金持ち、利益、そして我々庶民

  • 2014.07.28 Monday
  • 01:23
 

ふとしたきっかけで、ある方とツイッターでやりとりをすることになった。 どうやら私とは意見が180度異なるようである。 しかし、その方とは理性的で落ち着いたやりとりをすることができた。 意見の相違にも関わらず、その方は話を逸らしたり、罵詈雑言を発したり、あるいは難しい用語を振り回して威嚇したりすることもなく、平易な言葉で淡々と自説あるいは疑問を述べられたからである。 これは、珍しいことであり、新鮮な感覚を覚えたものである。

 

その方のプロフィールから、その方がブログをやっていることを知った。 ページに入ってみると、一つの記事が目に留まった。 

 

お金持ちにもほどがある 「この世界において金持ちはとことん金持ちである。 しかし同時に食うや食わずの人もいる。 この不公平を解消するため、個人が保有する資産や一定期間稼ぐ金額に上限を設けてはどうだろうか。 それによって、極端なお金持ちも極端な貧乏人も存在しない社会が実現するのではないか」 

 

大まかにはこのような趣旨である。 この記事の最後に、このアイデアを実現するために問題点があれば意見がもらいたいと書かれていたので意見を書くことにした。 書き始めたらいつの間にか結構な長さになっていた。 せっかくなので当ブログに掲載することにする。

 

--------------------------------------------------------------------------------

 

ここのところ、ツイッターで何度かやり取りをしています、@CBJapan1です。 貴ブログ記事を拝見したので意見を述べたいと思います。

 

「人の収入上限を決めてしまい、世の中をもっと公平にしよう」 これは大変興味深いお考えなのですが、いくつか重大な問題があります。我々の生活を豊かにしてきた進歩が止まり、急激な後退が始まります。そしてその後には悲劇がやってきます。

 

利益というものは、一般には「儲け主義、守銭奴、がめつい、ピンハネ、不当」みたいな悪い印象がまかり通っていますが、実は大変重要、かつ有用、かつ必要不可欠な役割を果たします。これが → http://bit.ly/1nEgpbf その役割です。利益があるから進歩があり、幸福がある。利益がなければ進歩はなく、後退と惨めさがあるのみ、と言っても過言ではありません。

 

金持ちがドデカい成功を収め、ドデカい富を得、絢爛豪華なるその世界を我々庶民に見せつけてくれればくれるほどに、「俺だっていつか!」と野心を燃えたぎらせる人間が沢山出てくる。しかし、いつの世でも成功者はごく一部です。ビル・ゲイツもスティーブ・ジョブズも何十万人もの野心家達の中のごく一部です。ゆえに、比率から言って「野心を燃えたぎらせる人間」が多ければ多いほどに成功者は多くなり、少なければ少ないほど、成功者は少なくなります。

 

成功の影には運あり才あり努力あり。成功の影には惨めな失敗がゴマンとあり。しかし彼ら挑戦者を突き動かすのはのは何かといえば、それは他人のドデカい成功とそれがもたらす豊かさ、名声、充足感に他ならないわけです。

 

成功者は何をもたらすか。我々庶民の生活に便利さと豊かさをもたらします。アイフォン一つで何でも出来る。それはわずか数十年前には考えられもしなかった便利さです。

 

ちょっと待て!それはきちんと努力をして、有用な商品やサービスを実現した人について言えることだろうが!最初から金持ちの家に生まれるだとか、生まれながらに容姿に恵まれてテレビに引っ張りだこだとか、何の努力もしていない奴が金持ちでいられるなんて不公平だろうが!

 

実は、そうでもないのです。ここにも書きましたが → http://bit.ly/1A61ydW 今我々が普通に使っているモノは、数十年前は一部の金持ちだけに手の届く「贅沢品」でした。今は誰でも持っている携帯電話もノートパソコンも、はたまた海外旅行も、昔は一部の金持ちだけが持つ、あるいは、することが出来た、「金持ちのおもちゃ」だったわけです。彼らが大枚をはたいて「金持ちのおもちゃ」を買い、試し、不要と判断されたものは廃れ、有用と判断されたものは改良が加えられ、それを見た小金持ちが背伸びしてそれを買い、そうこうするうちに購入量が増え(需要曲線が右にシフトし)、それを見た製造会社は生産キャパを増設して供給を増やし、そのうちに価格が下がりそして今、我々庶民が持てる道具となったと。

 

アイフォンという商品が一つあるお陰で、その原材料、資材、製造、保管、物流、販売、修理にいたる様々な分野で雇用が生まれます。これら様々な事業所に出前するベントー屋もヤクルトおばさんも儲かります。彼らが仕事の後で一杯やる居酒屋も儲かります。居酒屋に納品するビール会社も、ビール会社に納品するヒャクショーも、サカナを供給するサカナ屋も、サカナ屋に供給する漁師さんも、皆儲かります。

 

これは利益の上限が決められておらず、成功すれば成功するほどに青天井の儲け放題だからこそ実現していることであって、利益の上限を誰かが恣意的に決めることで何が起こるかといえば、「挑戦する動機の消滅」に他ならないわけです。上限が決められてしまっていれば、何もシャカリキになって挑戦することはないわけで、「まあ、俺の人生こんなもんだ、頑張ってもしゃあない、適当にやろうぜ」と(そういう生き方が悪いとは言っておらず、それもアリです)。

 

と同時に、現在の成功者がどういう行動に出るかというと、「守り」に走ります。いままでは儲けに儲けられた。既に自分は自分の努力・運・才覚の成果を摘み取った。しかしこれからは時代が違う。儲けたいほど儲けられる時代は終わった。今までは、儲けた金を投資して、更に金を増やすことを繰り返してきた。それは終わりにしなければいけない。今ある金をいかに守るかが大事だすると、新たに事業を起こしたいと思う人がいても、その人に投資しようとする人がいなくなります。新たな投資は減少し、雇用の伸びは止ります。

 

さらに、「この様子だと、下手をすると今まで儲けた金を過去に遡って徴収されかねないゾ」となり、金持ちの海外逃亡が始まります。これは架空の物語ではなく、実際に世界各地で起きている実話です。フランスではつい最近、大富豪がロシアに移住・帰化してニュースになりました。

 

金持ちが投資をするのをやめ、さらに逃亡すれば、イの一番にあおりを食うのは誰か。他でもない、ベントー屋さん、ヤクルトおばさん、そして居酒屋です。そして、その影響は徐々に徐々に広がり、会社員・サラリーマンとして何となくミドルクラスを意識している大多数の人々にも大波が押し寄せる。そのときにはもう手遅れです。我々の多くが困難に直面することになりますが、貧困者や弱者こそが最も手痛いダメージを被ります。

 

人の収入上限を決めよう。それは決して不可能ではありません。過去にそれは実践されました。ソ連をはじめとする共産圏の各国でそれが大々的に行われました。スラブ系、ラテン系、中央アジア系、中華系、朝鮮系、南アジア系、それぞれの土地柄・民族性でスタイルは異なりますが、一つ共通することがあります。それは「人の収入上限を決める」には非常に強大な中央集権体制を必要とし、権力の集権化と集権化された権力の行使において、生の暴力が使われてきたという事実です。

 

「人の収入上限を決め」る過程で多くの人命が失われました。 共産主義の犠牲者は1億人以上といわれています → http://bit.ly/1nEgITB

 

我々は、果たしてこの実験を繰り返す必要が、あるのでしょうか。そして、繰り返してよいのでしょうか。

パレスチナとは、イスラエルとは… 民族差別の欺瞞を正す

  • 2014.07.27 Sunday
  • 02:01

イスラエルは人工国家... イスラエルは「パレスチナ人の意思を無視して人工的に作られた」というまことしやかな欺瞞が流布されている。 イスラエルが人工国家だというのであれば、他の周辺国は「自然国家」だというのであろうか。 サウジアラビアは有史以来サウジアラビアだったのか? イラクは有史以来イラクだったか? ヨルダンは? シリアは? UAEは? カタールは?

 

イスラエルが建国される前のパレスチナはイギリス統治領だった。 イギリス統治領となる前、そこはオスマントルコだった。 オスマントルコとなる前、そこはビザンツ帝国(東ローマ帝国)だった。 ビザンツ帝国となる前、そこはローマ帝国だった。 ローマ帝国となる前、そこはペルシア帝国だった。 ペルシャ帝国となる前、そこはユダヤ人の国、イスラエル王国であり、ユダ王国であった。

 

サウジアラビア、イラク、ヨルダン、シリア、レバノン、エジプトといった中東諸国、そしてギリシャ、アルバニア、ブルガリア、旧ユーゴ諸国、ルーマニアこれらの国々が建国される前、そこはオスマントルコだった。 UAE、オマーン、イエメン、カタールといった国々も一時期オスマントルコの支配下あるいは影響下に入った。

 

サウジアラビアも、イラクも、ヨルダンも、シリアも、第一次世界大戦でオスマントルコ帝国が大英帝国に崩壊させられた後で、ヨーロッパ列強によってまっすぐな国境線が引かれて独立したのである。

 

さて、サウジアラビアには古来からサウジアラビア民族が住んでいたのか? イラクには古来からイラク民族が住んでいたのか? ヨルダンには古来からヨルダン民族が住んでいたのか? シリアには古来からシリア民族が住んでいたのか? UAEには古来からUAE民族が住んでいたのか? カタールには古来からカタール民族が住んでいたのか?

 

それらの土地にはサウジアラビア民族もイラク民族もヨルダン民族もシリア民族もUAE民族もカタール民族もなく、ただ、「アラブ人」がいただけである。 そして彼らが話していたのはアラビア語、あるいは、それぞれの土地のアラビア語方言である。 彼らアラブ人は、長い長いオスマントルコ帝国時代、トルコ民族に支配されていたのである。 その前はローマ人が支配し、その前はペルシャ人が支配し

 

年表

 

 

今イスラエルがある地域は古来からパレスチナと呼ばれているが、そこにパレスチナという国があったわけでもなければパレスチナ人という民族がいたわけでもない。 歴史をたどっても「パレスチナ帝国」だとか「パレスチナ王国」だとか「パレスチナ朝」だとか、 そんなものがあったためしは無い。 パレスチナの地は、ユダヤ人が独立国家を失い、多くの同胞がディアスポラで散り散りになったあとも、少数のユダヤ人が営々とアイデンティティーをもって生き続けた土地である。

 

イスラエル国が建国される以前、パレスチナ人といえばそこに住むユダヤ人のことであった。 現在「パレスチナ人」と呼ばれる人々が「パレスチナ人」となったのは、イスラエルが建国されてからであり、そのアイデンティティーが捏造されてからである。

 

現在イスラエルがあるパレスチナという地域に世界中に散ったユダヤ人による帰郷運動が起きたとき、その土地はゴツゴツとした岩だらけの人影もまばらな誰も見向きもせぬ不毛の土地であった。 1867年にパレスチナを訪れたマーク・トウェインは「陰鬱、不毛、醜悪植物は育たず、これといったものは何も無く、絶望的に意気消沈した、退屈で、荒涼として、心も打ち砕かれる土地」と表現した。 よその土地を訪れておいて、そこまで徹底的にこき下ろすか、とも思うが。

 

帰郷したユダヤ人は乾いた土地に水を引き、耕し、木を植え、作物を育て、家畜を育て、血と汗と涙で生命を吹き込んでいった。 ユダヤ人が土地を切り開き、産業を起こし、経済を立ち上げると、それを目当てに流れてきたが周辺のアラブ人であった。 彼らは主として現在でいうエジプトとヨルダンからやってきた。 エジプトからやってきたアラブ人が後年「ガザのパレスチナ難民」に、ヨルダンからやってきたアラブ人が「ヨルダン川西岸地区のパレスチナ難民」となったのである。

 

1948年、イスラエルが建国を宣言すると、周辺のアラブ諸国は彼らアラブ人に呼びかける。  「圧倒的なアラブの軍事力でユダヤ人を殲滅する一旦イスラエルから出なさい」それを聞いたアラブ人は一部の除いて多数がその言葉に従いイスラエルから出た。

 

現在パレスチナ人(あるいはパレスチナ難民)と呼ばれているのは彼ら「イスラエルから出て行った人々」である。 さて、イスラエルが建国された前後、アラブの国々に沢山のユダヤ人が住んでいた。 彼らはどうなったか。 彼らの多くはユダヤ人であるという理由で家を壊され、住む土地を追われ、命からがらイスラエル(及び欧米諸国へ)へ逃れた。

 

イスラエル国は彼らイスラエルに逃れたユダヤ人をイスラエル市民として吸収した。 イスラエルは彼らを「ユダヤ難民」などとは呼ばず、「ユダヤ解放人民戦線」や「ユダヤ解放機構(JLO?)」などというテロ組織も作らず、彼らに市民権を与え、住居を与え、教育し、イスラエル人として受け入れたのである。 なお、イスラエルはエチオピアからもユダヤ人を大量に受け入れている(生存の危機にあった彼らを救出した)。 同じユダヤ人とはいえ、文化風習の異なった彼らエチオピア系ユダヤ人を血の滲む努力でイスラエル社会の成員として迎え入れた


反面、アラブ側はどうしたか。 周辺アラブ諸国は彼らの同胞である「彼らの言葉に従ってイスラエルから出たアラブ人」を吸収しなかった。 周辺アラブ諸国はこれらアラブ人に国籍も市民権も与えなかった。 彼らはイスラエルから出たアラブ人に「パレスチナ難民」という称号を与えた。 そして「パレスチナ難民」は、憎きユダヤ人の国家であるイスラエルを殲滅する道具として、それから長い間(今にいたるまで)使われる運命となったのである。 パレスチナ解放機構(PLO)はイスラエル殲滅のために作られたテロ組織である。

 

中東から中央アジアの地図を眺めてみればよい。 第一次世界大戦から第二次世界大戦を経て、イスラエルを含めて、エジプト、サウジ、イエメン、UAE、オマーン、カタール、レバノン、シリア、イラク、イラン、インド、パキスタン、アフガニスタン等多くの国々が誕生した。 これらの国々の建国に際し、ユダヤ人を含め、多くの人々が民族や宗教の違いが理由で住む場所を追われ、破壊、略奪、虐殺の憂き目にあった。 彼ら一つ一つの民族が苦く暗く惨めな記憶を持つ。


 

そんな中で、たった一つの民族・国家が「侵略者」と呼ばれている。 それがユダヤ人であり、イスラエル国である。 明らかなる人種・民族差別である。 皮肉なのは、この日本において、この差別を日々叫んでいるのが他でもなく、世の「声高に差別の撤廃を訴える人々」だという事実である。 そしてこの人種・民族差別の毒はネトウヨ経由で保守を自称する人々の間でも蔓延している。

 

例えば、どこか遠い国の人々から「なぜ日本人は韓国の領土である竹島を自分の国だなんて言うのだ」「なぜ日本人は既にロシア人の土地となった北の島を自国の領土だと言い張るのだ」「日本人はいい加減大人になったらどうか」などといちゃもんをつけられたらどう感じるか。

 

「パレスチナ問題の発端は、もともとパレスチナ人の土地にユダヤ人が流れ込んできてユダヤ人の国を作ったことにある」という事実無根で無知蒙昧な言説の背景にあるのは、それと全く同じ精神性である。

 

一つの民族が憎しみの矛先を向けられ、絶滅を目的に収容所へ送られたホロコーストの悲劇から我々は何を学んだのだろうか。 あの悲劇はユダヤ人だけの経験ではなく人類の経験であった。 社会とメディアのイスラエルへの怒りと憎しみは、我々があの時点から前進していないだけでなく、後退すらしている現実を浮き彫りにしている。

 

善悪を知らぬ社会はモラル無き社会である。 正しさを認識できぬ社会は愚かなる社会である。 モラル無き愚かな社会は持続することができない。 イスラエルを支持するか否かによって、我々の善悪正誤を認識する能力が、ゆえにモラルある社会として存続しつづける能力があるか否かが、問われているのである。

 

 

追記:

カナダのハーパー首相はイスラエルを叩くアメリカや欧州を含む国際社会を糾弾し、イスラエル支持の明確な姿勢を打ち出した。カナダは世界における正しさの源泉となりつつある。「イスラエル」は単なる国名ではない。それは、その者が善であるか悪であるかを明確に識別するための踏み絵である。

 

古き日のパレスチナの写真

http://www.eretzyisroel.org/~dhershkowitz/index2.html

http://kiranasis.blogspot.com/2014/07/israel-and-palestine-issue-what-indians.html

 

 

トニー・アボット豪首相による日本軍の誇り賞賛に応える

  • 2014.07.23 Wednesday
  • 00:00

7月8日、安倍首相が訪問した先のオーストラリア議会にてトニー・アボット首相が安倍首相を迎える演説を行った。 その中の一節が物議を呼んでいる。

 

“We admired the skill and the sense of honour that they brought to their task although we disagreed with what they did. Perhaps we grasped, even then, that with a change of heart the fiercest of opponents could be the best of friends”

 

「我々は、彼ら日本軍の行為には反対したものの、彼らが任務遂行に際して示した技術と誇りを賞賛した。 恐らくは、あのようなときにおいても、最大の敵も心変われば最大の友人となりえることを、我々は理解したのであろう」

 

アボット首相のこのコメントに対し、オーストラリア内外から右からも左からも非難の声が上がっている。 左は放っておくとして、問題は右である。

 

ジャーナリズムに新風を吹き込んだものの43歳の若さでこの世を去った保守の英雄、アンドリュー・ブライトバートが立ち上げたニュースサイト、Breitbart Newsにて、早速この発言をなじるコラムが掲載された。

 

記事を書いたJarrett Stepmanはイの一番に中国の反応を挙げ、このように書いている。 

 

「この発言は中国から即座に非難を浴びた。 中国外交部のホン・レイは言う。 『日本のファシストの侵略者は非常に残虐で、中国ならびに多くの国々に筆舌に尽くしがたい苦しみを与えた』と。 一体アボット首相は非道な日本軍によって虐待され惨殺された連合軍捕虜の苦しみを難だと思っているのか。 日本軍の酷さはナチス・ドイツの比ではなかった。 日本との友好は良いが、犠牲者の心証も配慮すべきだ」

 

英語圏の保守層に読まれているこのニュースサイトのこの記事のコメント欄には早速以下のような内容のコメントが並んだ。

 

女性を強制連行して性奴隷にし、それを慰安婦と呼ぶのがジャップの「栄誉」だ。 無抵抗で罪の無い非武装の男性、女性、子供を銃剣で突き殺すのがジャップの「スキル」だ。 奴らのPOW(戦争捕虜)の扱いの酷さは言語道断だ。 こんな奴らを褒めるアボットはバカだ。

 

『日本人は今はおとなしいふりをしているが、その実、やつらの数世代前は凶暴なサルだったのだ。 その凶暴なサルも我々が余計な情けをかけずに大都市を焼夷弾で焼き払い、広島・長崎をニュークして(原爆を落として)ようやっとおとなしくなったのだ。 中国の脅威があるから、奴らにもちょっとは武器を与えてやらねばならないが、奴らがもともとは理性というものを持たない獰猛なサルであることは忘れてはならない』

 

残念ながら、これがいまだにアメリカの保守の多くが抱く日本人像である。 それ以外では非常に開明的で正しいことを言うデニス・プレーガーやマーク・レビンといった人々も大方同じである。 それは非常に残念なことであると同時に我々の恥である。

 

彼らに対する恥ではない。 我々の先人に対する恥だと言っているのである。 彼らアメリカの保守は我々日本の保守と基本的な考え方を同じくする同志である。 彼らの精神性も行動も、同じアメリカ人のリベラルよりも、よほど我々に近いと考えて間違いない。

 

「来たときよりも、きれいにして帰りましょう」


どこかで聞いたような言葉ではないか。 アメリカ、ティーパーティーの集会ではこれが実践されている。 リベラルが賞賛した「占拠せよ!」運動はどうだったか。 ゴミは散らかすは、大小便は垂れ流すは、器物破壊はするは、まるでサルである(レイプも多発)。

 

私は彼らコメント主全員に対し、日本側の立場を正当化する主張を行った。 日米戦争に始まる連合国との戦争は日本が仕掛けたものではなく、スターリンの謀略によってアメリカが始めたものであったこと。 当時のアメリカ政府へのソ連の影響力の浸透は疑うべくもないこと。 日本が1930年代にいきなり中国を侵略したのではなく、日清・日露戦争にまで遡る権益の保護、そして共産主義の拡大防止という側面があったこと。 従軍慰安婦は連合国も利用したもので、強制ではなかったということ。 当時の日本軍の軍律は世界最高水準であり、日英同盟が締結されたのはまさにそれがきっかけであったこと。 日本軍が非道だったのではなく、戦争とは非情なビジネスであるということ。 一旦戦争が始まったら勝つために何でもアリなこと。 そのためには原爆もアリであり、日本は謝罪など求めておらず、我々も謝罪などする意思は一切ないこと。 今、我々は友人であり、ロシア、中国といった脅威に対して手を取り合って対抗していかなければならないこと。

 

時には単刀直入に事実をぶつけ、 時には歴史的背景を淡々と説明し、時には相手の懐に入り...

 

彼らも戦勝国の人間として、「そうだったんですか。 それは知りませんでした。 悪かったです」とは口が裂けても言わない。 こちらが「お前、議論に負けてるだろ。 素直に認めろ」と言っても絶対に認めない。 そこまではこちらも求めることは無い。 自国には自国の歴史がある。 自分は自国の歴史を守らなければならない。 それでよいのである。 8割がたの同意に到達すれば。

 

結果として、彼らコメント主の数名とは8割の合意に達することが出来た。 中には分からず屋もいる。 中には何も応えない者もいる。 恐らく彼らは今までこのような反応を受けたことがなかったはずであり、知らなかった、あるいは認めたくなかった事実を突きつけられ、逡巡したはずである。 彼らの言葉たらずな反応を見ればそれは一目瞭然である。

 

これは非常に大きな教訓である。 日本人が、日本の歴史の正当性を、全世界に向けて大声で主張すれば、我々の友人である保守派はそれを渋々ながらもキャッチするのである。 そして、私がブライトバートのコメント欄で交わしたようなやりとりを通じて、我々は友人を得ることが出来るのである。

 

今の我々の生活があるのは、ひとえに、先の大戦で体を張って戦った我々の先人のお陰である。 彼らと違って、我々は命をかける必要もなく、かすり傷一つ追うこともない。 せめて我々にできるのは彼らの築いた歴史を磨き上げることである。

 

以下、ブライトバートニュース上の論争である。 緑の部分が「8割の合意」である。

 

 

JR1984  • 5 days ago 

There is no "HONOR" in forcing women into prostitution, and calling them comfort women. The is no "SKILL" required in bayoneting helpless and unarmed men, women, and children. Leftist tend to lookover, and or ignore historical atrocities they agree with. Nothing can justify how they treated the POW's from the US, the UK, Australia, and anyone else they captured.

 

CBJapan > JR1984  • 5 days ago 

You gotta read this, pal. http://conservative.jugem.jp/?eid=409

 

 

 

CBJapan  • 5 days ago 

I praise Mr. Abbott for the comment as a Japanese. We have to get over the history and look to the future. Dear fellow Australians. It is about time that you get over it. You may not forget it. But, you can get over it, just as we got over Hirosihma and Nagasaki. You can do it, and we will be friends.

 

John Gerhard > CBJapan  • 5 days ago 

That generation of Japanese DESERVED Hiroshima and Nagasaki!! After what they did to China, Korea, the Philippines, East Asia, Indonesia. Get over it??? Like we have to apologize for defending ourselves after Pearl Harbor, the Bataan death march, tortures of helpless prisoners and civilians, mass rape and murder?? Fire bombings were divine justice, unlike your divine wind. Only because God is merciful, and Americans are merciful, did any of those criminals survive. Every single Japanese supported the war once it got underway. There were no peace marches in front of the emperor's palace. God literally rained fire from the sky upon that evil generation. I do look to the future, and do not blame a single Japanese citizen born after 1945 for any of the previous generations horrific crimes. But the future is always attached to the past and present. You must come to grips with the fact that you are the children and grandchildren of mass murders and sadists. Better check the family tree and see what kind of fruits are falling from the tree.

 

CBJapan > John Gerhard  • 5 days ago 

What do you want me to do? Simply? What? Make clear EXACTLY what you guys want us to do.

 

CBJapan > John Gerhard  • 5 days ago 

You don't like "get over it"? Then, I would tell you "learn from it". Here is what you have to learn. This is the true history. http://conservative.jugem.jp/?...... Mass murder? You gotta be kidding me. Have you ever ONCE criticized the real mass killing by King Leopold II of Belgium killing 8 MILLIONS in Kongo?

 

 

 

John Gerhard > RegularRon  • 5 days ago 

Yeah, total honor: mass murder, sadistic medical experiments, attempted extermination of the Chinese, enslavement of the Koreans, torture and torment of POW's and civilians, racist fury to eliminate or enslave everyone not Japanese. What the hell definition of 'honor' do you use??  Go talk to the Commies of the USSR about atrocities, not us. In any case, the Germans got paid back in spades for all they did in Europe and to the Jews. At least some Germans worked against Hitler. How many Japs worked against the emperor.

 

Japan in WW2 didn't fight for something above them, they fought for something below them: Satan and Hell itself. So God measured to them the measure they gave to Asia: fire and destruction coming on the wings of the US airforce.  If it weren't for American mercy, Japan and Europe would still be a burned out wreck like the old Soviet Union still is to this day.  Honor my ass. Ain't tough to be holier than Tojo and Hitler you fascist sycophant.

 

CBJapan > John Gerhard  • 5 days ago 

Hey Pal. FDR REJECTED Jews who sought help. Tojo HELPED Jews. Read this here http://conservative.jugem.jp/?eid=403

 

 

 

CBJapan  • 5 days ago 

Mr. Stepman. "Japan was worse than Nazi Germany"? Then, tell me please. What exactly did Australia do during Holocaust to save Jews? If you are troubled in finding an answer, please read this and find out what we Japan did to save the Jews during that time when all the other nations turned their backs on the Jews. http://conservative.jugem.jp/?eid=403... Thank me very much for giving knowldge to everybody.

 

Jim Sweet > CBJapan  • 5 days ago 

"What exactly did Australia do during Holocaust to save Jews?" - From literally the other side of the planet? Dumb questions deserve no answers. Propagandists like you deserve no respect.

 

CBJapan > Jim Sweet  • 5 days ago 

Oh yeah? Japan saved Jews literally from the other side of the planet. And what you said about Australia? You gotta read this one http://guides.naa.gov.au/safe-haven/chapter8/australian-responses.aspx.... "Australia's record leaves much to be desired"

 

 

 

CBJapan  • 5 days ago 

Prime Minister Abbott is conservtive. I am conservative. This is how conservatives become friends by overcoming history.

 

 

 

tenndoug911  • 5 days ago 

Freaking politician needs to experience Japanese honor displayed during the Second World War first hand. Treat him to the Japanese Bushido code of one who is captured or surrenders and work/starve his sorry butt to death.

 

CBJapan > tenndoug911  • 5 days ago 

Get the chip off your shoulder. You never know what happend. Both sides suffered. Get over it. By the way, you now Allen West? He is a great conservative and understands what Bushido means. http://www.amazon.com/Guardian-Republic-American-Journey-Freedom-ebook/dp/B00FO60EO2

 

 

 

Austexchili  • 5 days ago 

The New Revisionism now states that it was the West, specifically, the United States, who conducted a racist war against Japan (Listen to Tom Hanks' statements regarding his show THE PACIFIC.) It also says that most of the battles fought in the Pacific were un-neccesary, and the reason they were such great bloodbaths was the American lack of understanding of Japanese culture. And of course, don't get them started on Hiroshima and Nagasaki. (I do agree that Pelilu was unneccesary, but Tarawa and Iwo Jima were not.)  I lived in Japan for two years. They can be the nicest, most polite people you ever want to meet. But they thought then and they still do, that they are the master race. Plus, then (and possibly still now) they were not teaching their kids about Nanking, the Chinese slaughter in Singapore. The Death Railway, Bataan, etc.

 

CBJapan > Austexchili  • 5 days ago 

Pal, I wrote this piece and you gotta read this and learn how the Nanjing Massacre was a pure fake http://conservative.jugem.jp/?eid=403   No, our school teaches our kids about fake Nanjing story too much and I am working on detoxicating them from the lies.

 

 

 

John Gerhard  • 5 days ago 

They committed mass murder!!!!!!! Rape, pillage, plunder, torture, sadistic medical experiments, forced prostitution!! What honor and skill does barbarism require??? For God's sake, man, get a grip!!

 

CBJapan > John Gerhard  • 5 days ago 

Hey hey hey, calm down, pal. I am the Japanese that you are talking about. I wrote this wonderful piece and you gotta read it. Forced Prostitution? http://conservative.jugem.jp/?eid=409 ... You will be stunned.

 

 

 

dhd123  • 5 days ago 

Anthony John "Tony" Abbott is the 28th and current Prime Minister of Australia. He has held the position since 2013, and has been the Leader of the Liberal Party since 2009.

Born: November 4, 1957 (age 56), London, United Kingdom

Nothing to see here, he is just another liberal history revisionist who was born after WW 2

 

CBJapan > dhd123  • 5 days ago 

Wrong history needs to be "revised". Here is the right history. http://conservative.jugem.jp/?eid=84  ... written by me. Thank me very much.

 

dhd123 > CBJapan  • 5 days ago 

Then how come the Japanese government has admitted to the acts of killing of a large number of non-combatants, looting, and other violence committed by the Imperial Japanese Army after the fall of Nanking?

 

How come Japanese veterans who served in Nanking at that time have confirmed that a massacre took place?

 

A small but vocal minority within both the Japanese government and society have argued that the death toll was military in nature and that no such crimes ever occurred. Denial of the massacre (and a divergent array of revisionist accounts of the killings) has become a staple of Japanese nationalism

 

Your illegitimate distortion of the historical record shows that you are a follower of negationism.

 

Practical examples of negationism (illegitimate historical revisionism) include Holocaust denial.

 

CBJapan > dhd123  • 5 days ago 

How come our government admitted? Because they are sell-out. Japanese veterans rejected it. Nobody saw it. What they saw was peace and tranquility. TELL ME then. Why the fake photos? Why fake them, if that was what really happened? You know what? It was fake.

 

CKAinRedStateUSA > CBJapan  • 5 days ago 

You are a Holocaust denier. Your remarks are absurd, bordering on the deranged.

 

But you do seem to fit the Japanese delusion that prevents a real apology ever being given for the Nanking Massacre.

 

To reply further is senseless. Good-bye.

 

CBJapan > CKAinRedStateUSA  • 5 days ago 

Holocaust denier? You don't know what it is. I will educate you here. You are the one who denies it and here is why  http://conservative.jugem.jp/?eid=123 ... .

 

chelmer > CBJapan  • 5 days ago 

only on the internet Dude. Millions upon millions of people experienced Japanese savagery personally, themselves, from China to the South Pacific. You are trying to deny the collective experience of a third of the world's population. Good luck with that.

 

CBJapan > chelmer  • 3 days ago 

Oh yeah? Then, why is it that Asians like us?

 

 

chelmer > CBJapan  • 3 days ago 

I happen to like the Japanese myself. But Japanese depravity during WWII is not a matter for dispute. You're just reminding us that Japanese re-entry militarily on the world stage--which I happen to regard as inevitable and necessary--will probably come at a cost. But China has to be contained, and without Japanese involvement, that will be impossible. The US needs Japan more than Japan needs the US.

 

CBJapan > chelmer  • 2 days ago 

Well, thank you for liking us and we came to 80% of an agreement, which I would have to say good enough. I not only like America, I also believe in American exceptionalism. America is the only countries in the world that is based on ideals of life, liberty and pursuit of happiness.

 

And yes, it is not a matter of dispute.... that we were the BEST in terms of military conduct during the war which has been abundantly chronicled and which was EXACTLY why the Brittish Empire decided to enter into an alliance with us in 1902, observing our superb actions in CHINA (people don't change over night. We were the way we were in 1900s, 1910s, 1920s, 1930s and 1940s like the way we are in 2010s).

 

And yes, China is one of the biggest threat and we have to destroy it. To do this, the US and Japan work together.

 

 

 


続きを読む >>

正義はイスラエルの側にあり

  • 2014.07.21 Monday
  • 01:21
 

イスラエルのガザへの軍事行動が始まって2週間が経とうとしているが、相変わらずのイスラエル・バッシングの偏向報道を目にする毎日である。 当ブログはイスラエルを支援するブログである。 よって、日本で、そして世界で報道されている「事実」がいかに歪曲されているか、以下に示すこととする。

 

 

2005年、イスラエルがガザから撤退して以来、8千発ものミサイルがガザからイスラエルの住宅地へ撃ち込まれてきた。 当たれば当たる。 外れれば外れる。 そこに子供がいようが女性がいようが関係ない。 「無差別」である。 それらは全くと言ってよいほどニュースにならない。 誰も取り上げない。 「え?ガザからイスラエルにミサイル?まあ、あるでしょ、そんなことは、しょっちゅう...」という具合である。 だが、ひとたびイスラエルが反撃したときはメディアの目の色が変わる。 「イスラエルがガザを攻撃した!!」ニュースが世界を駆け巡る。 我々は善と悪とが倒錯した世界にいるのである。


 

ガザから毎日のように無差別にロケット弾が撃ち込まれるイスラエル。 そんな様子を世界は冷ややかに見守る。 しかし、ひとたびイスラエルが反撃を開始しようものなら世界が動く。 ヨーロッパ議会が、アメリカの国務省が、アラブ諸国が、国連が、世界中の組織が動く。 彼らはイスラエルに圧力をかける。 「自制しなさい」と。 しかし彼らの言葉をもっと分かりやすく言えばこういうことである。 「お前、自分の身を守ろうだなんて、いい度胸しているじゃないか。 何様のつもりだ?」 ところで、なぜ市民社会が発達した20世紀ドイツにおいてホロコーストが起こりえたのか、不思議に思う向きもあろう。 それを可能にしたのは、まさにこの人々の態度である。 「我々の誰もが自衛する権利がある。ユダヤ人以外は...」 我々が今目撃しているのはまさにそれである。

 

空襲警報でイスラエル市民は脱兎のごとく防空壕へ逃げる。 そしてロケット弾はイスラエルの民家に落下する。 あなたがこの家の住民だったら、明日からどう生きるか。


 

イスラエルの市民を無差別攻撃するテロリストが武器を隠す場所にしているのが、民家、モスク、病院、学校である。 なぜイスラエル軍が事前にビラを撒いて住民に避難するよう呼びかけたうえで、このような場所を攻撃しなければならないか。 これが理由である。


 

イスラエル市民に対するテロを指導するルッフィ・ムスタハの家は、両側が一般市民の家である。 イスラエルが攻撃すれば必ず一般市民が犠牲になる。 見事な立地条件である。 1937年に日本人が南京で経験したのはまさしくこれではなかったか。 民間人に紛れ、彼らを盾にして敵を攻撃するという卑怯な戦法である。 それが後に「南京大虐殺」となったのである。


 

ハマスのロケット弾が貯蔵されているのはモスク(イスラム礼拝所)である。 そのモスクは、やはり民家に隣接している。 見事は場所の選定、そして立地条件である。


 

「ガザでは民間人の犠牲者が増え続けています... 「それに対して、イスラエルは死者が出ていないじゃないか!なんという不公平さだ!...」 では、それはなぜなのか。 イスラエルでは武器で市民を守っている。 武器は市民を守るためにあり、政府はそのために武器を使用している。 しかしガザではどうなっているかというと、市民で武器を守っている。 市民が武器を守るのに使われている。 だから、ガザでは市民の犠牲が増え続けているのである。


 

イスラエルでは国土の70%がロケット弾の脅威に晒されている。 これはこういう事である。

 


だから、商業都市テルアビブへの通勤途中でこのような光景が展開されるのである。 道路に防空壕は無い。 このように身をかがめるしかないのである。


 

我々の住む国で、このようなことが起きたら、我々はどうするであろうか。

 

中東やパレスチナ問題は複雑だ、という声がある。 だが、実はこれほど単純な問題は無い。 アラブ諸国のイスラム教徒がユダヤ人が主権を持つ国が存在することを、それが米粒のような国であっても許せない。 そこに全てがある。


 

アラブ諸国やイスラム圏が、イスラエルが存在する権利と、イスラエルにおいてユダヤ人が生きる権利を認めたならば、その瞬間に平和が来ることは間違いない。 だがその日が来ることはあるまい。 それは過去60数年間の歴史が証明しているのである。

 

イスラエルの側に立つか、ハマスの側に立つか、選択は一つだけである。 正義はイスラエルの側にある。 これは「意見の違い」ではなく、「善悪の観念」の問題である。 我々は正義の側にあらねばならない。

 

God Bless Israel!


 

ドイツ・最低賃金を導入 世界から減少する賢さ

  • 2014.07.20 Sunday
  • 23:46

ドイツがついに最低賃金制度を導入した。 意外であるが、ドイツには今まで最低賃金制度というものが無かったのである。

 

Breitbart Newsによれば;

 

ドイツの労働市場は他のEU諸国と比べてかなり柔軟であった。 ゲルハルト・シュレーダー前首相が2003年から推進したアゲンダ2010という政策により、企業が従業員を解雇するのが容易になり、それによって企業が従業員を新たに雇用するリスクを軽減した。 失業手当を1年に限定し、55歳以上の人々に関しては18か月とした。 それによって人々は「あれこれ選ばずにとにかく働く動機」を与えられた。

 

2004年〜2005年は不景気と高い失業率にドイツは苦しんだが、2007年までには経済成長は1.5%まで回復し、失業率は11.6%から8.5%へ減少。 リーマンショックでアメリカでは失業率が2007年の4.6%から2011年の9.0%まで上昇する一方で、ドイツでは7.1%へ減少。 その後も失業は減り続け、現在は5.1%。 特に、若年(15歳から24歳)の失業率は隣国フランスが23.1%もあるのに対し、ドイツでは7.9%。

 

また、2003年にアゲンダ2010が可決されたことで国際市場における競争力が増し、2003年から現在までに輸出額は5千億ドルから13千億ドルへと増加した。 その間フランスの輸出の伸びは25%で4500億ドルにとどまる。

 

最低賃金不在に代表される規制の少なさが労働市場に柔軟性を与え、それによって国内外の景気変動の波をうまく吸収してきた、というわけである。 生きていくためには働かなければならないという現実に直面した人々は、働く意欲とともに人間としての誇りを維持した。 社会保障をカットする、という政策を断行したのが、一般通念では左派ということになる社会民主党のシュレーダー首相であったというのが面白いところである。

 

日本では、なにかといえばドイツから学べという声がある。 何を学ぶかと言えばエコだの脱原発だの休暇の長さといった「?」な内容ばかりが取りざたされる。

 

しかし、今改めて考えると、実は最近まで日本が学ぶべきところはあったのである。 労働と、労働の価格である賃金を市場メカニズムに委ねることが、実は働く人々へ労働の喜びと収入の安定を与えることにつながるという事実である。

 

日本における過労自殺「そんなに大変なら死ぬまでややることはない。 辛かったら、辞めてもっと楽な仕事を探せばよい」 しかし、現実にはある年齢になれば会社を辞めたらなかなか仕事が見つからない。 正社員になるのが難しい。 だから、死ぬまでガンバってしまうのである。 よく「ブラック企業」などと言われるが、ブラックな企業というものはない。 企業というものは、与えられた条件の中でコストを最小化しつつ利益を最大化するように努力するものである。 企業がブラックなのではなく、労働市場が柔軟性と流動性の無い社会そのものがブラックなのである。

 

今、ドイツでは原発が停止され、最低賃金が導入され、愚かさの道を進んでいる。 世界から知恵が減少している。 と、思いきや、オーストラリアでは昨年9月に就任したトニー・アボット首相がつい先日、公約を果たす形で炭素税を撤廃した。 地球温暖化だか気象変動だか、呼び方は何でもよいが、地球の温度に何の影響もない二酸化炭素排出を規制してきたことを明確に間違いであるとし、正常なる方向へ歩みだした、歴史的な決定である。 愚かさもあれば賢さもある。 

 

願わくば、我が国は賢さを選択したいものである。

 

P.S. 先日安倍首相が訪問した先のオーストラリアにて、アボット首相は「我々は彼らと意見を異にしたものの」と前置きしたうえで、「我々は第二次世界大戦における日本軍の示したスキルと栄誉を賞賛する」と述べた。 アメリカ保守系ニュースサイトでは非難囂々である。 コメント欄にて私は”CBJapan”の名で孤軍奮闘し、全ての反対意見に対して真っ向から日本の大東亜戦争の正当性を主張し、アボット首相の発言を擁護した。 これについては改めて記事を投稿したい。

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< July 2014 >>

time

selected entries

categories

archives

recent comment

  • 同性パートナー条例 恥ずべき一歩
    CBJ (03/19)
  • 同性パートナー条例 恥ずべき一歩
    Aoi (03/08)
  • SDGs 現代共産主義の姿
    CBJ (11/27)
  • SDGs 現代共産主義の姿
    XBOXhosii (11/13)
  • バイオ・メディカル・デストピア
    M男 (10/16)
  • ウクライナはロシアの墓場になるか
    CBJ (06/05)
  • ウクライナはロシアの墓場になるか
    残念 (05/30)
  • ウクライナ・・・愚かな発言をする者達
    CBJ (04/03)
  • ウクライナ・・・愚かな発言をする者達
    M男 (03/27)
  • バカ政府とバカのエネルギー
    CBJ (01/23)

recent trackback

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM