穴を掘り、穴を埋め・・・
- 2016.04.30 Saturday
- 16:36
育児と介護「ダブルケア」推計25万人、深刻な影響
親の介護と子どもの育児を同時にしなければならない「ダブルケア」。全国で推計25万人にのぼり、仕事などに深刻な影響が出ていることが、国の初めての調査でわかりました。 TBS系(JNN) 4月28日(木)19時59分配信
せっせいと穴を掘り、せっせと穴を埋め、埋めたと思ったらすぐ隣に穴を掘り、そして穴を埋める。いくつ穴を掘ったか、いくつ穴を埋めたかを発表する。いかに効率的に穴を掘ったかを公表し、今後どのように効率的に穴を埋めるかを検討する。男性も女性も、老いも若きも、全ての人に穴掘りと穴埋めに参加しようと呼びかける。そしてあらゆる人々がそれに参加するよう促す。
そんなバカな社会があるのか。
それは我が日本社会である。
介護サービスが不足しているのも、育児サービスが不足しているのも、多くの女性が子育てを しながら仕事をしなければならないのも、全て政府が原因である。
政府が介護業界を規制しているから介護に従事する人々の給料が安く、人が集まらない。一方で参入規制によって競争が阻害され、介護業界全体の品質サービス工場と価格下落が起こらない。
政府が育児業界を規制しているから育児に従事する人々の給料が安く、人が集まらない。一方で参入規制によって競争が阻害され、育児業界全体の品質サービス工場と価格下落が起こらない。
政府があらゆる産業に対する規制と課税、金融政策によって健全な投資を阻害し、20年以上にもわたる景気後退を引き起こし、富の増大を妨げるとともに貧困を増大させる。それによって働けるものは皆働かなければならない状況に追い込まれる。政府はそれを「女性の社会進出」と称する。
それらの要因が、冒頭の記事のような「育児と介護のダブルケアによって推計25万人が深刻な影響を受けている」というような問題へと発展する。
しかもそれを調査発表しているのが当の政府であるというから笑わせる話である。
政府が人々に穴を掘らせ、穴を埋めさせ、それをやらされている人々が「いかに深刻な影響を被っているか」を調査発表する、というコメディーの誕生である。
しかし我々がそれを笑えないのはなぜか。
それは、
「もっと財源を投入して問題解決に取り組め(=もっと穴を掘れ!そしてもっと穴を埋めろ!)」
と政府に要求しているのが他でもなく、被害を被っているはずの我々自身だからである。