"Spygate" 読了

  • 2018.10.28 Sunday
  • 19:43

「トランプ・ロシアゲート疑惑」の何たるかを追い続けてきた保守ポッドキャスターのダン・ボンジーノが集大成を出版した。

「スパイゲート・・・ドナルド・J・トランプ追い落とし作戦」



メディアが世間に流布するいわゆる「疑惑」の内容はこうである。

『トランプはビジネスマン時代からロシアとロシアとつながりがあり、プーチン大統領を尊敬していた。2013年にロシアを訪問した際、ホテルで売春婦と乱交し、それをクレムリンに握られていた。トランプは2016年の大統領選においてクリントンと対峙することになった。トランプはロシアのコネを使い、ロシアに民主党本部をハッキングさせると同時にクリントンに不利な情報をロシア情報機関から仕入れた。ポール・マナフォート、マイケル・フリン、カーター・ペイジ、ジョージ・パパダポラスといった親露的でロシアと繋がりの深い人物を起用し、ロシアから仕入れた情報を有利に使ってトランプは大統領選挙に勝利した。だがトランプのロシアとの共謀が徐々に露呈し、トランプ本人と選挙戦を支えた側近達の国家反逆的な違法行為が次々と白日の下に晒されることになった』

それに対し、本書はロシアゲート疑惑の本質をこのように説明する。

オバマ大統領やクリントン候補、民主党はトランプは共和党内での選挙戦で消えていくものと考えた。だが意外なことに生き残っただけでなく、ヒラリー・クリントンを脅かす存在となった。トランプを阻止しなければならない。それが至上課題となった。

トランプが公言する政策はそれまでの民主党政権においてオバマ大統領とクリントンが行ってきた政策をひっくり返すものであった。そしてトランプが政権につくということは、オバマ大統領とクリントン国務長官(当時)のイラン核開発容認、ロシアのイラン核開発支援の容認、ロシアのウラン確保容認、クリントンの個人メールサーバー使用とオバマの関与、こういった問題行為の数々が裁かれるということを意味した。彼らにとってトランプは危険人物であった。

ヒラリー・クリントンは法律事務所を隠れ蓑にし、ロシアに情報網を持つイギリスのスパイに「ロシア疑惑文書」を作成させる。ジョン・ブレナンCIA長官はそれにお墨付きを与え、ジェームズ・コーミーFBI長官はそれに基づいてトランプ陣営を盗聴する許可を裁判所に申請する。トランプ陣営を罠にはめる作戦が始動する。トランプ阻止の目的を共有する様々な人物がトランプ陣営に入れ代わり立ち代わり近づき、「ロシアが握るクリントンに不利な情報」をチラつかせては「情報に食いついた」証拠をデッチあげ、その報告をFBIに上げる。FBIはそれをもって「トランプ陣営はロシアと共謀している」と裁判所に訴え盗聴許可を得る。

FBIは犯罪行為を発見してその行為の主を捜査するのではなく、特定の人物をターゲットにして罪を探すという法治国家としてあるまじき捜査を繰り広げる。

しかし彼らの作戦は失敗し、トランプは大統領になってしまった。いよいよ憎しみに燃える彼らは「トランプ引き下ろし作戦」に移行する。

オバマ時代からFBI長官を務め、この疑惑の形成に重要な役割を果たしていたジェームズ・コーミーはトランプ大統領に解任される。メディアと民主党は「疑惑の捜査を妨害している!」とトランプ大統領を非難。オバマ時代の残党が牛耳る司法省はロバート・ムラー特別捜査官を任命し、トランプ大統領追い落とし作戦が始まる。ロバート・ムラーはトランプ選挙陣営とトランプ政権に関わる人物を片っ端から狙い撃ちにし、選挙に関係あるなしに関わらずあらゆる手を使ってトランプ大統領の政権運営を妨害しにかかる。

この「疑惑捜査」は大統領選の最中に始まり、トランプが大統領就任後1年が経過しようとしている。

しかし今にいたるまで「疑惑」を証明するものは、何一つ見つかっていない。トランプ大統領の支持率は益々上がる一方、この「疑惑」の本質が日を追うごとに明らかになる。それに関わる人物達の欺瞞と偽善と不道徳が暴かれつつある。彼らは窮地に追い込まれている。本書の出版がとどめを刺す。

本書ではこの疑惑に関わってきた人物を軸に、一連の詳細な流れを時系列でまとめている。

この「疑惑」には複数の国々にまたがる人々がそれぞれの思惑をもって関わっている。ウクライナはクリントンに肩入れした。イギリス情報部とオーストラリアの元外相は疑惑を形成する上で主要な役割を果たした。なぜ彼らが「トランプ阻止」に動いたのか、彼らの思惑とは何だったのか、なぜアメリカのCIAがイギリスの諜報機関に米国民をスパイさせたのか、疑惑の当人であるロシアがアメリカ大統領選をどのように見ていたのか。これらの疑問の答えは本書で明らかにされている。

現職の民主党政権が国家権力を動員するとともに外国の諜報機関をも使って対立政党の共和党の候補者を阻止する作戦を実行し、それが失敗した後にも政府機関とメディアを使って妨害を続ける、という前代未聞のスキャンダルとして、この「ロシアゲート疑惑」は後世に伝えられることになろう。

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