保守政党・共和党の終わり

  • 2013.10.19 Saturday
  • 23:05

共和党が敗退を続けている。 情けないことに共和党の支持率が最低を記録した。 アメリカの左翼メディアとそれを直訳するしか能の無い日本のメディアは「政府閉鎖による経済損失」や「デフォルトによる世界的な危機の恐れ」を「共和党が作り出した」ことが原因であるとしている。

 

「政府閉鎖」も「デフォルトの危機」も、オバマ政権が捏造するフィクションに過ぎない。 

 

「政府が閉鎖」などと表現すると大仰に聞こえるが、実のところは大したことはない。 なにせ政府機関全体の17%しか閉鎖されていないからである。 どの政府機関を閉鎖するかはオバマ政権の選択である。 軍、警察、司法のようにEssential(必要不可欠)な機能はまず閉鎖されることはない。 レーガン〜クリントン政権下でもいわゆる「Government Shutdown = 政府閉鎖」は何度も行われたが主要な政府業務が閉鎖されたためしはない。 そこでオバマ政権がどうしたかと言えば、戦没者記念公園、国立公園、自由の女神といった目立つところをわざわざ選んで閉鎖し、「こうなったのは共和党のせいだ!」と喧伝したわけである。 

 

下院議会で多数派を占める共和党の保守派はオバマケア(社会主義的な医療制度)への予算供給を断つ決議を下した。 それを受けて上院・共和党のテッド・クルーズ議員はオバマケアの施行を阻止するために議会にてフィリバスターを行った。 フィリバスターは議事妨害などと訳されているが、れっきとした合法行為である。 牛歩のような幼稚な行為ではなく、議会にて立ったまま何時間もぶっ続けてトイレにもいかずに演説をするという手法である。 テッド・クルーズ議員はなんと21時間にもわたって議会に立ち、オバマケアがいかに非合理かつ専制的な制度であるかを説き、共和党、民主党の同僚達に向かって賛同を求めて訴えた。 映像

 

共和党保守派はオバマ政権に対してこう言った。 「我々は政府が閉鎖されないよう予算を供給する。 だが、多数の国民に実際に被害をもたらしているオバマケアに対しては予算を断つ」と。 それに対してオバマ政権が言ったのはこうだ。 「オバマケアを含めて予算供給しないなら、政府をシャットダウンする。 そしてその責任は共和党にある」 そして101日から政府の一部が実際に閉鎖された。 当然ながら、それはオバマ政権が意図して実行したのである。

 

一方テッド・クルーズ議員の英雄的な行為にも関わらず、共和党上院はオバマ政権の大衆扇動の前に膝を屈する。 共和党の老害であるジョン・マケイン議員をはじめとする非保守議員たちは公然とテッド・クルーズ議員を嘲り、オバマケアへの予算供給を決議してしまう。

 

オバマ政権の次なるネタはデフォルト(債務不履行)の危機であった。 「1017日までに債務上限を引き上げなければ国庫が底をつき、アメリカはデフォルト(債務不履行)に陥る。 そうなれば国内のみならず世界経済は大混乱に陥る... オバマ政権と左翼メディアはこのように喧伝した。

 

だがこれもオバマ政権によるフィクションであった。 債務上限引き上げとデフォルトは無関係である。 国の税収は月当たり2千億ドルであるのに対し、債務利子は月に300億ドルである。 債務上限を上げずとも、2千億ドルの税収で債務利子の支払いなど優にこなせることははっきりしている。 故に、デフォルトが起こるとすれば、それはオバマ政権が意図して引き起こす以外にはあり得ないのである。 そしてオバマ政権は1017日にむけてメガホンのボリュームを最大限にして「デフォルトの危機」を叫び続けた。 

 

参考:"Chicken Little Obama: Default is Scare Tactic by Red State

 

オバマ政権は負債の利子を払う能力が十分にあるにも関わらず、共和党が債務上限引き上げに応じないならば「デフォルトさせて共和党のせいにする」と共和党を脅したのである 共和党に対して債務上限引き上げに応じないよう強く求めた茶会運動が人質に取っているかのように報道されたが、事実は正反対、人々の心配を無用に掻き立てて次世代の財政を人質に取ったのはオバマ政権のほうである

 

そして1016日、オバマの大衆扇動戦略は見事に功を奏し、共和党は膝を屈した。 共和党・ベイナー下院議長は債務上限引き上げに合意すると言明した。

 

真実を語り、信念を貫く、茶会(ティーパーティー)系共和党議員がいる一方で、姑息に立ち回り、茶会系議員を裏で罵倒する共和党員がいる。 前者は少数派である。

 

自らの身を顧みず果敢に困難に立ち向かう茶会系共和党議員がいる一方で、保身と選挙とメディア受けだけを考える共和党員がいる。  前者は少数派である。

 

共和党はもはや「保守の党」ではない。 日本語では「保守」というと「メンテナンス」と「政治的保守 = コンサーバティブ」のふたつの意味がある。 共和党は今やコンサーバティブではなく、メンテナンスの党となり下がった。 オバマ政権が推し進める国家崩壊政策を文字通りメンテナンス(維持継続)するのを助けたのである。

 

共和党はオバマ政権に追従する一方で静かな多数派にしてアメリカの核である茶会運動という存在に背を向けた。 「共和党・支持率最低」はその結果に他ならない。 共和党は存在意義を失いつつある。 保守にあらざる保身の党となった共和党をぶっこわし、茶会運動を核とする新たな共和党を作るしかあるまい。 共和党の数少ない保守派がアメリカの崩壊を食い止め、再生を図るためには。

 

 

 

追記:

これら一連の流れについて、的外れな日本の報道は目に余るものがある。 あるテレビで茶会運動家が「オバマケアは政府の無駄遣いの象徴、政府は予算がありすぎると無駄づかいする」と主張していると報道されていた。 茶会運動は「税金の無駄遣いを減らせ」なとどいう井戸端会議的な文句を垂れているのではなく、自由と財産を市民から奪おうとする専制的な政府に対する抗議を叫んでいるのである。

 

また、いかにも「政府閉鎖」によって甚大なる経済的損失が発生したかのように報道しているメディアがある。 オバマ政権の過去6年間において17兆ドルにも膨れ上がった債務と失速したままの経済それらによる損失と比べて「政府閉鎖」がいかに取るに足らないものであるか。 針小棒大とはこのことである。

コメント
茶会が「真実を語り、信念を貫く」とは思わないですね。
だいたい「国民皆保険は社会主義」という考えそのものが極端でカルト的だと思います。
そして民主的手続きで決まった保険制度を予算まで人質にとって
壊そうとしてるのが共和党の右派です。
彼らこそアメリカ国家の破壊者であり、民主主義の破壊者です。
  • らくぜん
  • 2013/10/29 6:12 PM
率直に言って今の共和党は変ですよ。
レーガンと父ブッシュ時代までは比較的正義を重視してまともな感じでしたけど(これも日本のメディアを通して感じる院長ですが)。
冷戦が終わり息子のブッシュ時代におかしな政権だなと思い始めました。
イラク戦争、アルジャジーラ支局の爆撃
そして今回のNSAによる外国首脳の盗聴について
「欧州は米スパイ活動に感謝すべき」と言ったのは
共和党の議員だし
「現実に、NSAは数千人もの命を救ってきた。米国内だけでなく、フランスやドイツ、欧州全域においてだ」
と言ったのも共和党の議員でした。
開き直った発言です。
安全のためには自由や正義など犠牲にしても自分たちは正当化されると言わんばかりです。
保守主義者の視点で見ればこれが自然な見方となるんでしょうけど。
  • らくぜん
  • 2013/10/29 6:53 PM
楽善さんよ、オバマケアの成立過程は全て非合法だし、共和党保守派は予算を人質にとってなんていないゼよ。 アメリカ左翼メディアの直訳しか出来ないアホメディアが垂れ流すクズ情報を真に受けているとバカになるぞ。 まあ、せっかくだから、良薬は口に苦しってなことで俺様の英知溢れるブログでよく勉強してってくれや。
  • CBJ
  • 2013/10/29 10:18 PM
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