ドル安
- 2011.07.26 Tuesday
- 22:57
日本の輸出産業が空前の円高に苦しんでいるのに対し、政府が介入すべきという意見がある。 「焼け石に水」と言う言葉あるが、この場合について言えば、「焼け石にレミーマルタン」といったほうが良い。 なぜならば、効果が無い上に、投入するのは税金だからだ。 税金というのは国民が国家に捧げた労働に他ならない。 税金を無駄にするということは、例えば会社のために働いた給料が未払いになるということと同じことである。 普通の人間はそのようなことは許容できないはずである。
国際経済を考えるに日本経済新聞など読んでも無駄である。 読めば読むだけ訳が分からなくなるだけである。 専門家の意見など聞いてもだめである。 聞けば聞くほど訳が分からなくなるだけである。 ならばどうすればよいのか。 心を静めて常識の目を開けばよい。 そうすれば以下のことが自ずから見えてくる。 なぜならば、これは解決は難しいが、実に簡単に理解することができる問題だからだ。
円高円高というがそれは違う。 円が高いのではない。 ドルが安いのだ。 円に対してドルがあまりにも安いから相対的に円が高くなっているだけである。
何故そう言えるのか。 通貨とは、その国の信用である。 その国が、これから発展するだろう、と人々が思えばその国の通貨の価値が上がる。 それを見て投資家がその通貨を買う。 その投資家を見て一般人もその通貨を買う。 そうするとどんどんその通貨の需要が高まる。 需要が高まるとモノの値段が上がるのと同じ原理で通貨は価値が上がる。 その逆に、この国はこれから沈むだろうと思われればその通貨の価値は下落するのである。 投資家も誰もその通貨を持とうとしないからどんどん価値が下がる。
日本の将来は明るいか。 いや、暗い。 とても暗い。 冗談も言えないくらいに暗い。 節電しているから実際よりももっと暗く見える。 そうすると人間の気持ちが暗くなるから本当に暗くなる。 社会福祉に毒され、自虐史観に蝕まれ 環境社会主義運動に乗っ取られた日本の将来が明るいはずがない。
アメリカはどうか。オバマ政権は共産主義社会目指してフルスピードで突っ走っている。 共産主義のソビエト連邦はもう崩壊したのである。 崩壊した社会を目指しているのだから、その将来が明るいはずがない。 日本と比べ、世界に与える影響がより大きなアメリカが崩壊へと向かっているのであるから、ドルが日本円よりも下がるのは当然であろう。
日本の輸出産業がドル安で大打撃をこうむるのは大変気の毒なことである。 しかし、国防をアメリカに託してしまうくらいだから、そのような感覚が失われてしまっているのかもしれないが、本来は日本くらいの経済規模の国家が外需頼みで国内消費が壊滅的というのは情けないことである。
日本がしなければならないことは明白すぎるほど明白である。 責任ある政府をうちたてて経済を解き放つこと。 これだけである。 政府は本来の役割である国防、治安維持、インフラ整備に専念する。 社会福祉を廃してそれに関わる公務員を大削減する。 規制を排して経済活動を自由化すると同時に支出を大削減する。 そうして不要となった財源を減税として国民に大還元する。 とにかく税金の安い規制の少ない社会を目指す。 これをすれば日本が強みを発揮できる産業は戻ってくる。 就業人口が増える。 収入が増える。 税収も増える。 国が豊かになる。
そうすれば輸出が多少へこんでも大したことは無い。 日本の通貨が強ければ、それで海外の原料や商品を安く買えばよい。 海外に旅行して金持ち気分を味わえばよい。
ドル安に対して政府に介入を求めるなどというお呪いを考えてはならない。 もっと真面目に真摯に常識的に考えないといけない。