薬価 - 費用対効果を反映しない「価格」

  • 2017.02.11 Saturday
  • 22:09
 

薬の効果、価格に反映へ 厚労省、18年度から導入方針 朝日新聞デジタル 
厚生労働省は8日、薬の公定価格である薬価に費用対効果を反映させる仕組みを2018年度に本格導入する方針を明らかにした。効果が価格に見合わない薬は値下げして薬剤費の伸びを抑える。新型のがん治療薬「オプジーボ」など高額薬が増え、医療保険財政が厳しくなっているためだ。 2/8(水) 12:11配信 


我が国にはブラックジョークが溢れている。だが、それらブラックジョークがあまりにも日常的に存在しているものだからブラックジョークであると認識されることはない。

この世のあらゆるモノには価格がある。それは人々がモノの費用対効果を判断した結果である。

あるモノが費用(価格)に対して効果(価値)が少なければ人は不満を感じる。結果として買わないという行動につながる。売り手は売れないと困る。だから値段を下げる。だから安物は安いのである。

あるモノが費用(価格)に対して効果(価値)が高ければ人は満足を感じる。結果として買うという行動につながる。売り手はもっと売りたいので増産する。そして更に売って儲ける。それを見た他の人々が「俺も」と参入する。いつの間にか売り手市場から買い手市場になり、価格は下がる。

価格は単なる値札ではない。それは情報である。それは何千・何万・何百万という人々の駆け引きの結果が集積された情報である。それはこれらの人々による「費用対効果」計測の集大成である。数十円のエンピツから数千万円のフェラーリまで、あらゆる商品の価格について言えることである。

だが日本では薬価というものがある。これは読んで字のごとく薬の価格である。この「価格」は何千・何万・何百万という人々が費用対効果を感じながら購買決定をする、という過程を経ずに決められる。決めるのは政府、厚労省の「有識者」である。

実際に販売と購買の決定を下し金のやり取りをする製薬会社や病院や保険会社や消費者と離れたところで役人が恣意的に価格を決めるのであるから、費用対効果を反映していない価格などという奇妙なものが出てくるのである。

その奇妙なものを作りだした政府が「薬の価格には費用対効果が反映されていない」と真顔で言うのであるからブラック・ジョークでなくて何なのか。

そしてその思考は「だから費用対効果が反映されるように医薬業界への政府介入を減らして市場経済原理を導入しよう」につながるのではなく、「政府が効果が低いと判断する薬は値下げしよう」となるのであるからもはや倒錯の世界である。

医療は社会主義がいとも簡単に入り込む分野である。なぜならば人々は「医療と他の商品は違う」「医療は人々の生死に関わるから政府が管理しなければならない」という戯言に簡単に騙されてしまうからである。

\府が問題を発生させ、∪府が問題を指摘し、政府が問題の解決策を提示し、だ府が対応策を実施する。政府の対応策は最初に戻って更に大きな問題を起こし、同じサイクルを繰り返す。

倒錯の世界に生きる我々にはこの異常性が分からない。我々は冒頭の記事を眺めてぼやく。「薬の価格は費用対効果が反映していないのか。それはまずいな。政府がなんとかしないとな」と。
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