仮想通貨を考える

  • 2019.02.03 Sunday
  • 16:55

国の借金が天文学的なレベルに積み上がっている。政府は日銀を使った出口のない錬金術で資金を捻出し、株価を支えて誤魔化し続けている。

ある時点で日銀が債務超過になれば日銀は倒産し、円の価値は暴落する。そうなれば我々庶民が苦労して働いて貯めた金は一瞬で価値を失う。

そのような中、国会でひとり警告を発し続ける藤巻健史議員はこう呼びかける。

 

貧しくてもきちんとリスクに備えていた人は助かるでしょう。準備してなかった人の生活は地獄でしょう。それはある意味自己責任だと思います。


氏が薦めるリスクへの備えとはドルと仮想通貨の保有である。「とりあえず口座を開設し、小額でもいいから売り買いの練習をしておけ」と説く。

1000も2000もあるといわれる仮想通貨の中で最も有力なのがビットコインである。

ビットコインとは何なのか。まずは知らなければならない。そこで簡単な調査をしてみた。

そこで得られた現時点での結論は、こうである。

ビットコインはカネではない。ビットコインは通貨である。更に言えば、ビットコインはリスクの高い投機対象商品である。知るべきであるが、大きな額を突っ込むべきではない。

カネ=通貨ではないのか?通常はそれでよい。だが違いを理解しなければならない局面がある。例えば、タバコは商品であってカネではない。だが刑務所や捕虜収容所においては通貨となる。

カネであるためには条件がある。一つ、価値の保存機能があること。一つ、交換の媒体となること。一つ、会計の単位となること。タバコはある特殊な状況においては交換媒体となるが、一般社会においては火をつけて煙を吸うものである。

仮想通貨で最有力のビットコインは、少なくとも現時点ではこの3つの条件を一つも満たしていない。過去の上昇と下落の経緯を見れば、価値の保存機能としては最低であると断じざるを得ない。



現在ビットコインを保有している人々の多くは、価値の保存を目的とはしていない。彼らの目的は「利を得ること」である。彼らはビットコインが将来的に値上がりすると踏んで、値上がりした時に売り、代わりに莫大な額の通常貨幣(円やドル)を得ようとしている。実際、世のビットコイン長者はそれに大成功した人々である。そのようなローレックス&ランボルギーニ族を見て「俺も」と後から参加した人達は、ビットコインの価格を押し上げることで長者達の利益を助けはしたものの、彼ら自身はその後の暴落でスッカラカンになっている。

仮想通貨が暴落し大損した話…ヤバいです。。まだ保有中



暴落して大損するようなものは価値の保存には向かないということである。

残念ながら日本ではビットコインで「大儲けした!」か「大損した!」、もしくはビットコインやブロックチェーンの技術を解説したくらいの声しかなく、有効性を判断するに役立つ情報が少ない。

リサーチする中で行きついたのが以下である。

2014 Free Market Forum Panel 1: Bitcoins



ヒルズデール・カレッジは米国では最高位のリベラルアーツ専門の大学であり、政府からの補助を一切受けずに独立性を保っていることで知られている。カネとは何か、通貨とは何か。ビットコインはカネなのか通貨なのか。ビットコインがどのようにして誕生し、発展してきかた。その仕組みはどうなっているのか。技術に詳しくない人間でも分かりやすく解説している。

Is Bitcoin the Future of Money?



ビットコイン是か非かのディベートである。非の立場をとるピーター・シフ氏は投資家としても著述家としても有名であり、オーストリア学派の立場から経済を語る人物である。氏はビットコインを単なる投機対象であると断じる。氏はビットコインを金と比較する。『金はそれ自体に装飾から工業まで様々な用途がある。金だけが持つ輝きと特性がある。それが金の価値を支える。だがビットコインは煎じるところ単なる「ビット」である。その「ビット」を崇める人々がいるというだけのことである。だからこのような激しい上昇と下降があるのだ。マイスペースがフェイスブックにとって代わられたように、いつかはビットコインが更に高機能なものにとって代わられるだけ。実際にビットコインに似たものはどんどん出てきている。ビットコイン自体が供給を制限しても他は制限無しで出てくる。現在のまがいものの貨幣システムを別のデジタル版のまがいもので代替しても意味がない。目指すべきは金本位制への回帰である』と。

Congrats on Reaching a New Level Of STUPID! #BitcoinRant



財産管理の指導者として全米で人気を集めるデイブ・ラムゼーはビットコインをビットコン(詐欺)と断じる。「カネといものは本質的に信用に基づくものである。ビットコインにはこの信用が決定的に欠けている。あるのは先進的でクールだというイメージだけだ」と。この動画では学生ローンで借金してビットコインに投資している学生が増えていることを取り上げ、「超バカ(学生ローンで借金) X 超バカ(ビットコイン購入)= メガトン級バカ」と吐き捨てる。

ところで、ビットコインを是とするほうの意見も傾聴に値する。ビットコイン(及び上位の仮想通貨)が現時点においては他の有象無象の仮想通貨の追随を許さない堅牢さと機能をもっているのは確かであろう。銀行では何日もかかる外国送金が仮想通貨を使えば遥かに低コストで一瞬でできる等、機能面では革命的な可能性を持っていることは間違いない。

ビットコインや有力仮想通貨はカネではない。そして永久にカネにならないかもしれない。だが、将来的に我々の生活を大きく変える革命的な何かをもたらすであろう。

上のヒルズデール大学の講演でも説明されているが、ビットコインは通貨の安定している先進国よりもベネズエラやジンバブエのような破綻した国々で人々の逃げ場になっている。財政的には極めて危ない日本においても何らかの重要な役割を果たすはずである。

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