高品質なMade In China・衰退する日本

  • 2012.04.21 Saturday
  • 00:04
 

様々な日本企業の商品に刻印されている"Made in China"の文字を見るたびに思う、いかに日本人の貴重な能力とエネルギーが大規模に無駄にされてきたかと。 我々の身の回りの商品で日本製は皆無に近い。 目の前に25万円のパソコンと4万円のデジカメと5万円の電子書籍があるが全部中国製である。 安物は中国製、高付加価値商品は日本製、中国製は粗悪、日本製は高品質というのは遠い過去の話となった。 中国で作ろうがどこで作ろうが、日本で売っている商品は高品質である。 なぜならば、これらの商品は日本人の管理のもとに製造されてきたからである。

 

一つ一つの商品が市場に出る裏には人知れぬ苦労がある。 何気なく買い、使い、捨てる商品の影にはその商品の製造から店頭に並ぶまでの過程に携わる人々の努力がある。 日本人が海外に出て、文化の違いに悩みながらも現地の工員を指導し、日本本社と現地人との認識のギャップに挟まれつつ頑張ってきたからこそ"Made in 海外"の良品質な商品が店頭に並ぶのである。

 

多くの日本人が家族を日本に残して海外に駐在し、海外工場の管理にあたってきた。 彼ら日本人の犠牲と苦労無しには良質な海外商品は有りえない。 しかし彼らのノウハウや勤労精神は日本の次世代には受け継がれることなく海外に流出する。 せっかく日本という環境で生まれ育ち、勤勉さと真面目さと粘り強さを身に着けているにも関わらず、日本の若者にはその資質をモノづくりに生かし発展させる機会は無い。

 

企業は海外のほうが1円や2円安いからといって社員の生活の糧である日本の工場をたたむようなことはしない。 近場で製造し管理するほうがよほど楽ある。 中国人やタイ人やマレー人やベトナム人を使うよりも日本で日本人を使うほうが絶対に楽である。 日本人に一言って十を理解できる話を外国人には三十も四十も説明しなければ誤解が生じる。 日本人にとっては当然のように分かる品質要求が外国の工員には肌で理解できない。 育った文化が違うのだから当然である。 その溝を埋めるのは大変である。 にも関わらず企業は海外に出ることを選択せざるを得ない。 日本に残って衰退する道を選ぶか、海外に活路を見出すか、企業は二者択一を迫られる。 どの企業も追い詰められて海外に出るのである。

 

規制だらけで税金がバカ高い日本では製造業は成り立たない。 企業は生き残るためには日本での操業を縮小あるいは閉鎖し、海外に出ざるを得ない。 一つの大企業が海外に出れば、その企業との取引で成り立っている企業も一緒に出ていかかなければ仕事を他社に取られてしまう。 芋づる式に企業が海外に出ていき、後にはシャッターを閉めた工場が残る。

 

日本人は社会保障の充実をひたすら求め、日本はいつの間にか世界有数の高税率でもってしてもまかないきれないほどに肥大化した財政の国家となった。 財政支出の大半は社会保障費である。 政治家達は国民の不安心理につけこみ「社会保障の維持のために」と称して増税を進めようとする。 社会保障は維持されるどころかほころぶ一方。 国民皆保険を維持しよう、と言いつつも医療の現場は荒廃する一方。 

 

子供や若者の将来に暗い雲が垂れ込める中、次々とモノづくりの現場は失われる。 モノづくりが消えればサービス産業も消える。 高品質な"Made in China"の商品が象徴するのは衰退に向かう日本である。 皆で日本の財産をせっせと国外に持ち出してばら撒き、そのうちに自分の蔵がだんだん空になっているのを見て見ぬふりをしている。 『女性やお年寄りが安心して暮らせる社会を』という耳に心地よい言葉を聞きながら、日本社会はゆっくりと死の眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

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