中国の9.11(の序章?) 昆明の虐殺
- 2014.03.16 Sunday
- 16:05
昔からイスラムと国家社会主義と共産主義とは親和性がある。 それは彼らが皆専制的な政治思想を共有しているからである。 1930年代から40年代にかけてアラブ・イスラム世界はナチス・ドイツと組んでユダヤ人を虐殺し、1940年以降はソ連と組んでユダヤ人を迫害した。
しかし同時にこれら非人道的なシステムは常に火種を抱えていて長期的な平和を維持することが出来ない。 一昔前のヨーロッパでは国家社会主義者と共産主義者とは殆ど同じ思想を共有しているにも関わらず、互いに敵とみなして死闘を繰り広げた。 非人道的社会は人道的社会を脅かすが、他の非人道的社会にも戦いを挑む。
中国の昆明で起きた殺傷事件はイスラム・テロである。 テロリストは軍や警察といった国家権力を攻撃したのではなかった。 彼らが殺傷したのは一般市民である。 何の罪も無い人々である。 これは中国という共産党一党独裁という非人間性に対する戦いではない。 イスラムという非人道的な宗教と中国という非人道的な政治システムとの、非人道同士の覇権争いである。
昆明のテロを起こしたウイグル人の住む新疆ウイグル自治区にはアルカイダ系のテロリズムが浸透している。 事実、22名のウイグル人テロリストがグアンタナモ基地のテロリスト収容所へ収監されていた。 グアンタナモに収監されていた人間に無実の人間は一人もいない。 悪の中の悪、極悪の殺戮者達がそこへ送られたのである。 事実、アルカイダのリーダーであるAbu Yahia al-Libiは2009年に新疆のウイグル人へ聖戦(ジハード)を呼びかける声明を発表している。
世界のいたるところでイスラムは凶暴性を発揮している。 中国はイスラムという爆弾を抱えている。 中東からヨーロッパへ、そして南アジアへ、そして東アジアへ… 日本から見れば、対岸の火事、敵同士の戦いである。 ウイグルのテロリストを自由の戦士であるかのように持ち上げるのは愚の骨頂である。 彼らは自由の戦士ではない。 彼らはジハーディストであり、イスラミストであり、シャリア法に則るイスラム国家建設の戦士である。 共産主義者が自由の敵であるのと同じく、彼らも自由の敵である。
どちらに加担することもなく、互いが殺しあう様を眺めていればよい。 ただ、注意深く観察していればよい。 どちらも日本にとっては脅威だからである。 敵の敵は味方である場合もあるし、敵である場合もある。 味方であると相手に思わせて利用すべき場合もある。 最も愚かなのは敵であるのに味方であると一方的に信じてしまうことである。 最も賢明なのは、二つの敵がお互いに殲滅しあうよう仕向けることである。
追記1:
アジアからイスラム教徒の旅行者や労働者をせっせと受け入れて「村おこし」をしようという動きがあるが、言語道断である。 ヨーロッパがいかにイスラムによって荒廃しているか。 その愚かな経験を日本で繰り返す必要は無い。
追記2:
どちらに肩入れするというのではなく、両者の敵対関係を利用する、というのは外交上あり得ることである。 日露戦争において日本がロシアの共産革命分子を煽って帝政ロシアを背後から揺さぶったようにである。