男児の死と国民皆保険制度

  • 2017.07.30 Sunday
  • 21:20

英で難病の男児が死亡 延命治療めぐり法廷闘争
7/29(土) 9:34配信 朝日新聞デジタル 英メディアによると、英国で先天性の難病のため自力で生きられず、尊厳死をめぐり議論になっていたチャーリー・ガードちゃん(生後11カ月)が28日、延命措置の中止によって亡くなった。


この男児の親は米国での治療を希望し、金の算段もつけていた。だが英国政府はそれを禁じた。

なぜか。

それは、中央政府が管理する医療の否定につながるからである。



「我が国が誇る皆保険制度から逃れ、先端医療の恩恵にあずかろうなどという”利己的”な考えは許されない」ということである。

国家による医療管理と国民皆保険という配給制度の冷酷無情な実態である。

我が子の命をわずかな可能性に掛けたいと希望する親に対し、政府は「本当にそれをする価値があるのか示しなさい」と命じた。個人に政府が満足する答えなど短時間で出せようはずがない。当然ながら時間切れである。

本来、病院はサービス提供者であり、親は顧客である。顧客は自身の必要を満たすサービス提供者を探し、サービス提供者は顧客の満足を目指して最善を尽くすものである。そしてそれが無理であれば顧客は諦めるか他のサービス提供者を探すまでである。

だが病院と、病院を管理する政府はこの顧客に対して「他のサービス提供者に当たるのは許されない」と言い、政府権力をもってこの顧客たる親に対し、「諦めて子供を死なせなさい」と命じたのである。

米国の医療は「市場原理主義に支配された非情な世界」と形容される。だが、世界各国から米国へ治療を求めて逃げ込む人間は多数いるが、米国から国民皆保険医療を求めて逃れんとする人間はいない。

政府の支給するものをありがたく受け取り、それ以上のものを望むことは許されない。

これが一種の配給制度である。

少し前にXジャパンのYOSHIKIがロスの病院で手術を受けたというニュースがあったが、カネとコネのある人間はそうやって国民皆保険の配給制度をすり抜ける。

米国へ治療を求めて逃げ出そうとする人間を捕まえようとする政府があり、それを逃れようとする人間がいて、その政府に捕まって犠牲になる人間がいる。

亡くなった男児は犠牲者である。

両親の悲しみが癒えることはあるまいが、男児の冥福を祈りたい。


追記:米国の医療は最良ではなく、様々な政府介入によって経済原理が歪められている。オバマケア廃止の期待を一身に背負ったトランプ政権であるが、行政・立法とも共和党支配にも関わらずあっさり敗退。誠にぶざまな様相である。

コメント
 事実とかなりちがうのでは?「患者に苦痛だけを与え、回復の見込みがほとんど見込めない治療を強いることは許されない」という判断で、両親がこれに反論できなかったと理解しています。(であれば、簡単に判断できない大変難しい問題です。)
 私も最近、母親を末期の膵臓癌で失い。患者に苦痛を与える積極的な治療は行わず、緩和療法で看取ることを選ぶという経験があります。
 でも、この決めつけは、社会保険を批判するための、悪意に満ちた曲解としか思えません。(ただし、社会保険批判に対する反論ではありません:-)
  • ぶたくん
  • 2017/08/12 10:34 PM
ぶたくん、事実を知るのはキミではないし俺でもない。事実を知るのは両親だ。そしてどのような治療を施すかを決めるのも両親だ。政府が一方的に治療内容を決め、それ以上を望む両親に反論を義務づけるなど言語道断ということだ。
  • CBJ
  • 2017/08/13 9:58 AM
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