原爆投下と国際法

  • 2015.03.28 Saturday
  • 12:47

第二次世界大戦におけるアメリカの広島、長崎への原爆投下は国際法違反であり、日本はそれを世界に発信するべきである、という意見がある。国際法違反は確かにその通りなのだが、それを主張することに余り意味はない。なぜならば、国際法というのは法律ではなく、いわば暫定的なお約束程度のものでしかないからである。

法とは何か。誰にでも分かるように明示され、だれに対しても同じように適用され、違反者に対しては必ず罰則が加えられる。これが本来の法律というものである。そして少なくとも法と呼ぶからには三番目の要素は不可欠である。なぜならば、それが無ければ何の執行力もない、呪文と同じだからである。

国には法律がある。世界には法律は無い。法を作る立法、法を実行する行政、法を解釈する司法、この三権があって初めて法は機能する(これらが分立しているかどうかは別問題である)。日本には日本の法律があり、アメリカにはアメリカの法律があり、中国には中国の法律がある。北朝鮮にすら法律がある。キムジョンウンという何の法律である。

一方、世界にあるのは力関係である。国際社会は無法地帯であり、いわば「子供だけの幼稚園」である。少しでも強い者が弱い者を支配し、弱い者が更に弱い者を支配する。弱い者は凶暴で乱暴な者と仲良しになるか、優しそうだけどもガタイのでかい者と仲良しになるかを選択する。何かの拍子で機嫌を損ねた強い者が弱い者の頭をガツンと殴りつける。「そんなの国際法違反だ」と叫んだところで意味はない。だが、もし強い者がお友達であれば、そのお友達が殴ったものを殴り返してくれる。二度と殴ってこないように脅してくれる。

これが国際社会の現実である。

世界にたった一つの法律があるとすれば、それは「力」に他ならない。ある程度気の合う強いお友達の御機嫌を伺いながら他の反吐が出るような嫌な乱暴者から守ってもらうのも一つの手だが、自分がある程度強い者となり、ある程度自分で身を守るのも手である。国土や経済の規模、地理的な条件もあるので、それぞれの国が自国にとって最良と思われる選択をしなければならない。

原爆で多くの一般市民が犠牲になったのは日本国民にとっての悲劇である。だが、原爆投下が国際法違反だったかどうかはどうでもよいことである。少なくとも、有史以来世界を支配する法律には反してはいなかったのである。日本国民として彼ら犠牲者を弔うのは当然である。だが灯籠を何万個流しても、彼らは戻ってこないのである。

国際法は法律ではない。それはまさしく日本が降伏して戦争が終わった後でソ連が日本の領土を侵略し、占領するという「国際法違反行為」が、70年の長きにわたって誰からも罰せられることなく今日に至っていることからも明白である。なぜ罰せられないかといえば、ソ連、そしてロシアがアメリカと並ぶ、「世界の法律」の執行者だからに他ならない。日本が過去の戦争において国際法を守るべく戦場に国際法学者を従軍させていたことは大変名誉なことである。だが、残念ながらその事実は対日プロパガンダによってかき消されてしまっている。国際法が法律でないのだから、ある意味当然である。

過去に関して重要なのは、日本は非常にしぶとく戦ったものの勝ち逃げできず、後半には劣勢になり、最新兵器の開発を敵方に先んじられたという点に尽きる。だからこそ原爆投下という目にあったのだと。未来に関して重要なのは、過去の教訓を生かし、いかに世界唯一の法律である「力」において守りを固めるかということに尽きる。それが核武装を含む軍備増強と自衛隊の正式な軍隊化にあることは明白である。そして日本が世界における法の執行者(アメリカに次ぐ2番目の軍事大国という意味)になった暁にこそ、原爆の被害者の魂が浮かばれるのである。

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