麻生発言 - 経済無知の総和

  • 2016.06.19 Sunday
  • 16:15

<麻生氏>いつまで生きるつもりだ…高齢者について講演会で
麻生太郎財務相(75)は17日、北海道小樽市で開かれた自民党支部大会で講演し、「90になって老後が心配とか、訳の分からないことを言っている人がテレビに出ていたけど、『お前いつまで生きているつもりだ』と思いながら見ていました」と述べた。高齢者らの反発も予想される。麻生氏は講演で国内の消費拡大などが必要と指摘したうえで、「お金を何に使うかをぜひ考えてほしい。金は使わなきゃ何の意味もない。さらにためてどうするんです?」と述べた後に発言した。毎日新聞 6月17日(金)


国の財務の握る人間が経済に対する完全なる無知を得意げに露呈する様を見るのは痛々しいものである。

保守主義者としては麻生の高齢者に対するモノの言い方に対する怒りがある。しかしそれはさておき、この経済無知は危険である。

経済を知らない安倍政権支持者は麻生を擁護する。「麻生さんは社会の金回りを良くしたいと思って発言したのだ。金が循環しなければ経済は活性化しないではないか」と。

そのような人々は一般人が商店で買い物をしている姿だけが「金回り」だと勘違いしているのである。

商店での買い物も「金回り」なら、銀行預金もタンス貯金も「金回り」である。「金回り」には何通りもあるのである。

人が金を銀行に預ければ、銀行はその金を無料で保管するだけではない。銀行はその金を投資に回すのである。しかもただ「回す」のではなく、事業計画を精査して回収のめどを立てて貸し付けるわけである。その金で人々が雇用され、機械類や建設資材の仕入れが行われる。人が将来や老後のためにと預金した金は雇用創出へと向かう。

一方人がタンス貯金したらどうなるか。タンス貯金は投資に向かうことはない。だが人が100万円タンス貯金したら市場の通貨供給量は100万円分減少することを意味する。すると一定の量の商品・サービスをより少ない通貨が追いかけることになる。

仮に市場全体の通貨供給量を100円とし、市場には10個のパンしかないと仮定すれば:

100円 ・ 10個のパン → 1個のパンは10円

もしも市場全体の通貨供給量が80円に減少したら:

80円 ・ 10個のパン → 1個のパンは8円

以前は1個のパンを買うのに10円必要だったが、いまでは8円で同じパンが買えるようになる。そして余った2円でジャムが買えるようになる。

よって一般的には「死に金」とされるタンス貯金ですら実は貨幣価値の向上につながり、それは購買力向上へとつながる有意義な行為なわけである。

ところで政府が「金回りを良くしよう」と意図して導入したマイナス金利の影響で円高傾向である。マイナス金利は人々に「銀行に預けると損するぞ。金を預けないで消費しなさい」という政策である。ならば通貨供給量が増えて通貨価値が下がり、円安に振れそうだが逆の現象である。金利はマイナスになる一方で景気が良くならない中で人々がタンス貯金に走り、実際に金庫が売れているという。まさに市場の通貨供給量が減って通貨価値が上昇し、円高に振れるという皮肉な現象が起きているわけである。

国の財務を握る麻生にはこれらが全く理解できない。

人々が銀行に預けて銀行が更に貸し付けて世を回る金と、人々に金をばら撒いて好きなように使わせる金は同じ。これらは同じ経済効果をもたらす。これが麻生の世界である。

だが実際の世界は:

人々が金を銀行に預ける。銀行はその金の貸出先を探す。銀行が業績の良い会社に「借りてください」と頼む一方、金を借りたい人々は事業計画を練って銀行に貸し付けをするよう説得する。銀行が金を貸すのは預けた金が増えると見込まれた相手だけ。貸付相手が長期的に安定した事業を営み、利益を生み出すことを見極めるのが銀行の仕事であるから当然である。貸し付けを受けた会社はその金で人を雇い、事務所や工場をつくり、資材や機械や道具を購入する。そのようにして金は有意義に世に回る。

一方で政府が人々から金を集めてばら撒けばどうなるか。人々から金を集めれば集めるほど、当たり前だが人々の手元から金はなくなる。生活で精一杯で貯金の余裕はない。人が貯金しなくなれば銀行は貸し付けに慎重になる。一般の人々は政府からばら撒かれた金で事業を起こすことはない。ある人は生活必需品を買い、ある人は酒を飲み、ある人はパチンコに行き、ある人は旅行に行き、ある人は服を買い、とそれぞれ思い思いに金を使い、それでおしまいである。

政府が人々から金を集めるのではなく、輪転機を回して金を刷ったらどうなるか。上の「パンの例」と逆の現象である。貨幣価値が下がり、10円だったパンは15円となり、20円となり、30円となる。辛い思いをするのは麻生ではなく我々庶民である。

安倍は経済を知らない。そのような人間が国のリーダーであるのは不幸なことである。

麻生は経済を知らない。そのような人間が政府中枢にいるのは不幸なことである。

だが安倍や麻生は原因ではなく結果である。安倍と麻生はこの国の経済無知の総和である。

コメント
 CBJ様 
経済に無知というより、普通に頭が悪いと思います。
総理大臣も財務大臣(副総理も兼任)も経済産業大臣も官房長官も法務大臣も文部科学大臣も、論外の三流大学卒。農林水産大臣は高卒。
 このメンバーに、何かを期待するほうが非常識というものだと思います。
  • 保守イチロー
  • 2016/06/19 8:31 PM
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