共和党ディベート・サウスカロライナ

  • 2016.02.14 Sunday
  • 19:23

今回のディベートはかなり荒れた。

ブッシュとトランプ
トランプとクルーズ
クルーズとルビオ
候補者同士がぶつかり合う。




だが新たな発見は特に無し。

目玉としてはトランプの非保守性、”俺様”的な人間性、国際情勢の認識の甘さが露わになったということくらいであろうか。

だがディベートの直前に重要な出来事があった。それは連邦最高裁のアントニン・スカリア判事が死去したことである。スカリア判事は9人の判事の中において、サミュエル・アリート判事、クラレンス・トーマス判事とならぶ保守であった。場合によって左右に振れるジョン・ロバーツ判事とアンソニー・ケネディー判事がいて、そして左翼のソニア・ソトマヨール判事とスティーブン・ブライヤー判事とエレーナ・ケーガン判事とルース・ベーダー・ギンズバーグ判事がいる。

この9人の判事の構成が国の将来に大きな影響を及ぼす。直近では最高裁によって同性婚の合憲判決が出たのは記憶に新しい。それに反対したのがスカリア、アリート、トーマス、そしてロバーツであったが、他の5人が賛成に回ったため可決されてしまった。

大統領には最高裁判事を任命する権限がある。だが、現職のオバマ大統領はレイムダック(任期切れ間近)である。その現職大統領は死去した判事の後釜をすぐに埋めるべきか否か。今回のディベートで注目を集めたのはここであった。最高裁判事は終身職であり、いったん任命されたら基本的に解任は無い。いかに大統領の判断力が求めらる重要な決定であるかが分かるであろう。

この問題に対して最も明確な回答を出し、スカリア死去の大統領選挙へ与える意味合いの重要性を打ち出したのはテッド・クルーズであった。

 
  • 選挙期間に突入した後の大統領は新たな最高裁判事を任命しない、というのが80年来のしきたりである。
  • もしもオバマ大統領、あるいは次期大統領がリベラルな判事を任命したら、結婚制度、生命の保護、銃を保持する権利、そして自由が危機に晒されることになる。
  • 故に、我々はオバマ大統領がそのしきたりを破らないようあらゆる手を尽くさなければならず、そして強い信念を持った保守主義者を大統領として選ばなければならない。



そしてクルーズはドナルド・トランプを大統領に選ぶことがいかに危険なかけであるかを説明する。



後は候補者同士のいつもながらの喧嘩であるが、トランプの大統領らしくない姿が印象的であった。

トランプはイラク戦争は間違いであり、大量破壊兵器の存在はジョージ・W・ブッシュの嘘だったと言う。ワールドトレードセンターにテロリストが攻撃を仕掛けたのはブッシュの時代であり、ブッシュのせいであると言う。

当然ながらブーイングが起こる。この点でトランプは極左のマイケル・ムーアと同じである。

トランプは言う。「俺は(不法移民を防ぐための)壁をつくる。そしてメキシコに(その建設費を)払わせる。任してよ(Believe me!)」

なぜメキシコが払わなければならないのか。メキシコにどうやって払わせるのか。説明は無い。だが「任してよ!」と。大雑把な台詞である。

トランプは言う。「工場をメキシコに移そうとしている工場があったら俺は飛んで行って経営者にこう突きつけてやる。『アメリカの工場を閉鎖したら何百人も解雇される。みんな泣いているぞ。工場を移したら、お前らの商品をアメリカに入れるときにバカ高い関税をかけてやる。それが嫌ならここに留まれ』」

資産の海外への持ち出しに対して課税しようとする安倍政権ととても良い相性である。まさに左翼の手法である。

司会者がトランプに対して、妊娠中絶等について過去の立場と現在の立場の違いを説明するよう求める。

トランプは言う。「人間はフレキシブルでないと。変われなきゃダメよ。レーガンだって変ったんだから」

クルーズが言う。「柔軟性は重要であるが、ブレてはならない軸というものがある。トランプにはその軸が無い。だから人生のほとんどの期間、トランプはジミー・カーター、ヒラリー・クリントン、ジョン・ケリー、チャック・シューマー、ハリー・リードといった民主党の面々を支持してきた(金を寄付してきた)のである」

トランプは発狂する。

「おめえは本当に嘘つきだよ!」「こいつ嘘ばっか!」「こいつは本当に嫌な野郎だ!」「だからみんなに嫌われんだよ!」「なんでおめえは嘘ばっかつくんだよ!」




こういう人間をいまだに支持する人間が大勢いるのも現実であるが。

ルビオもクルーズを叩く(不法移民問題で)。クルーズは反撃する。このやり取りは何回も繰り返されている。左翼民主党のシューマーと組んで不法移民への市民権授与(アムネスティ)を推進しようとしたのはルビオであり、それをジェフ・セッションズ上院議員らと組んで阻止したのがクルーズであった。




クルーズは最終弁論で再度この選挙が国の将来に与える影響の甚大さを訴える。

「我々が決めようとしているのは誰が大統領になるかだけではない。それによって最高裁の方向性も決まる(現在の最高裁判事は高齢であり、次期大統領は3〜4名の最高裁判事を任命することになると予想されている)。もしも選択を誤れば、生きる権利、銃保持の権利、信教の自由は危険に晒される。自由が危機に晒される。子供たちのために、我々が正しい決定をしなければならない」




選挙戦はクルーズとトランプの2者へと絞られつつある(あるいはルビオを入れて3者)。保守主義者が勝つか、威勢のよいリベラルが勝つか、これからが勝負である。
コメント
今回のディベートはモデレーターの仕事がお粗末でしたね。(緊張していたのでしょうか?)
会場も、Jeb、Rubioへの歓声が多く不自然でした。
Trump氏の暴走、特にBush氏への「だったらお前の母ちゃんが大統領選でろよ」という野次には笑えました。
このままどうなっちゃうでしょうね・・・
本日はBush兄御大が応援参加とのこと、楽しみにしています
  • K
  • 2016/02/15 12:49 PM
Kさん、ディベートを通して見ると、やはりフォックスビジネスの司会が一番でした。
  • CBJ
  • 2016/02/18 9:11 PM
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