田中英道という亜流人間
- 2011.11.06 Sunday
- 12:15
『戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」』という本で田中英道という名前を知ったが、学者で新しい教科書をつくる会の会長をした人物らしい。 日本の歴史を正すのも東京裁判史観を否定するのも大変良いことである。 しかしこの人物を調べるにつけいかがわしい偽保守、エセ学者、亜流思想家であることが分かる。 保守として最も大切なのは道徳である。 道徳の基本は事実無根の中傷をしないことである。 人種差別、民族差別は事実無根の中傷の最たるものであり、不道徳の極みである。 この人物はこの不道徳の極みである民族差別、反ユダヤ主義を自説の根本に置いている。 保守にあらざるだけでなく、同じ日本人として恥ずべき人物である。
氏は『戦後日本を狂わせたOSS~』の中で、「自分は反ユダヤではなく、日本人にはもともとそのような伝統は無い」と小賢しく前置きしたうえで、「ルーズベルトの先祖にユダヤ人がいる、そこが重要なところである」「ルーズベルトの政策に影響を与えたフランクフルト学派の学者はユダヤ人がほとんどだった」「ホロコーストによるユダヤ人の被害者意識が彼らの知的判断にかかわってくる」「ルーズベルトを補佐した人物に【ユダヤ人】が多かったことが【彼らの思想】が広まる要因になった」という具合に悪いのはユダヤ人という一個の民族であるとしている。
ルーズベルトの政策は左翼主義である。 左翼主義というのはユダヤ・キリスト教道徳の否定である。 「汝盗むなかれ」はユダヤ・キリスト教道徳の根幹である十戒のひとつである。 ルーズベルトとその側近が財政出動とばら撒きという政府権力を使った壮大なる盗みを正しいと信じて疑わなかったということと、この十戒の文言は根本から矛盾する。 多くのニューディーラー達はルーズベルトを含めて民主党ウィルソン政権で育てられた。 ウィルソン大統領はアメリカの歴史における初めての独裁者であり、戦争プロパガンダ推進、政府による企業活動の規制、言論統制といった政策を進めた人物であることはJonah Goldbergの"Liberal Fascism"に詳しい。 よく日本の教科書には「理想主義者」などと書かれており、鳩山由紀夫的な人物を想像するかもしれないが、それは間違いである。
田中はフランクフルト学派こそがルーズベルトに影響を与えた張本人達であるという。 よく引き合いに出される当学派の代表的な学者はホルクハイマーとアドルノである。 彼らは確かにユダヤ系ドイツ人でナチの迫害を逃れてアメリカに来た。 ウィキペディアが正しければ、ホルクハイマーがアメリカに来たのは1933年で38歳のとき、アドルノが来たのは1938年で35歳のときである。 ルーズベルトが大統領に就任したのは1933年である。 アメリカの大統領というものは、任期が始まったとき、あるいはその途中で、海外からやってきた若き学者達から突然影響を受けるわけではなない。 尚ルーズベルトは就任した当時51歳である。
氏は自身のウェブサイトでこのように論じている。
「ネタニヤフ首相ら、イスラエル政治家は、パレスティナのハマスの「テロ」の攻撃のみを言い募り、被害者意識だけを語るが、モサドの攻撃についても、そのパレスティナへの圧政のことを言わない。イスラエル入植地は、すでにイスラエル全域に及ぼうとしている。それは「侵略」という以外にない。そしてガザ占領地区があたかもアウシュビッツに近い状態になっているということ、イスラエル統治下のパレスティナ人の隷属・衰退ぶりは、「ナチ」の下のユダヤ人と似た状態になっていること。こうした「ナチ」とイスラエルとの類似性が、必然的にユダヤ人観を変えるのである。「アウシュビッツの後に、詩を書くのは野蛮だ」などというアドルノの発言は、ユダヤ人の被害者としての特権化の上に立っていたが、もうそうした発言は、無効となる事態が生まれていることになる。」
氏はイスラエルを一度きちんと自分の目で見たらどうだろうか。 人々が自由を謳歌し、自身と家族の幸福を追求し、勤勉に働き、懸命に国を守る、その姿をその目で見たらどうだろうか。 氏はイスラエルがガザやヨルダン川西岸地区に対して電力を供給している事実を知っているだろうか。 テロをやめないなら電力をカットすることもできるにも関わらず、ということを知っているだろうか。 ガザの入植地ではイスラエルが撤退した2005年以前は5000人ものパレスチナ人労働者を雇用していた事実(当然ながら、撤退後はその雇用は失われた)を知っているだろうか。 ナチがユダヤ人殲滅計画の基にユダヤ人の職と生命を直接的に奪ったことに対し、パレスチナ人に電力や職を供給するイスラエルを「似た状況」と表現するこの人物にはなにがしかの信憑性があるのか、ということである。
田中英道、この人物は日本の保守を代表する人物として桜チャンネルや井尻千男のパネルディスカッションに参加している。 この事実は日本の保守の未来に暗い影を落としている。 このような不道徳かつ無知な人物が「保守」と捉えられている日本、その精神的荒廃は目を覆うばかりである。
単なるユダヤ教徒をかたる似非ユダヤの白人種達なのだが、それが判っていないので話を混乱させている。
道徳がないのはこうした似非ユダヤ人達であり、聖書を利用してグローバリズムを図っているに過ぎない。
田中英道氏は注意すべきだろう。