土地区画整理事業なるバカの上塗り

  • 2013.12.08 Sunday
  • 18:43
 

大震災からはや2年半、災害にあった家屋を立て直し、ようやく普通の生活を始められるかと思いきや、立ち退きを迫られている人々がいるらしい。 これまたとんだ災難である。 この災難を引き起こしているのは「土地区画整理事業」という復興庁が進める政府事業である。 政府が介入するとトコトン物事がトチ狂うという、教科書的な事例である。

 

政府によって指定された危険区域を全体的にかさ上げするため、そこに住む人々は立ち退けと、より安全とされる土地で家を探して住めと、いうわけである。

 

大震災による津波は天災である。 だがこれだけ多くの人々が犠牲になったのは人災である。 それは政府の安全対策やリスク管理が不足していたという意味ではない。

 

日本損害保険協会の地震保険に関するウェブサイトにはこうある。 

 

Q9.あまりにも巨大な災害なので、保険会社の支払い能力を超えているのではないか?

 

A9.各損害保険会社は、保険金支払いに備えて、準備金を積み立てています。また、政府が再保険を引受ける形で共同運営していることから、保険金の支払いに支障をきたすことはありません

 

再保険とは、地震のような巨額のリスクが絡む保険について、保険会社がそのリスクを分散させるために「引き受けた保険に更に保険をかける」ことである。 政府が肩代わりするということである。 政府の財源は無尽蔵である。 言い換えれば、政府が補助することで地震保険は「お手頃価格」になり、見かけ上のリスクが減少したということである。

 

政府が補助していなければ、地震国日本における地震保険は非常に高額だったはずである。 であれば人々は高額な保険に加入することで災害リスクに備えるか、あるいは災害リスクを避けて住む場所を選ぶか、どちらかの選択を迫られたはずである。

 

同じ県の同じ町でも津波に襲われた低所と免れた高所がある。 低所は津波や浸水のリスクがある。 高所は土砂崩れのリスクがある。 土地の形状や地盤によってリスクは異なる。 それらリスクと住むことによるメリットを勘案して人は居住場所を決めるものである。 政府による保険補助という一種の市場介入によって高リスクエリアに住む人の数は増加したはずであり、それが犠牲者数に反映されていたであろうことは容易に推測可能である。

 

そして今、更に政府は失敗の上塗りをしようとしている。 苦労して生活を取り戻そうとしている居住者の犠牲の上にである。

 

そこに住むかどうかは住む人自身が決めることであって政府ではない。 危険だから立ち退け、安全にしてあげるから立ち退け、とはお門違いもはなはだしい。 

 

東日本大震災百年に一度の「想定外の災害」だったとしたら、今後は「想定内」となる。 政府の「再保険引き受け」がなくなれば地震保険は非常に高額になるはずであるいざ災害が起きたときに保険料を支払っても保険会社が損をしないと判断する額人が支払うことのできる額の均衡点が保険料となる)。 よほどイノベーションに富んだ保険会社が出てこない限り、一般人には手の届かないものとなろう。

 

それでも住み続けるか、あるいは引っ越すか。 それは個人の決めることである。 保険に加入せず、リスクを負って住もうとするなら、それは個人の選択である。 賢く情報を集めて安全性を確信して住むなら、それも個人の選択である。 高い保険を払って住もうとするなら、それも個人の選択である。 個人が責任を持って決めたことならば、それは尊重されなければならない。

 

市場経済の機能が働く仕組みにあっては、災害リスクはコストとなり、コストは値段となって人々に「お買い得ではございませんよというシグナルを送る。

 

保険会社の仕事は「心配事の軽減である。 保険料は「心配事・処理代金」である。 小さな心配事は低額な保険料に、大きな心配事は高額な保険料となる。 商品の額は消費行動に直結する。 すると人は自然とリスクから遠ざかる。

 

土地区画整理事業は「恥の上塗り」ならぬ「バカの上塗り」である。 政府は瓦礫の処理だけをすればよい。 除染も区画も必要無い。 なるがままに任せれば、自然とリスクは軽減され、人々の強い意志によっていつしか復興が成し遂げられるはずである。

 

 

追記:

 

復興庁ウェブサイトによると15千億円もの金がこの土地区画整理事業につぎ込まれている。

 

あえて「崖っぷちの人生」を楽しむ人はいる。 人は彼を無鉄砲と呼ぶ。 それはそれで一つの生き方である。 だが税金で補助する必要はないわけである

 

だが政府以上に無鉄砲な存在があるだろうか。 なにせ、日本国民全員の「医療の心配」と「老後の心配」を一手に引き受けてしまうという詐欺的な博打に手を染める一方でそれを更に強化しようとしているのである。 そんな無鉄砲な政府が地震保険の再保険を引き受けるなど、これ以上に怖いことがあるだろうか。

 

 

コメント
ご説ごもっとも。

元いた場所に住ませてくれないなんておかしいです。

ただし、全部自分のお金で面倒見るのならばね。

金はよこせ、自由やらせろじゃ、
社会のつまはじきものになってしまいます。

  • 侏儒
  • 2014/01/06 4:52 PM
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>

time

selected entries

categories

archives

recent comment

recent trackback

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM