「政教分離」なる専制のスローガン

  • 2016.09.18 Sunday
  • 15:49

 

今年の8月15日、安倍晋三は例のごとく靖国神社に参拝せず、鳴り物入りで入閣した稲田朋美も国外に出て参拝せずという結末となった。期待はしていなかったので憤りは感じないが、このような安倍政権を擁護する人間を見るにつけ、暗澹たる気持ちになるのは避けがたいものである。

それはさておき、靖国神社参拝というと必ずどこからか「政教分離の原則上やや問題あり」という声が聞こえてくる。

日本社会は実に多くの空虚なスローガンに満ち溢れている。この政教分離もその一つである。

政治は政治、宗教は宗教。宗教は政治に口を出すべきではない。政治は宗教に絡むべきではない。

もっともらしく聞こえるが、単なる危険思想である。

この「政教分離」という思想は共産主義の宗教弾圧に起源を持つ。共産主義はそれ自体が政府を至高の神とする宗教であるが、単に他の宗教を認めないということである。

共産主義は人間の性質を変えようと(政府に権限を集中させることで人間の持つ「個人の所有欲」という性質を無くさせる)する試みであった。その試みの前提は、人間の性質は変えられる、という思想であった。

だがその試みの結果は大量虐殺であり、独裁であり、飢餓であり、貧困であった。

人間の性質は変えることは出来ない。人間には所有欲があり、善意があり、悪意があり、良心があり、意地悪さがあり、克己心があり、自堕落である。それら性質をあるがままに受け入れ、それを正のエネルギーに変換し、富をもたらしたのが資本主義であった。

同じく人間には変えられない性質がある。それは宗教である。

人間に価値観を与えるもの。それが宗教である。その価値観が良きものであろうが、悪しきものであろうが、価値観は価値観である。

キリスト教は宗教である。仏教は宗教である。イスラム教は宗教である。無宗教は宗教である。無神論は宗教である。オウム真理教は宗教である。共産主義は宗教である。「地球温暖化!」は宗教である。「反原発!」は宗教である。「日本が世界に誇る国民皆保険!」は宗教である。

「自分は宗教とは関係無い!」と百万回言っても事実は不変である。人間は宗教から分離して存在することは出来ない。ある人はこのような価値観(宗教)を持っているが、ある人は別の価値観(宗教)を持っている、ということが言えるだけである。

故に政教分離という思想は「お前の体からお前の価値観を切り離せ」と言っているに等しい。政治家に政教分離を求める、というのは、政治家に人間を止めてロボットになれ、というのに等しい。貴方の価値観が好きで貴方に投票した、だが今や貴方は政治家なのだから、貴方は貴方の価値観を捨てなさい、と言っているに等しい。価値観を捨てろというならそもそもなぜ選ぶのか、という論理矛盾である。

政教分離が共産主義を起源とする専制思想である一方、自由闊達で繁栄する社会に必要なのは信仰や良心の自由である。

自由な社会の基礎は個人財産の保護である。有形、無形を問わず、個人の所有物が他人からの収奪の危機に常に晒されている社会には自由も繁栄も無い。

信仰や良心は個人の財産である。これは最も重要な財産であると言ってもよい。この財産は親から子へと代々受け継がれるものである。良き信仰(価値観)は良き行いをもたらし、良き行いは富の蓄積と豊かさをもたらす。悪しき信仰(価値観)は悪しき行いをもたらし、悪しき行いは貧困と不幸をもたらす。

「政教分離」なる思想が空気のように受け入れられる社会において、自由と繁栄の礎である信仰や良心の自由は置いてきぼりである。

「公人としての参拝ですか?それとも私人としてですか?」

このバカげた質問は、「貴方は貴方ですか?それとも別人ですか?」と聞いているに等しい。

国のために戦った英霊が祭られている靖国神社に参拝するというのは一つの価値観である。それは人間としての良心である。価値観や良心は人から離れたりくっついたりするものではない。常にその人と一緒である。その価値観と良心がその人を形成する。その価値観や良心無しにはその人はその人ではない。

我々は人間の性質を根本的に変えることは出来ない。良き信仰を持つ人がいて、悪しき信仰を持つ人がいる。良心を持つ人がいて、邪心を持つ人がいる。さまざまな組み合わせを持つ人々が様々な組み合わせで社会を構成する。これが現実であり、この現実を変えることは出来ない。

我々が出来るのは、人々が信仰と良心に従って行動する自由を守ることである。それは政教分離ではなく、信仰と良心の自由である。だが信仰と良心の自由は脆弱である。我々の社会にはあまりにも多くの邪教とそのスローガンがはびこっているからである。

 

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