破綻への備え

  • 2019.01.12 Saturday
  • 22:08

インフレ率、170万%=IMF「今年は1千万%」―ベネズエラ 1/10(木) 時事通信
【サンパウロ時事】南米ベネズエラの国会は9日、2018年のインフレ率が170万%に達したと発表した。国際通貨基金(IMF)は今年のインフレ率を1000万%と予測している。ベネズエラは有数の産油国だが、原油相場低迷やマドゥロ政権の価格統制などの失敗により経済が破綻。近年200万人もの市民が国外に脱出した。マドゥロ大統領は8月にデノミ(通貨呼称単位の変更)を実施したが、混乱は収まらなかった。


今日のベネズエラは明日の日本である。

債務残高の対GDP比を見ると、我が国は主要先進国の中で最悪の水準となっている(財務省)。あのギリシャは178.6%(2017年)であったが、それをぶっちぎってのダントツ一位である。

 


日本では国民が生産した額の倍以上を政府が使っている。日本は税収が約60兆円。債務残高は1000兆円。例えれば、年収500万で預金無しの家庭において、借金額が8000万以上に膨らむようなものである。月給が入っては利子をつけて返し、返してはまた借りの繰り返しで借金は雪だるま式に膨らむ一方である。これで家計が回るわけがない。

家計と国家財政との間に質的な違いは何もない。量的な違いがあるのみである。国家財政は大きな家計である。家計において推奨される事は国家財政においても推奨される。家計において忌避される事は国家財政においても忌避される。

家計において最も忌避されるのは金の使いすぎである。「使いすぎと」は収入に対して支出の割合が高いことである。毎月の給料日前に所持金が底をつき、一時的な措置として翌月の支出を調整することで容易に返却できる程度の額の金を借りるならばまだよい。だが、返す当てもない額の金を延々と借り、前に借りた金を返すために新たな借金をするとすれば、それは破綻した家計である。

日本の国家財政は破綻した家計そのものである。

家計の破綻した人に対し、人はいつまでも同じように金を貸し続けるわけではない。なぜならば、借金で首が回らなくなればなるほど、回収不能になるリスクが高まるからである。じきに誰も金を貸さなくなり、借金だらけの人間は破産することになる。

日本ではバブル崩壊後、景気対策と称した政府の過剰支出体質が続いてきた。アベノミクスの「デフレ脱却」を目的とする円安誘導と低金利政策、更に異次元の量的緩和によって大量の金が刷られ、市場にばら撒かれた。政府が国債を発行し、金融機関がそれを買い、日銀がそれを即座に買い取る。これを無制限に行うことで実質的に金を刷って市場に撒いているわけである。

自民党の幹部はこのようなことを言っている。



日銀は通貨発行権を持っているから必要な資金は紙幣を発行することで調達できる、と言っている。このような素人が政治の実権を握っているのである。いくらでも通貨を発行できるのであれば我々一般人から税金を徴収する必要がない。その分も通貨発行で賄えばよい。無制限に通貨を発行すれば世界一の金持ち国家になれるであろう。ついでにいえば、我々が働く給料分も通貨発行すれば、我々は一切働かなくてもよいということになる。国民全員が働かずに年収5000万でも8000万でも得ることも可能であろう。これほどバカげた発言はない。

金を市場に撒けば金の価値は下がる。1個のリンゴと100円が存在する島を想像してみる。その島において、リンゴの価格は100円である。その島の通貨供給量を100円から200円に増やしたらどうなるか。1個のリンゴを倍の通貨が追うことになるわけだから200円になる。1個のリンゴを買うのに以前は100円あればよかったものが、200円出さなければ買えなくなるわけである。

通貨価値が下がる。それがインフレである。

なぜ日本ではまだインフレが起きていないのか。

起きていないのではない。その時々の状況で金は様々なところへ向かう。異次元緩和で注入された金は消費財ではなく投資財へ向かった。そのために株価が上昇したのである。安倍信者は株価上昇を称賛したが、上昇して当然なのである。

そして消費財も徐々に価格上昇しつつある。少し前まで「隠れ値上げ」というものが取りざたされた。1000mlの牛乳を「価格据え置きで軽くて持ちやすく、残さず最後までおいしく飲んでいただけるようにしました!」という売り文句で950mlにしたりというのがそれである。最近はもうそのような「姑息な」手段がネタ切れになったのか、「正直な」値上げが相次いでいる。本格的な値上げは消費増税後である。

しかし諸外国から「それほど問題視されていない」のはなぜか。

それは日本の国債を保有しているのがほぼ日本人だけだからである。国債の価値が暴落しようがどうなろうが、日本人が勝手に買っているものを心配するほど誰もヒマではない。しかし我が国の愚かな者達はその事実を逆さまに見てこう言う。

「ギリシャと違って国債は全て日本国民が保有している。だから破綻するわけがないのだ。いわば、オヤジが息子から金を借りているようなもので、どうにもならない状況になっても無理に取り立てはしない。だから大丈夫なのだ」と。

これは別の言い方をすると、政府は我々国民の財産を没収するつもりだということである。その気になれば国民の財産を使って借金を返せば一発でやり直せる、ということである。

ではどうやって徴収するのか。正直に「税金を取ります」では国民は納得しない。しかし隠れた徴収方法がある。それがハイパーインフレである。

パンを買うのに100円だったものが1万円になり、10万円になる。タクシーに乗るのが1000円だったものが100万円になる。そうなれば1000兆円の政府借金などわけもなく清算できるということである。

ハイパーインフレにおいて、庶民の生活はどうなるのか。それを予測するには現在のベネズエラがどうなっているかを見ればよい。




断続的に電気供給が止まる市場では腐臭漂う肉が売られ、病院では壊れたベッドや医療機器が放置され、葬儀所では死人が6か月以上も放置され、ゴミは収集されずに放置され、人々は僅かな食糧を求めてゴミを漁り・・・。このため人々は平均8.6キロも体重が減ったという。

「日本でこのようなことが起こるわけがない」とはよく言われることである。

しかしベネズエラは石油資源に恵まれ、かつては南米で最も豊かな国であった。ハイパーインフレがナチス台頭の引き金を引いたかつてのドイツも豊かな国であった。豊かな国が転落するのは珍しい事ではない。今だけを見ていても仕方がないのである。

我々庶民ができるのは生活防衛である。その手段は外貨保有である。円の価値がどうなろうが、ドルはドルである。国は個人の財産に手を突っ込もうとしている。個人は防衛しなければならない。

ハイパーインフレはやってくる。これはIF(くるかどうか)ではなく、WHEN(いつくるか)の問題である。米国の株価の影響を受けて年末から円高に振れているが、これは一時的な調整である。米国ではトランプ政権にはいって景気が回復しており、それを受けて金利が上昇しつつある。金利が上がれば(日本同様に)いままで投資財に向かっていた金が貯蓄に向かう。すると当然ながら株が下がる。米国ではこの株価下落は一時的な現象と受け止められ、ドル売りも止まるはずである。そうなれば円買いによる円高も終わる。その時が正念場である。

現在の円高傾向は線香花火のようにパッと最後に散って終わる可能性が高い。それからが急激な円安とそれに引きずられるインフレの加速が始まる時である。


参考:藤巻健史 「日銀破綻」 ・・・
金融トレーダーとしての経験を持つ維新の会・藤巻議員は日銀の破綻は近いと警告する。この本については改めて読了記を記したい。内容的には賛否あるが、現在日本が置かれた危うい状況についての解説は刮目に値する。



 

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