刺青退治の大将・ハシシタ
- 2012.05.17 Thursday
- 22:35
橋下知事が大阪市職員の刺青の撲滅運動にやっきになっているニュースが連日見られることに対して違和感を感じる。 わざわざ聞き取り調査をし、その結果に基づいて刺青を消すよう命令し、従わなければ依願退職を求めるだとか。
知事が刺青に対して「良くない」と個人的な感想を述べるのはよい。 実際に良くないのだから。 だが、隙だらけの国防・治安維持、窒息する民間経済、肥大化する政府・官僚機構という危機的な社会の問題と比べてあまりにも矮小かつ的外れである。 問題の根本ではなく、表層の部分を突きまわって大騒ぎしているだけにしか思えない。 はっきり言って馬鹿馬鹿しい。
そもそも、刺青を入れようとする人間は性根が腐っている。 「だから」市の職員になるのである。 市の職員「であるにも関わらず」刺青を入れるのではない。 逆である。 民間の仕事のように、お客さんと接する際に印象を悪くすれば仕事を失うかもしれないという危機感があれば刺青など入れようはずが無い(少なくとも見える位置には)。 そいった風通しの悪さが刺青という形で「視覚化した」というだけのことである。
もちろん、個人的に大変優秀で人当たりの良い職員に接してもらったことは何度かあるのであくまで一般論である。 別に市の職員であろうが村の職員であろうが恨みは何も無い。 だが、危機感・緊張感の無い職場にはどうしても腐った人間も吸い寄せられてしまう。 それはいかんともしがたい事実である。 「問題」ではなくて「事実」である。 だからこそ政府・官僚機構はその規模と役割を限定されなければならないのである(小さな政府でなければならない理由の一つ)。
ところで、依願退職ということは懲戒免職ではない。 「悪いことをしたから」辞めさせられるにも関わらず退職金はたっぷりつくはずである。 安易な人減らしのようでもあるし、かえって経費がかさむようでもある。 大体がこのようなことに時間とエネルギーを費やすこと自体が無駄である。
橋下知事は知事を演じる芸能人である。 ハリウッドの俳優が大統領役をやると自分は大統領としての風格と見識を身につけられたと勘違いするのと似たようなもので、芸能人風情が勢い良くカリスマ的で正義感のあるリーダーを演じているという程度の現象である。 そして今回の番組の筋書きは刺青退治が目玉である、と、そんな感じであろう。
追記
刺青を入れる入れないは個人の自由である。 銭湯やプールが刺青を入れた人を拒否するもしないも自由である。 企業が刺青を入れたひとを採用するもしないのも自由である。 世界には刺青を入れるのが極日常の文化もあるが、個人的には嫌いである。