衰退を選んだフランス
- 2012.05.10 Thursday
- 23:37
フランス人はフランス語が喋れるくらいだからそれなりに頭も良いのかと思っていたが全然違うようである。 日本人は馬鹿が馬鹿を育てるとこうなるという見本であるかのように思っていたがフランスもそれに負けず劣らずのようである。 自ら衰退を選ぶことほど愚かしく、痛ましいことはない。 フランス国民が今回の選挙で選択したのはそれである。
フランス国民は大幅増税(法人税や資産税)と富裕層への大幅増税(年収100万ユーロ以上の者へは75%課税)といった左翼の権化と呼ぶべき政策を掲げ、「人民の敵は金融業界である」と吹聴する社会主義者フランソワ・オランドを大統領に選んだ。 「中道右派」などと呼ばれたサルコジも結構な社会主義者だったがオランドはもっともっと左である。
社会主義の毒が体中に回ると手足が麻痺して動かなくなり、内臓もぼろぼろになり、遂には頭脳までやられてしまう。 頭脳がやられるともはや治癒能力が無くなり、後は死へと向かうのみである。 フランスは、日本もだが、そのような状態に入りつつある。 国民は政府の保護と規制無しには生きられなくなり、政府官僚は一度手に入れた権益を死守する。 その構造を破ろうとする政治家や言論人を悪魔扱いする。
社会主義の毒を中和し解毒できるのは資本主義だけである。 しかし資本主義を理解し、守り、育てる人間は洋の東西を問わずますます少数派である。 現実は、一つの社会主義勢力に対抗しているのは別の社会主義勢力(国家社会主義)か中道派である。 単なる同類同士の内輪もめである。 人間としての存在の仕方を問う論争は無く、人格攻撃か些末な政策論のみである。 ヨーロッパも日本も不毛の時代である。 悲しいことである。
日本や西欧が弱く、米英、韓国、北欧が強いのは自由主義者経済なんだろうか。