丸山「戦争」発言への反応に思う

  • 2019.05.19 Sunday
  • 16:26

丸山議員、北方領土「戦争による奪還」発言の音声



「ロシアが混乱している時を見計らって一気に軍事攻略するしか、奪還するすべはないだろう」ということである。

特段洗練された言い方ではないが、この発言のどこが間違っているのか。

この議員のことはよく知らないが、この議員を除名処分にし、議員辞職までさせようとし、更にはロシア大使館まで謝罪に出向いたこの日本維新の会(この議員が所属していた党)という党は誠に愚かである。

この党に所属する参議院議員の藤巻健史氏は日本の壊滅的な財政状況を鋭く指摘する様子は評価しているが、政党としての評価は壊滅的に地に墜ちた。このような政党は解散したほうがよい。

互角に戦争ができる準備をすれば戦争で目的は達成される。アリのように踏みつぶせるほどの準備をすれば戦争をせずとも目的が達成される、かもしれない。実際に戦争をやるとしても、アリを潰すかのように短期間で一般市民の生活に影響を与えずに作戦終了できる、かもしれない。準備をすればするほどに目的達成の確立は高くなる。軍事とはそういうものである。

ロシアという国は、面積は巨大だが実のところ小さな国である。GDPは隣の韓国よりも小さい。一人当たりのGDPで言えば日本の四分の一である(参照)。都市部を除いていまだに後進的で貧しい。

図体はデカいが中身が無い張り子の虎。これがロシアの実態である。

ロシアを30回くらい叩き潰すくらいの軍備を配備したうえで米国と組んで経済制裁で息の根を止めれば北方領土など自動的に返ってくる・・・という筋書きを描くのは十分可能である。

だが実際は100%無理である。他でもない安倍政権がプーチンというゴロツキにおもねるのに余念がなく、ついに北方領土を日本の領土として主張することを放棄する決定を下したからである。

この議員の発言は酩酊していようが素面であろうが当たり前の内容である。北方領土が戦後70年以上も放置されてきた事実よりもこの一議員が発した当たり前の一言が重大視されてしまうこの現状は日本の救いようのない凋落を示すものである。

トランプ大統領の対中関税支持

  • 2019.05.19 Sunday
  • 12:11

 

米、6月末にも対中関税第4弾 3805品目に最大25% 
2019/5/14 日経 【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権は13日、中国への制裁関税の第4弾として、携帯電話など約3000億ドル(約33兆円)分の同国製品に最大25%の関税を課す計画を正式表明した。6月下旬まで産業界の意見を聴取する予定で、発動は6月末以降になる。トランプ大統領は6月末に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談する意向を示した。関税合戦の激化を回避するため、両国が再び対話に向かうかが焦点だ。


日本がアメリカと歩調を合わせるべきはトランプ大統領の対中国関税政策である。

中国はアメリカにとっても日本にとっても敵国である。我々が中国を敵国と見做したのではない。中国の我々に対する敵対的な行動によって、我々は中国を脅威を見做さざるをを得なくなった、というだけのことである。

中国の脅威を認識しない人間は東から昇る太陽を太陽ではなく月だと認識する人間に等しい。そのような人間と議論する意味はない。

貿易をする相手国が自由で民主的な国か、後進的で独裁的な国か、社会主義的で閉鎖的な国か、それはどうでもよい。自由貿易というものは、あらゆるタイプの国々と可能である。

自由貿易は「やったもの勝ち」である。ある国がどれほど閉鎖的で自国の商品を安く売りたたく一方で相手国からの産物を自国市場から排除しようとするならば、困るのはその国の民衆であり、その国の貿易相手国が感知すべきことではない。安いモノ買いをして喜んでおればよいのである。

しかし貿易の相手国が自国に脅威を及ぼすのであればその限りではない。

中国は共産党一党独裁国家であり、中国で活動する企業と中国政府を分け隔てるものはない。中国企業が利益を上げればその利益の一部は中国政府に行き、中国政府はその金を使って我々にミサイルをつきつけ、尖閣に侵略船を送る。

脅威を及ぼす国はあらゆる手段を使って殲滅しなければならない。最も即効性のある手段は軍事的に脅威国を破壊することである。最も穏当な手段は経済的にじわじわ締め付けることである。前者は手っ取り早いがコストがかかり、自国民を犠牲にする可能性がある。後者は比較的安全であるが遠回しであり、相手国がキレれば軍事的な争いにもつながる。前者と後者は完全な別物ではない。自国民の安全を守りつつ最小限のリソースをもって脅威の除去を最大化する。これが外交であり国防である。

トランプ大統領が中国に対して実行しているのはこれである。だから市場経済と自由貿易を提唱し、トランプ大統領の他の保護主義的政策を批判するアメリカ保守派はこの点ではトランプ支持で一致しているのである。

我々に脅威を及ぼすことを決定するのは相手国である。我々ができるのは、その相手国を脅威と認識し、しかるべき対応をすることだけである。それが世の現実というものである。

一方最も脅威を受けている当事者であるはずの日本は相変わらずとぼけた態度をとっている。

 

この状況において、政府支出の削減と減税と規制撤廃を断行すれば投資と産業は怒涛の津波のごとく日本に押し寄せる。だがそのような見識を持つ政治家は一人もいない。

 

バカなテレビを観て、バカな政治家を選出し、バカを見る。残念であるが、日本には堕落と退廃と後退の道しかないことを覚悟しなければならない。

Why Trump should raise tariffs on China

アラバマ州中絶禁止法成立 生命の勝利

  • 2019.05.18 Saturday
  • 16:24
 

妊娠中絶禁止法、アラバマ州で成立 禁錮最大99年 
米南部アラバマ州で15日、人工妊娠中絶を禁止する州法が成立した。性犯罪被害者の女性も対象で、合法的に中絶が可能なのは女性に生命の危険がある場合などに限られる。事実上、中絶を全面禁止する「全米で最も厳しい法律」(米紙ワシントン・ポスト)だ。中絶した女性は罪に問わないが、手術をした医師らに10年から最大で99年の禁錮刑を科す。 2019/5/16 日経


アメリカでも、日本でも、ヨーロッパでも、程度の差はあれ各国で中絶が行われ、それによって殺処分された胎児の数は歴史的な大量虐殺(ホロコースト、ウクライナ飢饉、文化大革命、ポルポトのカンボジア大虐殺)による犠牲者を遥かに凌駕する。

なぜこれほどの大量殺戮が何事もないかの如く静かに進行しているのか。

それは殺される側に声が無いからである。死人に口なし、と言うが、この場合は胎児に声無しである。

手も足も「人間そっくりな」胎児が殺処分されるのは「可哀想」、というような感情的、感傷的な議論ではない。

受胎の瞬間に一つの生命が誕生する。その生命は母体とつながり、母体無しには生きられないものの、母体の一部ではない。その根拠はDNAである。新たに誕生した生命は母親とも父親とも違うDNAを持つ。その生命が、母親の臓器の一つでもその一部でもない、唯一無二の人であることを意味する(参考)。



その人がどこに存在するか、どのように生きているか、どのくらいのサイズなのか、声が大きいのか小さいのか、声すら出ないのかに関わらず、その人は人なわけである。これは信仰ではなく、生物学的な事実である。

その科学的事実を認めるのか否か、という問題である。よく左翼は「科学」を好んで口にするが、科学というわりには科学を無視するのが左翼であることがよく分かるであろう。

「中絶は女性の権利だ」という論理性の欠如した感情的な言い逃れがまかり通っているが、これは「奴隷をどう扱おうが、生かそうが殺そうが俺の勝手だ。これは俺の所有物だ」という人間と何ら変わるところがない。一人の人間が人間として生きる権利を認めないということだからである。

アラバマで成立した法では性犯罪の結果誕生した生命も例外とされていない。これは当然のことである。犯罪で裁かれるべきなのは犯罪者であり、どのような経緯であろうが結果として誕生した子供ではない。一人の人間の生と死が感情で決定されてしまうことほど恐ろしいことはない(以前のブログ・参考)。

重要であればこそ木の葉のように揺れる感情ではなく、大理石のような論理で決定しなければならない。

アラバマで成立した「妊娠中絶禁止法」の正式名称は「Human Life Protection Act」である(参照)。読んで字のごとく、人間の命を守る法律である。法の目的はまさに「人間の命を守ること」である。

「21世紀にもなるのにこのような中世に戻るような法が制定されるとは・・・」という声が聞かれる。

それに対して答えたい。

「21世紀にもなるのにこのような非文明野蛮人のような大量殺戮が行われ、それを阻止すべく法を制定しなければならないとは・・・」と。

最も小さく、最も弱い一個の生命の生きる権利が認められない社会は真の文明社会ではない。人間が自己の都合で声なき人間の生命を断つことが容認される社会に真の自由は無い。生命という根源的な所有権を否定しつつ自由や権利を語る人間がいるならば、それは欺瞞以外の何ものでもない。

これは生命と正義と論理の勝利である。これは狂気から正気への一歩である。これを契機として悪名高きRoe v.Wade(中絶を合法化した最高裁判決)の撤廃へと全米が動くことを祈りたい。



【参考】

Tucker: Voters in Alabama decided for their state



#485 ALABAMA ABORTION LIES DEBUNKED! | Ben Shapiro Guests | Louder with Crowder

「神の存在を証明する5つの論考」読了

  • 2019.05.12 Sunday
  • 15:53




本書は、歴史に残る哲学者達の論考に光をあて、論理によって神の存在を立証せんとするものである。

著者、エドワード・フェーザー氏はアリストテレス、プラトンの後輩達、アウグスティヌス、トマス・アクィナス、ライプニッツ、その他の哲学者達と彼らの展開する理論に基づき、宗教的な信仰に依拠せずに神とは何か、そしてなぜ神は存在するのかを説明する。

フェーザー氏は5つの論考を展開し、神の存在を証明する。

第一に、変化とは潜在性の具現化である。潜在性を有するものが具現化力を有するものによって具現化されるときに変化が起こる。全ての変化(change)の背景には変化者(changer)がいる。あらゆる変化は、すでに具現化された何かによってもたらされる。

ヤカンに水を入れて火にかけると沸騰する。これは火という「既に熱が具現化されたもの」によって水の温度が上昇する(潜在性が具現化する)ことによって実現する現象である。

このような変化の原因は永遠に過去に向かって遡っていくことができる。だが過去、現在、未来において変化が存在すること自体の原因は永遠に遡ることができない。どこかに起点がなければならない。

潜在性を有するものが、既に具現化された何ものかによって具現化され、それが更に他の潜在性を有するものを具現化していく。

潜在性と具現化の混合体であるあらゆるものは、他の潜在性と具現化の混合体であるなにものかによって変化させられる。

ということは、これらの「変化」を支えている何ものかがなければならない。自らは変化せずに他を変化させる何ものかが。

自らは変化しない、ということは潜在性を持たないということであり、潜在性を持たない、ということは変化する余地を持たないということである。変化する余地がないとは、それが物質的ではなく、時間の外に存在するものであり、永遠なものであり、完全なるものであり、全知なものであり、至高の善であることを意味する。フェーザー氏は「完全に具現化した具現者」あるいは「不動の動者」呼ぶ。

物質は生成と劣化を繰り返す。変化するものは全て物質的なものである。逆に、変化しないということは物質的なものではなく、精神であり、知性であり、抽象的なものであることを意味する。

物質の生成と劣化は時間の経過によって発生する。よってあらゆる物質的なものは時間の中に存在する。生成と劣化が無いということは時間の外に存在するということに他ならない。時間の外に存在するということは始まりも終わりもない。すなわち永遠である。

潜在性を完全に具現化した存在とは何一つ欠けたところのないもの、すなわち完全なるものである。これは他の全ての潜在性を具現化する主体、すなわち全知全能であり、至高の善である。

完全なるものは二つとして存在しない。複数あるものの間には必ず違いがある。違いとは潜在性の具現化における差異に他ならない。完全なるものは潜在性を完全に具現化したものである。よって完全であるものは唯一の存在である。

フェーザー氏は更に第二〜第五の論拠へと進める。

第二に、我々の周りに存在するものは全て部品や部分を持ち、何かしらの「組み合わせ」によって形成される。人や動物の体、机やいす、木々、山、岩石、その他様々なものに言えることである。これらすべてには起源がある。その起源は完全に単純にして部分による「組み合わせ」を形成しないものである。完全に単純であるということは単一であるということであり、変化しないことを意味する。変化しないということは時間の外にあるということである。「組み合わせ」によってこの世のものを構成する起源になっているということは意思を持つということであり、それは精神として存在するものであることを意味する。

第三に、赤、青、黄色のような色識別、人間、動物、植物のような分類、〇△□といった図形、数や数式、「雪は白い」というような命題、その他様々な一般概念や抽象概念。これら概念は時空を超えて存在する。これらは単なる人間の想像ではなく現実であると同時に人間の頭脳に依存するものでもなく、その限界に制限されるものでもない。一方これらは物質ではなく時間の経過で劣化するものでもない。始まりがあり、終わりがあるわけでもない(数字は永遠に数えることができ、1+1=2は時間の経過で劣化することもなければ変化することもない)。これらが依拠するのは全知全能の知性、至高の知性である。

第四に、我々が遭遇するあらゆる物事には本質と存在があり、本質と存在は別個である。石は石としての本質を持ち、石として存在する。人は人としての本質を持ち、人として存在する。木も、犬も、想像上の竜も同様である。いわば本質とは潜在性であり、存在とは具現化である。石は石としての潜在性が具現化されるから石として存在し、竜は竜としての潜在性が具現化されるから実在する代わりに人間の想像の中で竜として存在する。このような物事が存在するためには必ず本質と存在が一致した存在(潜在性が完全に具現化したもの)によって存在が原因づけられている必要がある。

第五に、科学(物理、化学、数学、生物学等)が示すとおりこの世界は規則だっている。論理的に、あらゆる物事について、それが存在する理由と性質を認識することが可能、あるいは説明することが可能である(実際にどの程度まで究明できるかは別問題)。現時点で存在するあらゆるものはその存在を他のものに依拠している。例えばある人が存在するためにはその親がいて、その親が存在するためには更にその親がいて、という具合にこの連鎖は永遠に過去にさかのぼることが可能である。だがこの連鎖の存在自体、何ものかに依拠している。なにものにも依拠せず、必然的に存在するものによって。

単純で、変化せず、物質的ではなく、無形で、永遠で、必然的に存在、全能、全知、完全なる善、意思があり、愛があり、そして我々の想像を絶する不可解な存在 ・・・ この存在を、古くより人々は様々な宗教を通じて神、あるいは天、あるいは創造主としてとらえてきた。キリスト教、ユダヤ教、イスラム教といった一神教において神は一つであるとしてきた。

宗教的な信仰の論理的根拠が哲学的思索によって与えられたのである。

フェーザー氏は各論考において、無神論者の反論を挙げ、それに対する反駁を展開している。

科学を盾に神の概念を「非科学的なもの」として退ける無神論者に対してフェーザー氏はこのように切り返す。

科学とは、この世界の様々な現象から規則性を数学的に抽出し、そこで得られた知識を適用することである。数理的に説明できない事象をバッサリ切り捨てるからこそ明晰な分析ができ、高度な技術に発展させることが可能。化学は原子がどうやって分子になり、分子がどのようにモノになるかを説明するが、そもそも原子がどこからやってきたのかを説明することはできない。それが科学の限界である。科学こそ全て、という人を筆者は闇夜のランプの下で探しものをする酔っ払い(なくしたものがランプに照らされたところ以外にあるはずがないと信じる人)に例える。

また、「至高の善であり、全知全能であり、全ての潜在性を具現化するはずの神が、なぜこの世を不完全な状態にしておくのか。なぜ地球は天変地異や災害に襲われるのか。なぜ人間はこれほどに欺瞞と残酷さと愚かさにまみれているのか。それは神が全能でも善でもない証拠ではないか」という反論にフェーザー氏は答える。

勇気は人間存在の本質のひとつであり、具現化されるべき潜在性である。もしも地球環境も人間界も完全なる平安であったならば、人間は勇気という特性を育むことができるであろうか。

赦しも同様に人間存在の本質のひとつであり、具現化されるべき潜在性である。もしも人間界が完全なる善人だけであり、悪行が存在しないならば、人間は赦しという特性を育むことができるであろうか。

自由意志も同様に人間存在の本質のひとつであり、具現化されるべき潜在性である。もしも人間が良い行いだけをするようプログラムされた機械であったならば、自由意志を育むことができるであろうか。

神の存在は論理的思考を突き詰めれば否定することができない。本書は圧倒的な根拠をもってこの事実を突きつける。

本書は哲学の素養の無い読者にも理解できるよう、身近な物事を随所に例示しながら論を展開する。私にとってはそれでもかなり手ごわいものであったが、神というものについて考えることが多い昨今、重要な示唆を与える一冊であった。

【参考】
Edward Feser | The Ben Shapiro Show Sunday Special Ep. 17


Can You Prove God Exists? —Dr. Edward Feser


Proof of God's Existence—Part II

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