米大統領選 リック・サントラム 撤退
- 2012.04.11 Wednesday
- 22:30
「穏健派」ミット・ロムニーに対する保守の望みであったリック・サントラム氏が撤退を決意したのを知り、落胆のあまり膝から崩れんばかりである。 サントラム氏は資金力が無いながらも自らハンドルを握って車を運転し、全米の各州を回って人々にアメリカ再生を呼びかけてきた。 選挙が始まった去年の今頃から12月頃までは支持率はほとんど最下位であったが1月3日のアイオワ州予備選で驚きの勝利を果たした。
ミット・ロムニーは億単位のカネをネガティブキャンペーンに投入し、ミシェル・バックマン、リック・ペリー、ニュート・ギングリッチ(まだ残っているがほとんど停止状態)、ハーマン・ケインといった保守派を次々と葬り去ってきた。 保守を毛嫌いし左派に近いいわゆる中道派、穏健派を推す共和党指導部は全面的にロムニー指示に回り、サントラム氏は不利な戦いを強いられた。 にも関わらずアイオワ州やルイジアナ州での勝利のように、保守派間での圧倒的な支持の存在を示してきた。 しかしロムニーと共和党指導部の政治力と金権の壁は厚かったということである。
ロムニー自身には保守派の支持を集める力はない。 保守派にとってロムニーに投票する動機は「ロムニーはオバマよりはましである」という一点につきる。 ネガティブな動機である。 しかし今回の選挙は、アメリカの社会がオバマ政権二期目で更なる不幸な変質を遂げるかどうかの決定的な転換点である。 ロムニーがオバマに勝利できるかどうかは、自身のネガティブ・キャンペーンによって深い傷を負った共和党をどのようにして一致団結させられるか、誰を副大統領候補として指名するか、選挙はまだまだ続く。
Rick Santorum Suspends Presidential Campaign