「所得再分配」という邪教

  • 2012.10.27 Saturday
  • 13:41
 

人々に金を与えれば可処分所得が増える。 すると人々は活発に消費をするようになる。 そこに売買が生まれる。 売った側にも収入が生まれ、可処分所得がどんどん増える。 すると社会の消費活動が活発になる。 これが連鎖活動のようにどんんどん広がっていく。 設備投資が増え、経済全体が活気づき、いつの日か好景気がやってくる。 これが「所得再分配」という邪教の論理である。 ネットで「所得再分配 需要 投資」とでも入れればこの邪教を流布するサイトが沢山出てくる。

 

この邪教は社会に深く根を下ろしている。 これが広く流布されているのは日本だけではない。 アジア諸国、ヨーロッパ諸国、アメリカ大陸世界いたるところでこの邪教が信じられている。 この邪教の最大の問題点は間違っていることであり、人々の心を惑わす邪悪さを持っていることである。 この邪教は実際の事例によっても間違っていることが証明されているが、これが大学や大学院では「経済学」として崇められ、研究され、教えられている。 世界の経済の専門家とされる人間の多くはこの邪教にお墨付きを与えるための研究にせっせと励む人間達である。

 

この邪教の論理の間違いの出発点は、経済の原動力を「人が金を使うこと」としていることである。 経済を発展させるにはとにかく「人に金を使わせ」ればよいと。 この論理を分かりやすく極端な形にするとこうなる。 『群衆が棍棒を手に取り、家々のガラス窓を割って歩けばよい。 車を破壊して歩けばよい。 家々に放火して歩けばよい。 家や車を破壊された人々は家を補修したり立て直してたりするだろう。 車を破壊された人は車を補修したり買い替えたりするだろう。 人々は否応なく消費する。 消費が生まれれば「経済が発展する」  はずではないか?』 『経済発展は暴動から始まる』ということである。

 

実際の世の中はこのように動く。 経済発展は暴動=破壊からではなく、創造と蓄積から始まるのである。 あるAという人物は真面目に働き、倹約につとめ、つつましく暮らし、将来の蓄えとするためにせっせと銀行に預金する。 銀行はその金を使って金を儲けるために金を貸したい。 あるBという人物が創意工夫によって人々に優れた商品を提供し、客を喜ばせている。 彼はその商売を大きくしたい。 そのためには設備投資が必要で、そのためには元手がいる。 Bは金を借りたい。 銀行は金を貸したい。 そこで両者の利害は一致する。 

 

Bは金を借りて設備投資し、事業の規模を拡大する。 土地を買い、工場を建て、設備を購入し、人を雇い、資材を購入し、材料を購入する。 この過程でそれぞれの事業者が利益を得る。 それら事業者の社員が収入を得る。 彼らの家族が生きる糧を得る。 必要なものを買い、残りは将来のために蓄える。 事業が成功すればBは利益を得る。 利子を得た銀行は更に金を貸し付けようとBに対して良い条件を提示する。 Bは更に金を借りて事業を拡大する。 更に多くの人が雇用される。

 

世の中には成功するBもいれば失敗するBもいる。 失敗したBは成功したBの下でAとなって働くも良いし、成功するBを目指して再チャレンジするもよい。 資本主義の社会において富は成功するBに集まる仕組みになっている。 Bとはいわば、勤勉・創意工夫・能力・才能・運といったプロセスによって資源を富へと変換しようとする者である。 最も優れたBは最も多くの富を創出することが出来、最も多くの富(収入・便利さ・楽しさ・安全・安心)を社会に分配することになる。

 

だから、「How an Economy Grows and Why It Crashes」の著者Peter Schiff氏が述べるように、「経済発展は消費によってではなく、貯蓄&投資によって促進される」のである。 貯蓄がなければ投資は生まれない。 人々(上の例で言えば多くのA達)に金をばら撒くだけならそこには消費しか生まれない。 「あぶく銭は身につかず」である。 飲み屋で散在したりパチンコで大枚はたいたり超豪華海外旅行に出かけたり 

 

国家政府による所得再分配は破壊活動である。 それは人々から貯蓄する動機を奪うと同時に投資家達の投資の動機を奪い、富の創出を阻み、真に効率的な富の社会への分配を可能にする活動を壊死させるからである。 人々の生活を支え、豊かにし、便利にし、楽しくし、それを次世代の生活にも引き継いでいくのは経済発展である。 その経済発展を促進するのは創造と蓄積である。 だから経済発展を阻害する活動を正当化しようとする「所得再分配」理論は邪教なのである。

 

 

追記

経済学という学問は本来不要である。 一般社会で生きるに際して学問的経済学(数学やチャートを使ったりする難しそうなやつ)のケの字も知る必要はない。 必要なのは上記に記したような常識だけである。 なぜならば本質的に経済とは人と人との売り買いであり、学問として一般化させ昇華させる必要のない活動だからである。 しかるにマルクス経済学から始まって上記のような邪教を広める輩がいるからには、それに対抗するためには同じ言語を駆使しなければならない。 邪教とそれを広めようとする勢力、それを薄めて浸透させようとする勢力、それを無力化せんとする勢力、それと戦おうとする勢力、これら勢力の争いが今日の経済学の姿である。

 

最後の大統領選討論会・「ロムニー大統領」へ

  • 2012.10.23 Tuesday
  • 14:02
 

 

大統領選最後の討論会が終わった。 ロムニー氏の姿は今まで以上に大統領らしく、オバマ氏の姿は必死にその地位にすがりつこうとする者のようにスクリーンに映った。 ロムニー氏の声は今まで以上に大統領らしく、オバマ氏の声は「大統領をこき下ろそうとする者」のように響いた。 今回の主題は外交であった。 しかし同時に経済でもあった。 そして同時にアメリカはどのような国であるべきか、国の有り方を問う論戦でもあった。 

 

オバマ大統領には誇るべき外交政策も実績も無かった。 そのため大統領は架空の世界を描き出した。 アメリカは今までになく世界で尊敬されているアメリカは世界の同盟国から信頼を得ているアメリカの強さは世界中から認識されている我々はイランの核開発を抑えている我々とイスラエルとの関係は強固であるアルカイダは壊滅した我々は民主主義の側にいる我々の軍事力は今までになく強力である我々は強い軍事力を維持しているロムニー氏は海外に仕事を下請けに出そうとしている...ロムニー氏は自動車産業を破産させようとしているロムニー氏は新技術研究開発の資金を断ち切ろうとしているもっと道路や橋を作ろう アメリカを「前進」させよう

 

ロムニー氏は大統領の座に限りなく近づいている人間らしく振舞った。 本職大統領による個人攻撃をかわし、アメリカと世界の現実の姿、本来あるべき姿、そしてこれから進んでいく道を描き出した。

 

大統領 私への個人攻撃は討論会の議題ではないのですよ

大統領 技術開発への投資と「(特定の)会社への投資」の違い、分かりますか?

大統領 いまだに私の政策内容を一つとして正しく言えないのですね

大統領 貴方は中東諸国歴訪の際イスラエルを飛ばしましたね

大統領 貴方はプーチン大統領に選挙後は柔軟に対応すると約束しましたね

大統領 貴方の外交政策は間違ったシグナルを起こり続けているのです

 

  • 今我々が直面する最大の危機は核開発を進めるイランです
  • そして中東・北アフリカでますます勢いを強めるイスラム過激派です
  • 同盟国イスラエルとの関係は危機に瀕しています
  • アメリカの軍事力は予算削減により弱体化の一途を辿っています
  • アメリカの経済力は弱体化の一途を辿っています
  • 大統領の政策によって、アメリカはギリシャへと向かっているのです
  • イラン・ロシア・中国彼らは我々の姿を見ているのです

 

  • 我々はこの悲惨な4年間をもう繰り返したくないのです
  • 我々は経済復興によって強さを取り戻すのです
  • エネルギー開発減税財政健全化企業活動活性化
  • 企業はアメリカに戻ってくる そしてアメリカ経済は復興するのです
  • 我々には明るい将来があります
  • 私は人々の仕事を取り戻します
  • この国は世界の希望なのです
  • 自由と希望の火なのです
  • 私はその火を掲げるリーダーとなりたい
  • 私はこの偉大な国を導きたい...

 

 

アメリカはこのまま沈むのか。 それとも上昇に向かって動き出すのか。 趨勢は明らかに後者である。

 



討論会映像

 

 

 

ロムニーまたも完勝、そしてメディアの誤報

  • 2012.10.19 Friday
  • 09:41

大統領選・第二回目の討論会ではオバマ大統領が優勢だったとかいう報道があるが、それは左翼メディアの誤報、というか情報操作である。 一般メディアは今回の大統領選挙に対する報道で徹底して左翼性を証明している。 社会は本当の情報を欲しているがこの情報化時代にあってですら本当の情報は希少価値である。 情報を伝えるのは根本的には知性である。 左翼思想と知性は水と油の関係である。 故に左翼メディアが本当の情報を伝えることは、太陽が西から昇るくらいにあり得ない。

 

第二回目の討論会はロムニー候補の完勝であった。 それを説明するにもはや多言を要しない。 大統領候補の討論会は芸能パフォーマンスではない。 喋りや駄洒落や歌や踊りが上手いか下手かを競うものではない。 国家観、思想哲学、実績を基に国家の将来像を描き、国民の信をめぐって双方が火花を散らすのが討論会である。 自由と豊かさを尊ぶ大多数のアメリカ国民の心情からかけ離れた国家観・思想哲学を持ち、後退と惨めさの実績しかない大統領から中身のある言葉が出てこようはずがないのである。

 

オバマ大統領は1回目の討論会とはうって変って攻撃的であった。 しかし現職大統領の風格はみじんも感じることは出来なかった。 対するロムニー氏は大統領の繰り出したパンチをよけて腕をひねりあげるかのように大統領のあがきを抑え、これから大統領になるだろう人物として相応しい重みを見せつつ堂々たる議論の展開を行った。

 

攻撃的であるというのと中身があるというのとは別である。 大統領は中身ではなく嘘のつきまくりで勝負した。 嘘でも何でも言ってしまえばこっちもの、という感じである。 「私の在任中にエネルギー生産量は最大になった 再生可能エネルギーも増やしたが石油や石炭も大幅に増やした私は税金を下げた 私は雇用を作りだした医療保険改革のおかげで人々は安心して暮らせるようになった 」 これら全て嘘である。 嘘も堂々と言い切れば真実になると言わんばかりである。 ロムニー候補はそれに対して事実をぶつけた。 

 

23百万人もの人々が仕事を見つけようともがいてる。 そしてその多くが長いあいだ失業状態にある。 大統領は過去4年間政策を実行してきたが、アメリカは仕事に就けずにいる。 今日の就業者数は大統領が就任した時よりも少ない。 現時点での失業者数が7.8%であれば大統領が就任した時点でも7.8%だった。 しかし(あまりに長きにわたる不況で)就労を諦めた人々も計算に入れれば10.7%になる。 大統領は5百万の雇用を作ったと言うが、事実は5百万の職が失われたのだ。 貧困は広がっている...6人に1人が貧困層だ。 350万もの女性達が貧困に陥っている フードスタンプ受給者は大統領就任時の32百万から47百万に増えた。 経済は時を経るごとに失速している...  

 

減少の一途を辿る連邦所有地での石油・ガス産出。 採掘許可や認可を半分に削減した大統領。 民間の土地での石油採掘を敵視し犯罪者扱いにする大統領の意を受けたEPA(環境庁) 我々の豊富な資源を活用すれば、8年以内に北米のエネルギー独立を果たすことが出来る..  低コストで豊富なエネルギー資源を最大限活用することで製造業を復活させることが出来る

 

ガソリン価格がガロン当たり4ドルにもなる状況について、大統領は奇妙な説明をした。 大統領就任時にガソリンが1.8ドル程度だったのは経済が崩壊寸前だったからなのだと。 現在の価格高騰は現政権の人為的な操作ではなく、「景気回復」によるものだ、と言いたいわけである。 不安定化する生活、下がる収入、上がる生活コストに苦しむ人々にはさぞかし「朗報」だったのではないか。

 

今回の討論会も前回の副大統領候補討論会と同様に左翼の司会者が現職大統領のあからさまな援護に回った。  現政権の政策による増税と財政赤字に対比させ、「減税と税制度簡略化による雇用創出と財政均衡を同時に成し遂げよう」という政策を繰り返し説明するロムニー氏に対してオバマ大統領は「計算に合わない」と反論する。 それに加勢して司会者は「計算は合わないのだから20%減税は見直してはどうか」と吹っかける。 それに対してロムニーは相手がぐうの音も出ない反撃をする。 

 

計算は合うに決まっているではないですか。 私は25年間も企業を経営して財政を均衡させてきたのですよ。 オリンピックを運営して、マサチューセッツ州を運営して、それで財政を均衡させてきたのですよ "計算が合わない"といえば、オバマ大統領こそ"計算に合わない"ことをやっているから5兆ドルもの新たな負債を抱えるわけですよ

 

自分の惨めな実績を棚に上げて相手の政策を「計算に合わない」だの「具体性が無い」だのとつっつくオバマ大統領左翼運動家でしかなかったオバマ大統領の言葉、経験と実績に裏付けられたロムニー氏の言葉、その重みの差は明らかである。

 

オバマ大統領はしきりに「女性の見方」を演出しようとした。 避妊具・避妊薬を保険会社はカバーしなければならないとしたオバマケアを礼賛する一方、ロムニー候補を「女性の敵」とし、「ロムニーは(従業員の医療保険をかける)雇用者に女性が避妊具・避妊薬を入手出来る出来ないの決定権を持つべきだとしている」などという事実無根の誹謗中傷を投げつけた。 医療保険の適用が無かろうが、いまどき避妊具・避妊薬など10ドル以下でどこでも簡単に手に入る。 不況が続く中、間違いないのは男性も女性も生活が困難に陥っているということである。 この事実から目を逸らして避妊具をネタに女性を釣ろうとは、女性の知能レベルを甚だしく馬鹿にした行為である。

 

アメリカ大使らが犠牲になったリビア・ベンガジの事件について話が及んだ。 ベンガジの事件とは、大使らが数か月前からテロの危険性を察知して繰り返し警備増強を求めていたにも関わらず、そのたびに現政権が要請を却下しており、事件の24時間前に具体的な領事館攻撃の情報を入手していたにも関わらず何のアクションも取らなかったことによって起きた事件である。 オバマ政権は自らの不手際をごまかすために、その後何週間も事件をテロリストによるものだと認めず、「反イスラム映画」が引き起こしたものであると至る所で吹聴してきた。 オバマ大統領は司会者の援護を受けるなか意気揚々と嘘を言い放った。 「事件の次の日、私はホワイトハウスからアメリカ国民に向けて事実を明確に伝えた。 事件はテロによるものだと。 彼らを絶対に許さないと

 

現職の大統領が国民注視の中、国家の安全にかかわる問題について嘘を言い放つ。 これ自体が重大な事件である。 当然ロムニー候補は捕まえる。 大統領を見据えて「あなたが今言った『事件の次の日〜』は本当ですか? 本当なのですか? え?」 大統領は明らかにうろたえていた。 「いいから先に進めてください。 スクリプトを見てください」 すかさず司会者が援護に割って入る。 「大統領は確かにそう言いました」と。 大統領は勢いを得たと思ってか「キャンディー(司会者)、もっと声を上げて!」 司会者は更に繰り返す「大統領は確かにそう言いました」 2者が必死になってロムニーを抑えようとしていた。 

 

大統領が実際に事件翌日に述べた「我々はテロに屈しない」は11年前に起きた911を含めたテロを総くくりにして述べたものであって、ベンガジに関してではない。 これは実際の映像(つぎはぎ無しの)を見れば火を見るよりも明らかである。 嘘はつかれてしまった 大統領と司会者によって。 そしてその嘘は未来永劫残ることになる。

 

今回の討論会は「嘘・虚偽・ごまかし・無責任」と「事実・真実・実績・希望」との戦いであった。 オバマ大統領は前者、ロムニー候補は後者であった。 いかに大統領がアグレッシブに嘘を言いきろうが、司会者が割って入ろうが、事実を隠すことはもはや不可能である。 ロムニー氏への支持は確実に広がっている。 オバマ政権の末期は確実に近づいている。



 


"I think the president just said something which which is that on the day after the attack he went into the Rose Garden and said that this was an act of terror"

 

"You said in the Rose Garden the day after the attack, it was an act of terror.  It was not a spontaneous demonstration, is that what you’re saying?"


 

"Please proceed governor"    

"Get the transcript"


 

"It — it — it — he did in fact, sir. So let me — let me call it an act of terror…"


日本のマスコミはこの場面を「ロムニーがやっつけられた」として報道している。 事実は真逆である。 

 

 

討論会映像

 

スクリプト

 

副大統領候補・討論会 ポール・ライアンの絶対的勝利

  • 2012.10.14 Sunday
  • 00:05
 

ケンタッキー州ダンビルで行われた米大統領選副大統領候補のテレビ討論会、その結果はCNNではライアン候補48%、バイデン副大統領44%でややライアンのほうが勝ち、あるいは別の調査ではほぼ引き分け、あるいはバイデン副大統領の勝ち、のようにまちまちである。 だが私はライアン候補の絶対的勝利であると断ずる。 なぜか。 

 

第一、各論においてバイデン氏は嘘に嘘を重ねた。 いまどき映像は即日ユーチューブで世界に流れる。 そして映像は永久に残る。 嘘は即日あるいは数日で明らかとなり、政権終了まで追いかけてくるはずである。

 

第二、左翼の決まり文句と詭弁と嘘を頑迷に繰り返した老いぼれたバイデン氏と、一方、対戦相手、司会者、そして視聴者に対する敬意を最後まで維持し、理路整然と論を進めた若くエネルギーに満ちたライアン氏のコントラストは明白であった。 大統領の次のポストである副大統領としてどちらがふさわしいか、常識の目には明らかである。

 

第三、バイデン氏は司会者のあからさまな援護射撃を受けながら相手を途中で遮ったり嘲笑したりと失礼な言動を繰り返した。 バイデン氏はライアン氏の話を途中で遮ること計82回、司会者がライアン氏の話をさえぎること計32回。 これはもう11の対戦ではない。 21である。 21であるだけではない。 討論会を仕切る司会者が一方に加勢しての対戦である。 その状況でライアン氏は最後まで冷静さと礼儀を保ち続けた。 それでCNNの結果が48-44である。

 

バイデン氏はリビアのベンガジで起きた米領事館襲撃に関して致命的な嘘をついた。 この事件でクリストファー・スティーブンス大使以下アメリカ人4名が犠牲になった(テロリストにより惨殺された)。 911日、つい先月の出来事である。 

 

バイデン氏『特に特別な警備が必要だとは我々は聞いていなかったのですよ。 より厳重な警備を付けてほしいという希望があったということもその時は知らなかったのです。 情報機関からも(必要ない)と聞いていたし。 情報機関はその後で見解を変えたようだけど

 

またバイデン氏は、オバマ政権の外交政策を国民の安全を脅かすものとして断罪するライアン氏に対してこう明言した。 『たわ言ばっかりいいやがって全部出まかせだまず、(ライアンは)領事館警備について説教垂れてるけど、ここにいる議員さん(ライアン)は海外大使館「警備の」経費予算を3億ドルもカットした張本人だよ。 警備だなどと、よく言うよ

 

今回の討論会と時を同じくして連邦議会の公聴会が開かれ、国務省高官に対する聞き取りが行われた。 そこで2名の高官が証言した。 「我々は(数か月前から)何度も警備増強の要請を受けたが全て拒否してきた」と。 また、「予算がカットされたから警備を増強しなかったのですか?」という質問に対し、高官の一人であるシャーリーン・ラムは明言している。 「いいえ、違います」と。 ライアン氏が述べているとおり、遥かに安全なフランスのパリで海兵部隊が大使を守っているのである。 予算が足りない、などということがあるわけがない。

 

911日はアメリカ国民にとって忘れられない日である。 その日に何かが起こる可能性が高いことは政府高官でなくとも分かる。 きな臭い動きを見せる中東やアフリカのイスラム圏では特にである。 しかも数か月前から再三にわたって警備増強の要請があったにも関わらず。 オバマ政権はもみ消しに血道をあげている。 7月からネットに流れている「反イスラム?映画」がこの事件を引き起こしたのだと。 あろうことか自分の責任を棚に上げてロムニー・ライアン陣営を「この悲劇に乗じて政治的ポイントを稼ごうとしている」などと非難する始末。 ところでこの「映画」は僅か14分ほどの他愛もない駄作である。

 

討論におけるバイデン副大統領の態度は最悪の一言である。 映像と画像で見ていくのが分かりやすい。


 

防衛について(中東情勢に関連して)

ライアン候補『破滅的な防衛能力カットを行うべきではない。 なぜならば我々が自らの価値感について言葉を濁すとき、防衛能力削減を行うとき、我々の安全は脅かされるからです。 その姿勢は弱さを伝えます。 そして我々が弱く見えるとき、敵は我々を試そうとします

 

馬鹿にしきってにやけた顔のバイデン副大統領今も兵士達が命を懸けて戦っているのだが

 

ライアン候補『いいですか、(ベンガジ事件がおきたのは)9.11です。 リビアはアルカイダがいることは周知の事実でした。 北アフリカ一帯でアルカイダとその一味が増長していたことは皆知っていました。 そして我々はベンガジの大使に海兵隊警備を付けなかった!?

 

 

イラン情勢について

ライアン候補『2年間もの間、イランは現政権が制裁内容を薄めてきたのを見ていたその間彼らは核開発に邁進しててきた。 イランは現政権がイスラエルと距離を置くのを見ていたネタニヤフ首相がニューヨークを訪問したとき大統領は彼と会うのを断ってテレビのお笑いショーに出ていた彼らは全く考えを変えていないのです。 彼らの気を変えさせる...それがロムニー・ライアン政権のやろうとしていることなのです。 そして彼らは(司会者に遮られる)』

 


馬鹿にしたように嘲笑するバイデン副大統領  同盟国イスラエルにとって存亡に関わる問題なのだが

 


司会者が割って入り
で? で? どうやってそんな早くできるんですか? ネタニヤフ首相はこのあいだ発表しましたが4月が限度だと... あなた方が政権を取ったらそんなに早く解決できるんですか?

 

ライアン氏が核心をつくたびに司会者は『でも!これはどうなんですか? あれはどうなんですか?』、もしくは『さっ!ではこの話題に移りましょう!』といって邪魔をする。 副大統領がいきなり割って入っても注意もしない。

 


ライアン氏が話している途中でいきなり割って入る副大統領

 


司会者はそのまま副大統領がしゃべり続けるのを許し



ライアン氏の順番になるとクスクス笑いをしたり「何いってやんだ」「勘弁してくれよ」などと呟く

 

38:46 ライアン氏 メディケア(高齢者医療保険)について 

今この制度を改革しなければ、今の高齢者たちが支給カットされるのです...

 


真剣に論を進めるライアン氏を馬鹿にしたように天を仰ぐバイデン副大統領



ライアン氏 巨額公的資金による景気対策について

国民の税金をフィンランドの電気自動車へ、中国の風力発電へ注入するのはいかがなものですか? 中国から借金した金を様々な利害関係者にばらまくのはいかがなものですか? 公約していた5百万のグリーン・ジョブはどうなったのですか...』(司会者がすかさず割って入り話題を逸らす)

 



バイデン氏を見据えて問い詰めるライアン氏



後半になるとすっかりエネルギーを消耗し、消沈した話しぶりになるバイデン副大統領

 


しかし敬意をもって話に耳を傾けるライアン氏

 


ライアン氏 税制について

私たちはの税制改革計画の大前提は景気拡大と雇用増大なのです。 それにより7百万の雇用が創出されると予想されています。 個人と企業から28%の税金をもらえば十分です。 大統領は44.8%の税率が妥当という。 年収25万ドルの個人や企業が100%課税されたとしてもせいぜい政府は98日しか動けません。 納税者が昨年倍払っていたとしても、3千億ドルの赤字なのです。 「金持ち」にどれだけ課税しても支出を補うのは無理なのです。 だから、「金持ちから取れ」という言葉を聞いたら、それは「自分が課税される」ということなのです  私の出身地に近いカナダの州では税率を15%に落としています。 世界でも一般的には25%前後です。 しかし大統領は40%まで上げようとしている 雇用の2分の3は中小企業が創出します。 実際の税率は53%にもなり、71万もの雇用喪失につながります。 そして、増税によっても赤字の10%しか賄えない私たちが提唱しているのは、税率を全面的に下げると同時に特に高所得者の抜け道をふさぐ 赤字を増やすな、中間層の税金を上げるな、高所得者の税率を下げるな...という3つの柱なのです

 

ライアン氏が喋る途中で左翼の司会者は意地悪く邪魔をする(役割は司会なのか、それとも一緒に論戦しているのか?)。 『あなたはずうっと、その、20パーセントの減税について「具体的な」説明を拒否していますよね あるんですか? 具体的な政策が それとも未だに「考え中」なんですかねぇだから有権者にそれが言えないんですかねぇ? 分かってますか? 自分が何をやっているか?

 

ライアン氏はそれでも根気強く説明する。 『私たちがやろうとしているのは「枠組み」を作ること。 そしてかつてレーガン大統領がオニール議長と協働して成し遂げたようにその枠組みの中で議会の両党派の合意を目指したいのです』 左翼というのは独裁者に抵抗が無いのでこのようなことを言われても全然ピンとこないに違いない。 あるいは自分の気にいらない意見は全て「具体性が無い」か「突拍子もない」か「極悪非道」になってしまうのであろう。

 

 

アフガニスタンについて

司会者の「なぜあなた方はアフガニスタンに居続けたいのですか?」という意地悪な質問に対しライアン氏が答える。 『2014年に撤退をさせたい。 しかし成功させなければならない。 そのためには撤退の日を設定して発表するのは間違い。 敵のカレンダーに印をつけてあげるようなものです』(司会者は執拗に『でも撤退するんですよね? 時期を決めなきゃ分からないじゃないですか!』と食い下がる) 

 

いつ撤退します、といいながら戦う戦争は無い。 相手に勝って目的を達したら適切な段階を経て撤退するのである。 常識的な人間であれば分かるはずである。

 


最終弁論 バイデン副大統領 なぜかすっかり沈んだ雰囲気で時折司会者に目をやりつつ喋る

 


最終弁論 ライアン候補 カメラを直視し国民に語りかける

 


明白な選択です。 一方は停滞する経済による更なる政府への依存、一方はダイナミックに成長する経済による機会と雇用の促進。 ロムニーと私は困難から逃げない。 そして4年間他者に責任を転嫁することはしない。 私たちは責任を負う。 そして建国の理念を守る。 私たちは建国の理念を再び適用する明白な選択です。 そしてこの選択はあなた方次第です。 投票をお願いします。 ありがとうござます


傲岸不遜と後退と惨めさ...
謙虚さと前進と繁栄...
明白な選択である。


 

参考

 

Raddatz white house connection

 

unemployment rate in Biden’s hometown

 

Biden makes liars out

 

Biden Interrupted Ryan 82 Times

児童労働と希望ある社会

  • 2012.10.09 Tuesday
  • 00:16
 

児童労働は悪いものである、と多くの人々が信じている。 酷いものであり、汚いものであり、そして不道徳なものであると。 邪悪な大人が年端もいかない少年や少女を無理やり働かせ、利益を掠め取る。 子供たちから学校で学ぶ機会を奪い、無知なままにして一生奴隷のようにこき使う。 それが児童労働であると。

 

児童労働の撤廃に向けて取り組む国際機関がある。 ILO-International Labor Organization(国際労働機関)という組織である。 この機関のウェブサイトにはその起源が説明されている。 

 

The ILO was created in 1919, as part of the Treaty of Versailles that ended World War I, to reflect the belief that universal and lasting peace can be accomplished only if it is based on social justice. 「世界的な永続的な平和は社会的正義を基礎としてのみ確立することが出来るという世の機運を背景に設立された」 

 

社会的正義という言葉は社会主義とそのまま置き換えることが出来る。 社会的正義とは左翼が考案した一種のまやかし言葉である。 なぜならば、そもそもが「正義」には社会的も国家的も地域的も個人的もへったくれもないからである。 正義とは、時には個人の利益に反することがあろうとも良き行いを追求する、ということである。 常に他者あるいは外界との関わりの中で問われる概念である。 自分一人だけが存在する中での正義など有り得ようか。 否応なく社会性を帯びる。 社会的などと言うまでもなく、この世にあるのは「正義」のみである。

 

このILOという社会主義組織が撤廃せんとする「児童」労働とは何なのか。 かつて「児童」労働が当たり前だった時代、社会には希望があった。 かつて「児童」労働が当たり前だった時代、社会は明るかった。 かつて「児童」労働が当たり前だった時代、社会には活気があった。 なぜか。 それは「児童」労働こそが、児童が児童から大人へと脱皮することを助け、自由と富を得ることを助け、そして自信と自尊心を得ることを助けてきたからに他ならない。

 

本田宗一郎知らぬ人なき立志伝中のこの人物は小学校卒である。 小学校を卒業するとすぐにアート技研という会社に入社し、その後ホンダを創立、巨大な産業へと押し上げた。 

 

松下幸之助この人の名前を知らぬ人もいない。 この人物は小学校中退である。 9歳で丁稚奉公に出て様々な仕事を経験し、パナソニックの前身である松下電器を創立した。 

 

ホンダもパナソニックも何万何十万何百万という雇用を作り出し、社員とその家族、株主とその家族、取引先社員とその家族が生活をするための収入を与え続けている。 彼らは我々消費者にとってみれば高性能で便利で長持ちする製品を安く提供してくれるありがたい存在である。

 

両者とも、幼い時分から仕事の現場に出た。 非常に若くして責任を負った。 彼らはいわゆる良い子ではないし、いわゆる秀才でない。 いわゆる良い家の出でもない。 貧しくても額に汗して手を汚して働く親の姿を見る。 そして自分も一緒になって働く。 あるいはほっぽり出されて他人とまみえて働く。 金を稼ぐことの大変さを知る。 同時に若くしてスキルを身につける。 頭を使い気を使うことを知る

 

彼らの出自を眺めて気づくのは、あの時代だからこそ「こんな生き方が許された」という事実である。 学校へ行けなくても、行きたくなくても、行かなくても、生きる道があった飛び抜ける道があった飛躍への、卓越への道があった 誰でも出来るわけではない。 一握りの人間にしかできない業を為し、そして多くの人々に恩恵をもたらした。 それが彼らの偉大性である。

 

しかし、もしも「児童労働禁止… 14歳以上は働いてはならない 14歳以上18歳以下の”若年”労働者にはこれこれの事をさせてはならない 雇用する場合はこれこれの条件が必要である」という社会であったならばそこには本田宗一郎や松下幸之助は出でなかったに違いない。

 

日本は今消滅に向っている。 不況と弱体化と少子化と...。 年間3万人もの人々が自ら命を絶つ。 厳しい社会に出るよりも生活保護をもらった方がいい... この流れを断ち切る策はあるのか。 「具体的な政策」が好きな左翼にはこのように答えればよいそれは「児童労働禁止の撤廃」であると。 

 

それ自体がマジックを起こすのではない。 そうではなく、「お子様の権利」という左翼がこよなく愛する概念を木端微塵に打ち砕くことに意味があるのである。 子供は働けないのだ、という通念をぶち壊すことに意味があるのである。 そして社会を希望で満たすことに意味があるのである。 学校で勉強も運動も全然ダメなら全部ダメ、という通念をぶち壊し、そうじゃないのだと、生きる道は星の数ほどあるのだと。 学が無くとも金が無くともあれが無くともこれが無くとも何が無くとも...世の中やればなんとかなるのだと...

 

 

参考:

 

社会主義インターナショナルと国際労働機関

 

国際労働機関(ILO)とは

 

国際労働機関を基礎とする国際基準SA8000

 

SA8000 Standard

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