国が婚活援助 - 政府の大活躍は止まらない
- 2015.11.29 Sunday
- 17:11
加藤勝信1億総活躍担当相は14日、テレビ東京の番組で、少子化対策の一環として国の補助金で自治体が実施する「婚活」イベントについて、「子どもが生まれやすい環境をつくる。結婚や出会いの支援をしっかりやっていかなくてはならない」と述べ、必要性を強調した。【時事ドットコム 2015/11/14】
国の補助金(税金)で自治体が実施する「婚活」イベント・・・
そのうち、国は補助金(税金)で「子作り講座」を始めるのではないか?
今、アメリカで行われている共和党の大統領選挙候補者指名獲得戦において候補者同士の論戦が繰り広げられている。その中で繰り返し出てくる言葉がある。
「政府が問題をつくりだし、それを解決するという名目で政府が介入する。それが社会主義の始まりである。社会主義は富を生み出さない。社会主義は富を食いつぶすだけ。だから我々は政府を取り戻し、政府の領域を制限しなければならない」
これが本来の保守の考え方である。
政府介入や社会主義が悪しき結果を生み出すのは洋の東西を問わない。日本だから、アメリカだから、ヨーロッパだから、アジアだから、ということではない。社会主義はどこにおいても惨めさを生み出す。
子供の数が急激に減少している。それは結婚が減少しているからであり、結婚年齢が上がっているからである。逆に言えば、結婚が減少せず、結婚年齢が一定であれば少子化するわけがないのである。
結婚が減少し、結婚年齢が上がっているのは、政府がそのような行動を促す政策をとっているからである。
例えば大学助成金。
政府が私立大学にも助成金を出し、雨後の筍のごとく全国に大学や短大が林立。大学に入りたい人間なら誰でも入れる環境である。よって「大学進学率」はうなぎ上り。50年代に8%弱だったのが2000年代には50%まで上がっている。
男も女も皆大学へ。「結構なことじゃないか」と思いきや、大学生として「遊んで」過ごした若者(特に男)は社会に出てもすぐに稼げるわけではないから結婚相手としてはイマひとつ。それに「遊び」を覚えた若者は大学を卒業しても「遊びを捨てる(=結婚する)」見極めがつかない。結果ズルズルと年を重ね、女性は気がついてみると30も半ば。すると今度は婚活市場における価値が低下。だが染みついたプライドは捨てられず、更にズルズルと。では男性は若い女性と結婚するかといえば、若い女性のほうはやはり「オジサン」とじゃアレだからと若くてハイスペックな男性を探す。
よって結婚は減少し、少子化が進む。
これが唯一の少子化の原因と言っているのではない。沢山ある原因の一つであり、社会問題は政府が作り出す、ということを説明するために一例を挙げたまでである。
政府がそもそも問題を作り出したのだから、政府がやるべきはその問題を解決する名目で介入することではない。そもそも政府が介入したから問題が発生したのであって、更に政府が介入すれば更なる問題が起きるだけである。
しかしこの一例ですら理解していない政府は、あろうことか「女性が輝ける社会を目指す」と銘打って「女性活躍推進法(大企業や国、地方自治体に積極的な女性の登用を促すため、数値目標の設定と公表を義務化)」なる愚法を成立させている。
当たり前だが、女性が「社会進出」すればするほど結婚は減少するのである。女性は「自分より稼ぐ男」と結婚する生物である。女性が稼げば相対的に男性の優位性は減少し、よって結婚相手としての魅力は減少し、よって結婚が減少する。
少子化対策をする、と言いつつ少子化促進し、それを横目に「一億総活躍だ!」というのであるから呆れたものである。
もはや怒りを通り越して脱力するのみである。
政府は婚活サポートに予算25億円を計上しているそうだが、そのカネはどこからくるのか。天から降ってくるのではない。我々の財布からくるのである。我々はそのカネを取られているのである。
政府が作り出した問題の原因は手つかずで、「対策にもなっていない対策」を実行するために我々はカネをむしり取られる。
ハタから見れば喜劇であろう。
我々にとっては悲劇である。