児童労働と希望ある社会

  • 2012.10.09 Tuesday
  • 00:16
 

児童労働は悪いものである、と多くの人々が信じている。 酷いものであり、汚いものであり、そして不道徳なものであると。 邪悪な大人が年端もいかない少年や少女を無理やり働かせ、利益を掠め取る。 子供たちから学校で学ぶ機会を奪い、無知なままにして一生奴隷のようにこき使う。 それが児童労働であると。

 

児童労働の撤廃に向けて取り組む国際機関がある。 ILO-International Labor Organization(国際労働機関)という組織である。 この機関のウェブサイトにはその起源が説明されている。 

 

The ILO was created in 1919, as part of the Treaty of Versailles that ended World War I, to reflect the belief that universal and lasting peace can be accomplished only if it is based on social justice. 「世界的な永続的な平和は社会的正義を基礎としてのみ確立することが出来るという世の機運を背景に設立された」 

 

社会的正義という言葉は社会主義とそのまま置き換えることが出来る。 社会的正義とは左翼が考案した一種のまやかし言葉である。 なぜならば、そもそもが「正義」には社会的も国家的も地域的も個人的もへったくれもないからである。 正義とは、時には個人の利益に反することがあろうとも良き行いを追求する、ということである。 常に他者あるいは外界との関わりの中で問われる概念である。 自分一人だけが存在する中での正義など有り得ようか。 否応なく社会性を帯びる。 社会的などと言うまでもなく、この世にあるのは「正義」のみである。

 

このILOという社会主義組織が撤廃せんとする「児童」労働とは何なのか。 かつて「児童」労働が当たり前だった時代、社会には希望があった。 かつて「児童」労働が当たり前だった時代、社会は明るかった。 かつて「児童」労働が当たり前だった時代、社会には活気があった。 なぜか。 それは「児童」労働こそが、児童が児童から大人へと脱皮することを助け、自由と富を得ることを助け、そして自信と自尊心を得ることを助けてきたからに他ならない。

 

本田宗一郎知らぬ人なき立志伝中のこの人物は小学校卒である。 小学校を卒業するとすぐにアート技研という会社に入社し、その後ホンダを創立、巨大な産業へと押し上げた。 

 

松下幸之助この人の名前を知らぬ人もいない。 この人物は小学校中退である。 9歳で丁稚奉公に出て様々な仕事を経験し、パナソニックの前身である松下電器を創立した。 

 

ホンダもパナソニックも何万何十万何百万という雇用を作り出し、社員とその家族、株主とその家族、取引先社員とその家族が生活をするための収入を与え続けている。 彼らは我々消費者にとってみれば高性能で便利で長持ちする製品を安く提供してくれるありがたい存在である。

 

両者とも、幼い時分から仕事の現場に出た。 非常に若くして責任を負った。 彼らはいわゆる良い子ではないし、いわゆる秀才でない。 いわゆる良い家の出でもない。 貧しくても額に汗して手を汚して働く親の姿を見る。 そして自分も一緒になって働く。 あるいはほっぽり出されて他人とまみえて働く。 金を稼ぐことの大変さを知る。 同時に若くしてスキルを身につける。 頭を使い気を使うことを知る

 

彼らの出自を眺めて気づくのは、あの時代だからこそ「こんな生き方が許された」という事実である。 学校へ行けなくても、行きたくなくても、行かなくても、生きる道があった飛び抜ける道があった飛躍への、卓越への道があった 誰でも出来るわけではない。 一握りの人間にしかできない業を為し、そして多くの人々に恩恵をもたらした。 それが彼らの偉大性である。

 

しかし、もしも「児童労働禁止… 14歳以上は働いてはならない 14歳以上18歳以下の”若年”労働者にはこれこれの事をさせてはならない 雇用する場合はこれこれの条件が必要である」という社会であったならばそこには本田宗一郎や松下幸之助は出でなかったに違いない。

 

日本は今消滅に向っている。 不況と弱体化と少子化と...。 年間3万人もの人々が自ら命を絶つ。 厳しい社会に出るよりも生活保護をもらった方がいい... この流れを断ち切る策はあるのか。 「具体的な政策」が好きな左翼にはこのように答えればよいそれは「児童労働禁止の撤廃」であると。 

 

それ自体がマジックを起こすのではない。 そうではなく、「お子様の権利」という左翼がこよなく愛する概念を木端微塵に打ち砕くことに意味があるのである。 子供は働けないのだ、という通念をぶち壊すことに意味があるのである。 そして社会を希望で満たすことに意味があるのである。 学校で勉強も運動も全然ダメなら全部ダメ、という通念をぶち壊し、そうじゃないのだと、生きる道は星の数ほどあるのだと。 学が無くとも金が無くともあれが無くともこれが無くとも何が無くとも...世の中やればなんとかなるのだと...

 

 

参考:

 

社会主義インターナショナルと国際労働機関

 

国際労働機関(ILO)とは

 

国際労働機関を基礎とする国際基準SA8000

 

SA8000 Standard

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