繁栄の税制 フェア・タックス

  • 2015.04.24 Friday
  • 23:42
 
  • 公平で差別のない税制。
  • 低所得者をいじめない税制。
  • 所得隠しや誤魔化しによる脱税の発生しない税制。
  • 貯蓄を奨励する税制。
  • 投資(雇用と富の創出)を促進する税制。
  • 企業活動を阻害しない税制。
  • 外国人(在日朝鮮人・韓国人を含め)や犯罪組織をも課税対象とする税制。
  • 相続や慈善寄付を邪魔しない税制。
  • 低コストで透明性の高い運用ができる税制。
  • 腐敗の発生しにくい税制。

そんな税制があるのか。フェア・タックスがそれである。

フェア・タックスとはアメリカにおいて10年ほど前から考案され、草の根運動で認知されつつある税制である。

仕組み
フェア・タックスは一律の税率を最終消費者が負担する税である。課税対象は「消費」である。現在の課税は主に所得や勤労や貯蓄や投資に対するものである。これらは富をもたらす行為であり、我々はこれらに課税することで、繁栄を自ら潰しているのである。フェア・タックスは、課税対象を「経済のインプット」から「経済のアウトプット」へと大胆に移行する革命である。

フェア・タックスは消費に課税する税制とはいえど、日本にある「消費税」ではない。日本にあるのはヨーロッパ発祥のVAT(付加価値税)であり、最終消費者に行き着くまでの各段階において課税の発生する税体系である。フェア・タックスは売上税であり、小売業者が消費者にモノやサービスを販売したときに発生する税金である。

フェア・タックス制度において、売上税以外の課税は全て撤廃される。所得税、法人税、贈与税、相続税、環境税、付加価値税、キャピタルゲイン税、そして社会保険料といった税は全て撤廃される。その代わり、それらが消費者負担の売上税に置き換わるということである。現在のアメリカの政府支出を支えるフェア・タックスの税率は23%と見積もられている。例えば、100ドルの商品を買ったらそのうちの税金は23ドルである。所得税や社会保険料はゼロであるから、給料からの天引きは0円となり、「額面」はそのまま「手取り」となる。例えば額面が2000ドル、手取りが1447ドルだった人は、フェア・タックスに移行後は2000ドルが手取りとなり、加えてPayroll Taxという企業が負担する給与税(7.65%)も無くなるため、その分を還元して更に給料アップである(下図)。

物価はどうなるのか
売上税が23%ということは、フェア・タックス制度に移行したら現在の物価から23%も上がるのか、と言えばそうではない。モノの価格には既に各種の税金が見えない形で組み込まれている。法人税やら社会保険料やら環境税やらそれらを処理する人件費やらが入っている。それら全てを売上税で置き換えるということである。そうすると、アメリカの場合には23%になると試算されている。そのため、理論上は値段は上がらず「そのまま」である(下図)。

だが、実際には多くの場合、価格は下がると見込まれている。なぜならば、税務上の処理が無くなり、その分のコスト削減が可能となった企業はそれを価格に反映させることが出来る。その上、個人の可処分所得は大幅に増えるため、その消費意欲を狙う企業同士による競争原理が働くからである。

政府支出はどうなるのか
フェア・タックスは「政府支出を減らす魔法の杖」ではない。現在の巨額の政府支出は、そこにメスを入れなければそのままである。だが、フェア・タックスによって可能になるのが政府支出の「見える化」である。課税対象が消費に一本化されるため、政府が密かに新たな課税対象を見つけたり、税率を上げたりすることを不可能にする。増える支出を支えるために税率を30%から40%に上げなければならないとしたら、それはダイレクトに消費者の生活に響く。政治家は、消費者に対して増税の必要性を納得させなければならない。逆に、生活コストを下げたいと願う消費者は政府支出を減らすよう政治家に圧力をかければよいのである。

逆に高税率を唯々諾々と受け入れる国民であるなら、自業自得というものである。

公平さ・低所得者を救う税制
フェア・タックスはなぜ公平なのか。それは差別をしないからである。金持ちも貧乏人も同じ税率を負担する(アメリカのフェア・タックス法案では30%)。そして“日本国籍を持った”金持ちと貧乏人は同じ額のPrebate(生活物資購入のための前受資金)を月初めに受け取る。貧乏人はPrebateで最低限の衣食住を満たすことが出来る。場合によっては払った税金とPrebateの額が同じになり、差し引きゼロとなる。Prebateの対象は日本人全員であるから(外国人や非合法滞在者は対象外)、政府として誰がどのくらいの所得をどのように得ているかを把握する必要はない。送金対象を選別する必要も無い。

当初、私はPrebateを「一種の富の再分配」だと感じ、ひっかかりを覚えた。配るなら最初から取らなければよいではないか、と。だが考察を重ねるうちに一つの正当で有効な手段であると受け入れるに至った。

所得税のシステムでは、所得の低い人間は税金を納めずに生活保護という形で他人の払った税金を受け取る。金があるポケットから別のポケットに移動するわけである(富の再配分)。

だがフェア・タックスでは全ての人が税金を払いPrebateを含めたシステムの維持に貢献するわけである。Prebateは収入の低い高いに関わらずに国民であれば誰もが同じ額を受け取ることができる。高所得者にとってはどうでもよい「おまけ」のような感覚であろうが、消費に課税する制度で最も「痛み」を受ける低所得者にとっては「救い」となる。

誰がいくら受け取るべきかを収入によって査定する必要が無いので不正受取の可能性は極めて低い。生活保護や失業手当に代わるものとなろう。

公正さ・透明さ
現在企業は本来の事業のみならず、節税をするために巨費を投じてロビー活動を行っている。製薬大手のイーライ・リリー社は2億ドルを浮かすために852万ドルをロビー活動費として使っている。売上税に一本化することで、企業と政治家との癒着の根源が断たれる。そして、ロビー活動をする余力のある巨大企業と、体制に翻弄されるしかない中小零細企業との間の不公平が解消されるのである。

現在の所得をベースにした税制は収奪である。本来富を創出するはずの人々を投資から遠ざけ、国外に追い出し、日々勤労に励む人々を罰する愚かな税制である。二重、三重、四重の課税で取れるところから取れるだけ取ってしまえと言わんばかりである。企業活動は富の源泉である。企業とは人であり、企業に対する課税は人に対する課税も同然である。既にそこで働く人は課税されているのだから、企業に課税する法人税は二重課税である。しかも世界有数の高率によって、企業の海外移転と海外投資家の日本見送りをせっせと促進する国賊のような税制である。フェア・タックスにおいてはこの法人税や、環境主義者が共産主義を推進するために導入した環境税も廃止される。

所得課税中心の現行制度と比べ、フェア・タックス制度では税収が増える。その理由の一つはフェア・タックスに移行することで課税対象が大きくなるからである。フェア・タックスは外国人や地下経済にも「公平に」課税する。彼らが消費する際に税金を払わざるを得ないからである。今まで税金を払ってこなかった低所得者、在日朝鮮人、外国人旅行者(特に最近は爆買い中国人)、暴力団といった連中も日本で消費するときに税金を払い、政府の支出を支えることになる。これによって全体的な税収は増えつつ日本国民一人当たりの税負担は減少するのである。

貯蓄の推奨
一般的に、ある活動に課税するとその活動は抑制される。フェア・タックスにおいては課税対象は消費であるから、消費が抑制されることになる。消費が抑制されればカネが向かうのは貯蓄である。

貯蓄があるから投資がある。人々が消費を抑えて貯蓄をすると、「金回りが悪くなって不景気になる」というモノ知らずがいるが、実際は人が銀行に貯蓄した金は貸付け(投資)に回るのである。金が貯まれば貯まるほど、貸付コスト(金利)は下がり、投資が活発化するのである。投資が活発化すれば雇用が増大し、雇用が増大すれば人々の所得が増えて景気が良くなるのである。フェア・タックスは消費を遅らせる行為(貯蓄)に報いる税制である。

徴税方法
フェア・タックスにおいて、税金の徴税を代行するのは小売業者である。政府は小売業者に対して質問する。「今月の売り上げは幾らでしたか?」 小売業者は答える。「5,320,143円でした。これがレジの記録です」 政府はそれに対し「では税金は(税率が23%として)1,223,633円ですね、それを送金してください」 やり取りはこれだけである。故に税務上の知識経験やら細かい計算やら処理作業やらが必要無いのである。

では小売業者が売上額をちょろまかしたら?確かに理論上あり得る。だが実際のところ、小売業者が売上額を誤魔化すというのはそれなりのリスクを伴う。政府はランダムに監査に入り、嘘がバレれば市中(ネット & メディア?)引き回しの上営業許可取り消しである。ブランドや市場の地位を確立した小売業ほどそのような不毛なリスクは冒さないものである。また、泡沫業者が多少誤魔化し、全体の10%にあたる不払いがあったとしても、税制の簡略化、低コスト化及び課税ベースの拡大により、現在の税収を上回ると見込まれている。

23%の売上税のうち、0.75%は小売業者に、0.25%は州政府に入る。これは徴税代行と徴税施行に対する手間賃である。

富を取り返す
フェア・タックス法案の作成者は巨額の私財を投じて研究を行った。その調査の一環として日本と欧州の500もの企業に対する聞き取りを行った。「もし、アメリカでフェア・タックスが実施されたら御社としてどう動くか?」 500社のうち、400社は次の工場や事業所の設立をアメリカで行うと答え、残り100社は本社機能をアメリカに移すと回答している。現在日本と同様、アメリカ企業の海外移転が進行しているが、海外にあるアメリカ企業の資産は11〜15兆ドルと言われている。アメリカでフェア・タックスが実施されれば、外国企業の前にアメリカの企業がこぞってアメリカに戻ってくるわけである。もしこれが日本で実施されれば、当然ながらアジア各国に移転した日本の工場や事業所が日本に戻ってくる、これらが戻ってくれば雇用も戻ってくる、というわけである。

フラット・タックスとの違い
フラット・タックスとの違いは課税対象である。フラット・タックスでは一律の課税率が「所得」にかかる。所得にかかるということは、企業における給料天引きや自営業者の確定申告の作業はそのままであり(簡略化されるが)、国税庁もそのまま残ることになる。重要なのは、かつて多くの国において税制は低税率のフラット・タックスから始まったということである。それが時代を経るにつれて様々な政治的駆け引きの中で複雑化してきたのが現在の状態である。アメリカの憲法制定者達はそのことを知っていたがために、「所得に課税してはならない」という条項を憲法に謳ったのである。しかしその後のプログレッシブ運動の社会主義的風潮のなかで改正16条が可決され、所得税が導入された。そして現在、アメリカの連邦税法は6万7千ページにも及ぶ。フェア・タックス法案は僅か133ページである。

実現に向けて
フェア・タックスは実施したもの勝ちである。全国一律売上税を実施した国は無い。とはいえ実績が無いわけではない。アメリカでは週単位で売上税は長らく存在する。それを全国に適応し、他の課税を廃止すればよいだけである。だが 考案された本家アメリカでも政治家は二の足を踏んでいる。その理由はまさに現行の所得税制度と直結するものである。フェア・タックスが実施されれば彼ら政治家が持っていた民間に対する権力を失うからである。そして現行制度でたんまり節税して儲けていた一部の巨大企業の支持を失うからである。フェア・タックスが実現するか否かは我々民間人にかかっている。我々がこの税制を理解し、政治家を動かさなければならない。


図解 フェア・タックス
Fair Tax Explained - a 2 minute introductionより



フェア・タックスで収入はどうなるか


フェア・タックスで物価はどうなるか


フェア・タックスで生活はどうなるか(大人二人、子供二人の家庭の場合)
Prebate Scheduleを参照


追記:
フェア・タックスは連邦税(日本では国税)であり、地方税は含まない = 地方税は別途かかる。

参考
FairTax: The Truth: Answering the Critics
By Neal Boortz, John Linder, Rob Woodall

The FairTax Solution: Financial Justice for All Americans
by Ken Hoagland 

The Fair Tax: A Quick Guide [Kindle Edition] 
Dr. Milton J. Cormier, Mark Cormier

Fair Tax Calculator
http://www.fairtaxcalculator.org/

FairTax.org
https://fairtax.org/about/how-fairtax-works

"The Case for the Fair Tax"


The Case for a National Sales Tax
Heritage Foundation
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