トレイボン・マーティン事件...そして情報操作時代に生きる我々

  • 2013.07.16 Tuesday
  • 00:07
 

トレイボン・マーティン事件の顛末には日本でも関心が高いようである。 インターネットのニュースの書き込みやツイッターを見ると「なんでジンマーマンが無罪なんだ! アメリカはおかしい! 人種差別だ!」という声が圧倒的に多い。 現実がいかに簡単にメディアによって捻じ曲げられてしまうか、いかに簡単に歪曲された情報が拡大再生産されて世界を飛び回るか、そしてそれを見た人々がいかに簡単に乗せられてしまうか… 背筋が寒くなる現実を目の前に突きつけたのがこの事件であり、この事件に関する報道であった。

 

ジンマーマン氏が住んでいた住宅地は数年前から空き巣や強盗に常に悩まされてきた。 被害者はその都度警察を呼ぶが、警察が来るのはいつも事件が発生した後。 警察が来るときには犯人は既にトンずらして行方が知れない。 このまま指をくわえてみてはおれぬとジンマーマン氏は警察にかけあい自警団を組織。 警察も年中その住宅地だけをパトロールしているわけにもいかない。 是非ともということで両者は連携することにした。 自警団は自警団であって警察ではない。 ジンマーマン氏は百も承知である。 

 

2012224日の夜ジンマーマン氏は一見して団地の住民でないと分かる風情の若者(トレイボン・マーティン)がうろついているのを目にする。 若者は雨の中を傘もささず、家々の間を縫うようにしてほっつき歩いている。 その様子を暫く観察してからジンマーマン氏は警察に電話をかける。 自分を見ながら電話をするジンマーマン氏に気付いたマーティン氏に向かって近づくふりをみせると同時に挑戦的な態度でにらみつける。 暫くしてマーティンはジンマーマン氏から離れるようにしてスキップするように歩を早めた。 ジンマーマン氏はマーティンの行き先を確かめようと後をつける。 

 

警察 「今どこにいますか? 男はどちらへ向かっていますか?」

ジンマーマン氏 「男は走り始めていますBack Entranceの方へ...

警察 「そうですか。 もう後を追わなくていいです。 いまから行きます。 今どこですか?

ジンマーマン氏 ええと、ここはあれ、あいつどこへ行ったんだ? 着いたら電話ください

警察 了解、番号はXXXXですね...

 

ジンマーマン氏は電話を切ってきびすを返し、自分の車にもどろうと歩き始める。 いきなりマーティンが目の前に現れたのはその時である。 既に団地の後方エントランスの方へ向かっていったはずのマーティンが実は家と家の隙間をぬって戻り、ジンマーマン氏の後ろで様子を伺っていたのだ。 「よう、文句でもあんのか? 「いや、別に... マーティンはジンマーマン氏の顔面を殴りつけ、氏は地面にドッと倒れる。 マーティンは倒れたジンマーマン氏に馬乗りになり、上から頭を殴りつける。 ジンマーマン氏は後頭部をコンクリートの地面に叩きつけられ痛みと共に頭が割れるような恐怖感を覚える。 は助けを求めて叫び声を上げ、必死でもがくがマーティン「黙れ!」と手で口を押えようとする。 ジンマーマン氏は朦朧とするなかホルスターにある拳銃を思い出す。 力を振り絞って拳銃を抜き、マーティンの胸めがけて引き金を引く…

 

この騒動の一部始終を聞いていた住人が2階から撮影したジンマーマン氏の後頭部

 

ジンマーマン氏はその後救急で治療を受けた後、警察署へ連行される。 

 

警察署へ着いたばかりのジンマーマン氏

警察官が氏の後頭部を心配そうに確認している

 

この動画を見て「ジンマーマンの後頭部は傷もなにも見えないじゃないかっ!」という説を唱える者がいる。 血を拭き取って消毒して縫って治療したのである。 それから警察へ来たのである。 

 

いずれにしても、ジンマーマン氏の姿は自身が説明する経緯の正確性を物語っている。

 

取調べの結果、ジンマーマン氏の行為が正当防衛であるとの確証を得た警察はを釈放する。 事件はそこで終わるはずであった。 そして終わるべきであった。 しかし終わらせたくない人々がいた。 彼らにとって、本番はこれからであった。 彼らは良識も常識も理性もかなぐり捨てた。 事実はどうでもよかった。 シナリオは描かれていた。 殺されたのは犯罪者でも乱暴者でもなかった。 殺されたのは黒人だった。 殺したのは黒人ではなかった。 非黒人が黒人を殺した。 事実はそれだけでよかった。

 

「白人系ヒスパニックの自警団員が黒人少年を射殺」の見出しが新聞の一面に踊った。 ジンマーマン氏はメキシコ系である。 白人系ヒスパニックなどという言葉はそれ以前に使われたことは一度としてなかった。 創造性に富む左翼メディアの発明である。 メキシコ人は大抵がスペイン人とインディアンの混血である。 それが白人系ならば、オバマ大統領は白人系黒人ということになる。

 

メディアはジンマーマン氏と警察とのやり取りを入手し、スクープとして報道した。 録音は周りの雑音で声がくぐもり、ところどころはっきり聞き取れない。 ジンマーマン氏"Fucking ????!"という声が聞こえる。 メディアはこれを"Fucking Coon!"(このクロンボがっ!)と言っていると結論付けた。 だが実はジンマーマン氏が言ったのは"Fucking Punk!"(この悪ガキがっ!)といったでのである。

 

後から事実が判明したが、メディアは謝罪するでもなくサラリと流す。  既に悪者ジンマーマン」の人物像は固まっていたからである

 

暴力映画を得意とする監督のスパイク・リーがジンマーマンが住んでいるとされる住居(氏は釈放された後、家族を危険から守るために隠れて住んでいた)をリツイートしたら、実はその住所の住人は同性同名の赤の他人であることが分かった。 その住民である老夫婦は不幸にもその後連日のように脅迫状を送り付けられ、恐怖の中で過ごすこととなった そしてこの言語道断な行為をはたらいた屑映画の監督は一言ゴメンのツイートをしてお咎め無しである。

 

"白人系黒人"のオバマ大統領は「もしも私に息子がいたら、トレイボンのようだったに違いない...」と述べた。 判決の出ていない事件に対し、自身の立場を利用して一方にあからさまな肩入れをし、しかも本質的に事件と無関係な「人種」を全面に出すなど前代未聞である。 さすがはアメリカの人種問題を解決した救世主オバマである。

 

彼らにとって、裁判をする前にジンマーマン有罪判決は決まっていたのである。

 

そして、海を越えて日本の報道はジンマーマン無罪判決に抗議する人々を取り上げている。 

 

午後早くにマンハッタン(Manhattan)の公園ユニオンスクエア(Union Square)に集結したデモ隊は、射殺されたトレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さん(当時17)の写真を掲げ、「人々の評決は『有罪』だ」「正義がなければ平和もない」などと叫びながら、6番街を北上してタイムズスクエア(Times Square)まで行進。参加者は夕方過ぎに数千人に達した。

 

デモ参加者の大半は黒人だったが、白人や中南米系の姿も。事件当時のマーティンさんの服装をまねて「フーディー(フード付きパーカー)」を着用する人々や、子連れで参加した人もいた。

 

「人種差別主義者を投獄しろ、黒人の若者に罪を着せるな」「私たちはみんなトレイボンだ。いまいましい(司法)制度そのものが有罪だ」と書かれたプラカードも多く見られた。「私は黒人です。撃たないでくださいね」とのプラカードもあった。

 

AFP=時事 7月15日(月)13時31分配信

 

現代の我々が生きる世界は情報化時代と言われるが、それは間違いである。 なぜならば、「真実」はゴミ情報の山に埋もれているからである。 現代は情報操作時代である。 そして本当の情報を得るためにはゴミ情報から真実を導く指針が必要なのである。

 

ジンマーマン無罪判決は正義の勝利であった。 これほどの注目を浴びてしまったジンマーマン氏の人生は楽ではないだろう。 しかしこの正義の勝利に、ひとまず「おめでとう」と言いたい。 そして正義を勝利させたアメリカの司法に「よくやった」と言いたい。

 

 

コメント
この情報のソース・英語記事とうが貼ってあるとうれしいです。
ま、自分で探しますけど。
  • MTSM
  • 2013/08/10 6:39 AM
MTSM様、1年前の我が記事『メディアに歪曲された「トレイボン・マーティン事件」』をYahooでもGoogleでもしてみてください。
  • CBJ
  • 2013/08/11 10:41 AM
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