無数の穴があき、多くの家が原形がわからないほど壊されている。「この7年で戦争は3回。家も2回壊された。戦争はまた起きるだろう」。公務員スフィアン・ケーシさん(28)はあきらめたように話した。
シュジャイヤ地区で負傷した数百人の民間人の中に、8歳と5歳の男の子の兄弟がいた。ふたりは自宅でミサイル攻撃に合い、重度のやけどを負ってシファ病院の熱傷集中治療室に運ばれてきたのだ。人びとがシュジャイヤから自力または人で溢れそうな車で逃げ出したり、負傷者が救急車や徒歩で病院にたどり着く事ができたのは、20日の明け方になってからだった。「救急蘇生室にいた重傷者の半数が数分で亡くなり、残りの半数には緊急オペが必要でした」、MSFの医療責任者オードリー・ランドマンは当時の様子を説明する。
パレスチナ:ガザ地区に取り残された人びとと、医療従事者への攻撃を停止せよ リンク
産経ニュース 2014.7.22
<多くの子どもや女性が被害に> 7月20日朝、MSFが援助するガザ市内のシファ病院の救急外来には、多くの女性や子どもの負傷者がやってきた。前夜から明け方まで市内のシュジャイエ地区で激しい爆撃が続いたためで、MSFのスタッフも数百人もの人びとがその地域から避難するのを目撃している。「爆撃や空爆は激しいだけでなく予測がつかないことが問題です。それによって救急救命が難しくなっています」、ガザでMSFのプログラム責任者を務めるニコラス・パラルスは話す。
<医療活動も攻撃の対象に> シファ病院でMSFは、シュジャイヤ地区から負傷者を助け出そうとした救急医療隊員のうち、2人が命を落とし2人が重傷を負ったのを目撃した。一方、20日朝には、MSFとはっきりと表示された車両から300メートルしか離れていないところに空爆が起きた。イスラエル当局はMSFに対し、外科のチームが安全にガザ入りできるよう、エレスの国境からガザ市内に至る移動の安全を保証していたにも関わらずだ。 パラルスは「医療行為は尊重されなければなりませんし、病院や救急車に対する攻撃はもちろん、周辺での銃撃なども起きてはならないのです」と強調する。
悪いのはイスラエル。 ハマスがイスラエルに対してロケット攻撃しようが、イスラエルのほうが圧倒的に強い。 だから絶対にイスラエルが悪い。 いくらハマスがイスラエルの民間人を狙おうが、イスラエルのほうが犠牲者が圧倒的に少ない。 だから絶対にイスラエルが悪い。 イスラエル=悪で脳死状態である。
彼らが報じなかった事実はこれである。
シュジャイヤ地区はテロリストの巣窟である。
地図上の印はロケット発射地点、ロケット発射台、テロリストの家、トンネル入り口、テロリストの隠れ家、戦闘位置、武器庫、対戦車砲発射地点をそれぞれ示すものである。
ガザには国連が運営する学校がある。 罪の無い人々の安全を守ろうとする第三者であり世界の代表である国連の学校をもイスラエルは無慈悲に爆撃した、とメディアは報じた。
彼らが報じなかった事実はこれである。
国連が運営する学校、物流センターや病院といった施設の敷地内、あるいは至近距離からハマスはロケットを発射している。 ハマスが学校の敷地内に入り込み、そこから砲撃する。 イスラエルは学校運営者と電話で連絡をとり、全員退避するよう指示する。 電話で人が退避したことを確認してからイスラエルは応戦して砲撃する。
ハマスのロケットは正確でないため、イスラエルまで届かずにガザ内の意図せぬ(あるいはそれも良しとしてなのか?)場所に着弾してしまうことがある。 イスラエル軍によれば、ハマスが付近から発射したロケットも国連学校に着弾したようである。 パレスチナ側の民間人犠牲者の何割かは確実にハマスが発射したロケットによる直接的な犠牲者である。
イスラエルの「無差別爆撃」によって罪の無い子供達が犠牲になっている、とメディアは報じた。
彼らが報じなかった事実はこれである。
ハマスは子供達のいる場所を選んでミサイルを発射する。
ハマスは学校や病院の敷地を使ってイスラエルへの砲撃を行う。
住宅密集地でロケットや爆弾をセットするハマス 現場映像 リンク
住民がいる住宅地のど真ん中からロケットを発射するハマス 現場映像 リンク
住宅地からロケットを発射するハマス 航空映像 リンク
学校や病院やモスクからロケットを発射し、救急車で移動するハマス 映像 リンク
ここに3枚の写真がある。
1枚目:ストライプ柄のシャツにキャップ姿の男が負傷した少女を抱えて
2枚目:同じ男がその少女を死んだハマス戦闘員の横にセッティング
3枚目:同じ少女が場面を変えて再登場。 砲撃を受けて負傷した少女を男が抱え、必死で救助せんと走るシーンを演出
イスラエル軍が市民の犠牲を最大限防ごうとしているという事実を知るハマスは、わざわざイスラエルが攻撃するであろう場所で子供達を柵にくくりつける。
メディアはイスラエル軍がガザを無差別に攻撃していると非難する。 イスラエルがガザを本当に無差別攻撃したいならば簡単である。 第二次世界大戦での東京大空襲やドレスデン大空襲のように、上空から爆弾を雨あられのように落とせばよいだけであり、兵士の身を危険に晒してまで陸上軍を送る必要はないわけである。 イスラエル以外の国であれば、間違いなくガザを絨毯爆撃していたはずである。
ガザのほぼ全域からロケット弾が発射されたことを示す地図。 ガザには戦闘員と民間人の区別は無い。
砲撃前にリーフレットを撒き、携帯でテキストメッセージを送り、電話までして退避勧告をする軍隊は世界広しといえど、イスラエル軍だけである。
リーフレットをプリントして散布の準備をするイスラエル軍 映像 リンク
ガザ市内に展開するイスラエル陸軍 映像 リンク
ガザ市内に侵攻したイスラエル兵が見たガザの「民家」はどのようなものであったか。 パレスチナ人住民の思い出がいっぱいにつまった暖かい家庭、と思いきや、爆弾やブービートラップ(人がふれると爆発する仕掛け)用の線など。 ガザにおいて家庭生活とテロ活動の境目は無きに等しい。
イスラエルはガザのパレスチナ人に可能な全ての手段を使って攻撃対象からの退避を呼びかける。 しかし、パレスチナ人がそれに応じて退避しようものならハマスの厳罰が待っている。
イスラエルの退避勧告に応じて逃げようとするパレスチナ市民を殴打するハマス 映像 リンク
イスラエルと通じたとして処刑され、晒し者としてバイクに引き摺られるパレスチナ人 映像 リンク
ガザではイスラエルの通貨・シェケルなどを保持しているだけでイスラエルに通じているとされ、処刑の対象となる。 このような残酷な処刑が公衆の面前で行われ、人々に恐怖が植えつけられている。 映像 リンク
国際世論がイスラエルを非難し、世界各地で無知なる人々が「ガザを救え!」を叫ぶ間、ガザではこのようなテロ・トンネルが着々と建設された。 1本のトンネルで約3億円かかるとされている。
世界各国からの援助物資や資金でコンクリートで頑丈に補強されたトンネルが32本も(うち14本はイスラエル内に達している)発見されている。
イスラエル側から発見されたトンネル口。 この深さは圧巻である。
イスラエル側からガザ侵攻を取材したFox
Newsのショーン・ハニティーが見たトンネル 映像 リンク
メディアの捏造報道によって世界世論は完全に騙されているのか、といえばそうでもない。 世界が愚かさにあふれる一方、賢さの片鱗も見られるのが救いである。 カナダの保守政党である保守党の党首であり首相であるスティーブン・ハーパーは明確にイスラエル支持を表明している。 オーストラリアのアボット首相と並び、今日の自由世界において光る存在である。
正義はイスラエルの側にあり。 我々は正義の側にあらねばならない。