トランプ大統領・施政方針演説2020

  • 2020.02.16 Sunday
  • 17:29

トランプ大統領の施政方針演説(一般教書演説)が行われた。



トランプ落としの仕掛け人の一人であるナンシー・ペロシ下院議長と握手をせずに演壇に立ったトランプ大統領。そのトランプ大統領をペロシ議長が慣習に則らずに端折って紹介。演説の最後にトランプ大統領が読み上げた原稿のコピーをビリビリと破るペロシ議長。内容以外にもドラマ性に満ちたものであったが、今回のスピーチは逆風の中で確固たる実績を打ち立てたトランプ大統領の自信が伝わってくるものであった。

【経済】
大統領は過去数十年間にもわたる停滞との決別を宣言し、規制撤廃、減税、各国との貿易協定締結により、「うなりをあげるような経済成長」が進行中であると言明する。大統領は経済の復活と活況を呈する市場に言及する。アメリカの将来は明るい。停滞・沈滞・下降の時代は終わった。修辞と言い訳の時代は終わった。

【雇用】
回復を続ける雇用情勢を次々と挙げる。トランプ政権誕生以来、7百万の雇用が創出された。アフリカ系、ヒスパニック系、アジア系の失業率が過去最低となり、アフリカ系の貧困率も過去最低になったこと。高校卒業証書を持たない労働者の失業率が過去最低となったこと。若く低学歴・低スキルな人々が雇用されていること。1千万人もの人々が福祉頼りの生活から脱却したこと。所得が上昇していること。特に低所得層は16%も上昇している。ブルーカラー労働者の大躍進を謳いあげる。

石油とガスの規制撤廃により資源の自給化(energy independence)を果たし、エネルギー産業関連の労働市場は空前の活況を呈している。

ブッシュ、オバマ前政権時代に6万の工場(製造業)が失われたが、トランプ政権では1万2千もの工場が建設された。

企業は戻ってきている!米国は今やアクションの場だ!と喝破する。

【社会主義】
キューバ、ニカラグア、ベネズエラといった米国の裏庭で人々が社会主義に苦しむ国々を挙げ、「社会主義は国を亡ぼす!」とバーニー・サンダースに代表される社会主義との対決姿勢を鮮明にする。

【防衛】
2.2兆ドルという記録的な額の軍事予算を挙げ、アメリカは再び世界に君臨する軍事大国となったことを誇示する。宇宙軍創設の意義とアメリカ第一主義を強調する。一方、NATO同盟諸国へは4千億ドルの拠出増額をさせ、他の同盟国へも軍事拠出を倍増させるなど、タダ乗りをさせない姿勢を明確にする。

【教育】
多くの児童・学生が破綻した「政府の学校」に囚われになっている、とし、成績優秀な学生が学区を超えて自由に学校を選択し学ぶことができるOpportunity Scholarshipsの推進を宣言する。そのスカラシップを受けることになった一人、ジェナイアという少女を紹介。

※公教育を「政府の学校」と呼び、その本質を突いたのは意義深い。

【不法移民】
Catch and release(捕まえては釈放する)を終了させたことを宣言する。不法移民を許容するカリフォルニア州とニューヨーク市を槍玉にあげ、不法移民に対する政府医療援助の禁止を法制化することを議会に求める。

アメリカの移民受入れは能力に基づくものであり、順法精神、経済への貢献、自主独立、価値の維持といった特性を求めるものであると強調する。

壁建設は100マイルが完成し、来年早々には500マイルが完成する計画を示し、選挙公約の目玉が実行されていることを誇る。

【妊娠中絶】
後期中絶(27週から出産まで)の禁止する法律の成立を議会に求める。全ての人の命は神の神聖なる賜物である、と言明する。

【宗教の自由】
アメリカと信仰との歴史的な関係を述べ、公立学校で祈りを捧げる自由と十字架を掲げる自由を守る決意を示す。

【銃を持つ権利】
自分が大統領である限りは、国民が銃を保持する権利は絶対に守る、と宣言する。

【イスラム過激派】
イスラム国の指導者・バグダディやイランのソレイマニ司令官殺害に触れ、「テロリストはアメリカの正義を逃れることはできない」とし、イスラム過激派テロから国を守る決意を表明する。

USA!USA!USA!の大合唱の中、アメリカは人類の歴史上類のない共和国であり、アメリカが偉大性を発揮する時代はこれからやってくるのだと宣言して締めくくる。

全ての内容にもろ手を挙げて賛同するわけではない。巨額の政府インフラ事業や育児休暇制度、環境保護のために世界中に官民で木を植えよう、というような、大きな政府指向の内容もあり、心なしか、そのような場面では一瞬白けた空気が流れたように感じた。

だが全体をとおして非常に明るく、かつ力強く、本来のアメリカが復活しつつある印象を得た。同時に2020年の選挙ではなんとしてもトランプ大統領に再選を果たしてもらいたいという願いを強めた。

規制の上に規制を重ね、増税の上に増税を重ね、金融緩和(規制緩和ではなく金融緩和・・・通貨価値を毀損する政策)のアベノミクスというオママゴトにかまけ、国家の使命を忘れて泥沼にはまる陰鬱たる日本において、非常に精神を高揚させるものであった。

「メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本」読了

  • 2020.02.09 Sunday
  • 16:20



本書は、従来の民主党一辺倒を排し、米国保守派・共和党の立場も取り入れた米国の政治情勢の解説である。米国関連といえば民主党政治家を称賛しつつ共和党政治家をバカ扱いした本ばかりが出版されてきた中において非常に新鮮である。日本の出版界は全部潰れてもよいと思えるほど愛想を尽かしていたが、ようやくこのような本が出てきたことに喜びを感じている。

本書では章の間に米国保守のメディア(ワシントン・タイムズやThe Daily Signal)を紹介する。また、全ての増税に反対する運動を展開し、共和党内で隠然たる力を持つ全米税制改革協議会議長のグローバー・ノーキスト氏とのインタビューを掲載し、「税金を下げる」運動が保守政治と密接な関係にあることを示す。この関係が全く見えない日本の政治と、その政治のプリズムからしか米国政治を解説しない日本の言論に慣れ切った人々に驚きを与えるであろう。

私はブッシュ(息子)の時代から米国政治を保守の側から眺めてきた。大統領選挙も注視してきた。オバマ再選には落胆し、先の大統領選では保守本流のテッド・クルーズを支持し、トランプ大統領誕生は不本意であったものの、その後のトランプ大統領の動きには嬉しい驚きを感じている。そのため、保守に軸を置く本書の内容には頷くところが随所にある。

 
  • 日本におけるトランプ政権に対する報道は捻じ曲がっており、米国の左翼メディア丸写しであること。
  • トランプ政権の経済政策の要は大減税と規制撤廃であること。これによる経済効果が大きく、米国の景気回復の原動力となっていること。
  • 保守派が求める政策である減税や規制撤廃が進められる一方、後回しになっているのはインフラ投資や薬価引き下げといった、民主党的な介入政策であること。
  • トランプ大統領は予測不能な行動に出ているのではなく、選挙公約を実行しているだけであること。
  • 民主党が大統領府・上院・下院を制覇するトリプルブルーが実現した暁には米国の衰退と景気後退が起こるという現実的なリスクがあること。
  • 日本の政治家の米国共和党、保守派、リバタリアンとの人脈が非常に貧弱(皆無)であること。

ガラパゴス化した日本の政界の住民にはぜひ本書を読んでもらいたい。景気対策のために政府が財政出動を、地方再生のために中央政府が対策を、というボケ老人的な妄言を吐いている政治家は、本書を読んでも考えが変わらないならば退場すべきである。

一方、ここにぜひ着目してもらいたかったと思わされる部分もあった。

それは、保守派がトランプを支持し、大統領に押し上げ、弾劾裁判等の逆風下でトランプを擁護し続けるのはなぜかということである。本書では「民主党・共和党主流派という敵の敵であるトランプを利用する政治的な賭けに出た」としている。それもあるが、重要な部分は以下であろうと考えている。

保守派は長らく「いざという場面で挫ける政治家」に愛想を尽かしてきた。共和党政治家は、その政策がいかにリベラルであろうとも、とにかく左翼メディアからは悪の権家かゴキブリか痴呆症患者のように扱われ、叩きまくられる。ブッシュしかり、マケインしかり、ロムニーしかり、政界に長くいた政治家は、その立場に置かれると挫け、言い訳をし、左翼にすり寄る発言をして保守派をゲンナリさせた。だがトランプは違った。面の皮が厚いトランプは左翼メディアに対して中指を突き立てた。

その象徴的な言葉が「フェイクニュース」である。CNNのジム・アコスタに対し、「お前はフェイク・ニュースだ」と言い放つ。今までの政治家の、政治家然とした、政治家的な受け答えを完全に超えた姿勢である。これに左翼メディアは発狂し、同時に保守派は熱狂する。これがトランプのトランプたる所以であり、これが無かったらトランプはただの政治家である。



共和党内での高いトランプ支持率の理由はこれである。

もう一つは、米国の政治を動かす一つの大きな要因として、保守ラジオホストの存在である。この業界の先鞭をつけたのはラッシュ・リンボー氏であり、その後で多くのフォロワーが続いた。その一人が全米をカバーするマーク・レヴィン氏である。レヴィン氏はトランプ大統領支持者であるが、トランプ信者ではない。トランプの敵に対しては熾烈な反撃を展開するが、トランプが公約を反故するような動きを見せると怒号を浴びせる。だからトランプは氏のようなトークショーホストを無視することができない。



本書の著者、渡瀬裕哉氏は日本における保守政治立上げのために行動する若き志士である。氏は米国の保守運動大会であるCPACに参加して人脈作りに励む一方、日本では年に一度Japan-US Innovation Summitを開催し、内外の言論人を呼び、減税と保守政治の考え方を普及させる運動を展開している。現在の世界で保守哲学が政治に生きている国は唯一、米国のみである。その米国の保守派とのパイプラインは非常に貴重である。今後の氏の活動に期待したい。

「十戒 - 日々の生活における神の法の重要性」 読了

  • 2020.02.09 Sunday
  • 10:59



本書の著者ローラ・シュレッシンガー(通称ドクター・ローラ)は1970年代から全米のラジオ局で活躍する著述家である。番組の内容は主に人生相談であり、夫婦、親子、親戚、知人、友人、職場における人間関係から日常生活における悩みなど、多岐にわたる人々の相談を直接電話で受け付け、その場で答える。アメリカからだけでなく、カナダやオーストラリアといった他の英語圏諸国のリスナーからも電話がかかってくる。辛辣、鋭利で容赦なく本質にズバリと切り込む明快な語り口が人気である。

世俗的な家庭に生まれ育ったドクター・ローラは自身のルーツであるユダヤ教に目覚める過程において神が人類の代表としてモーゼとユダヤの民に託した十戒の重要性を知るに至った。

ドクター・ローラはユダヤ教徒しての見地から旧約聖書のモーセ五書を中心に、ときにはキリスト教徒の読者を念頭に新約聖書にまで範囲を広げて十戒の意義を語る。


1. わたしはあなたの主なる神である。
神を信じることは、人間は単に偶然そこにいるのではなく、ある高次なるものによって目的を授けられた存在であり、我々人間はその目的を達成するために存在していると信じることであるとドクター・ローラは言う。神無きところには人生の意味はなく、善悪も無く、全ては相対的である。

2. わたしのほかに神があってはならない。
神の言葉は昔話でもなければ最近流行りの主観的な「自己肯定感」ではない。神は絶対的な善とは何かを示し、そこに向かって進むことを我々人間に対して命じる。神が示す善悪の基準は絶対的なものであり、人間の主観的な判断で変更できるものではない。神はひとつ、という意味は、善と悪の基準は絶対的で永遠なるものであり、時々の状況で都合よく選り好みすることは許されない、ということである。

神は自然界の上に立つものとして人間を創造した。自然界の状態は弱肉強食である。生命は神聖なるものであり、弱きは助け、生命を守り育むべし。これは神が人間だけに与えた価値観である。他人を自分自身と同じように尊重せよ。これは神が人間に与えた命令である。祈りや儀式というものは、忘れやすい人間が神の存在を想起するための習慣であり、逆境においても善を行うための規律である。

神は、人間が架空の神(偶像)を創造し、崇拝することを禁じる。身の周りにある自然に神々が宿るとするならば、人間は時々の行動を正当化すべく、あの神、この神、その神を都合よくデッチ上げるようになる。人間によって創造された神は人間そのものであり、人間の不完全さをそのまま体現したものである。そこから得られるものは真理ではなく絶え間ない暴力と殺戮である。迷信、自己崇拝、犠牲者意識・・・これらは偶像崇拝の一種である。

3. あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
人間には、神の名を唱えることで自分の欲求に都合よく神を使おうとする性質がある。この戒律はそれを諫めるものである。神の名を唱えるのは祝福のためでなければならない。殺戮、暴力、破壊、収奪に神の名を冠してはならない。それは神への冒涜である。

神が創造した生きものの中で、言葉を与えられたのは人間だけである。汚い言葉を発するのは神への冒涜である。人間は畏れと注意をもって言葉を扱わなければならない。

神は人間に自由意志を与えた。人間は自分の手で未来を切り開き、自らの手で運命を形成することができるのである。故に人間は自身の行動に責任を持たなければならない。我々人間が引き起こした問題を神のせいにするのは「主の名をみだりに唱える」行為であり、冒涜である。

「おねだり」の祈りは冒涜である。神はおねだりに応えてくれる優しいお爺さんではない。祈りは神との対話であり、神の祝福であり、神の意図する水準まで自らを引き上げんとする願いである。

食べ物は神の恵みである。食事の前に祈りを捧げることで、我々は神によって生かされていることを思い出す。日々何気なく過ぎ去っていく日常の一瞬一瞬が聖なるものへと昇華される。

4. 主の日を心にとどめ、これを聖とせよ。
イスラエルの民は長い年月エジプト人によって奴隷労働を強いられてきたが、神はイスラエルの民をエジプトから救い出し、イスラエルの民は自由を得た。一週間の七日目(サバス)はイスラエル人の解放を記念する日であり、隷属からの自由を賛美し、神聖なる人間存在を創造した神に想いを馳せるための日である。

この日はまた、「生産的であること」だけが人間としての価値ではないことを思い出すための日である。古代ローマ時代の識者はサバスを「ユダヤの怠惰性」としてバカにした。かつて人間は道具として扱われた。道具とならない人間は価値無しされた。聖書はそのような考え方に否を突きつけ、人間の生命そのものに神聖な価値があるという革命的な宣言をした。

サバスの日には仕事の話をしたり仕事のネットワークづくりをするのは避けるべきである。サバスはその瞬間の意味を見出すための時間である。

サバスは家族と親密に過ごすための時間とすべきである。人はしばしば「量よりも質」という言い訳をする。平日は朝から晩まで仕事で忙しく、週末も様々な活動で忙しい ・・・ 短くても濃い時間を過ごせればそれでよいではないか、という考え方である。だが、記憶に残る瞬間というものは、事前に計画された時間においてではなく、長く一緒に過ごす時間において予想もせずに起こる一瞬であることが多い。スープを美味しくするのが長時間の煮込みであるように、質の時間を得るためには量の時間が必要である。

5. あなたの父母を敬え。
神と人間の関係は、人間に例えれば親と子の関係である。子にとっては親が決める決まり事は恣意的で拘束的で嫌なもの。子供の「どうして●●しなきゃいけないの?」に対する最終的な答えは以下の簡潔かつ断固たるものでなければならない。

「私はあなたの親である。あなたをこの世にもたらしたのは私である。神が私とあなたを召すまでは、私はあなたの主である」

聖書には躾の重要性がちりばめられている。教え、導き、罰すること。子を愛するが故の親としての義務である。

箴言13.24
鞭を控えるものは自分の子を憎む者。子を愛する人は熱心に諭しを与える。

親も子も、系譜を辿っていけば神に行きつくことを認識しなければならない。神はこの宇宙の創造主であり、この宇宙を支える原動力である。

神を畏怖しない無神論者は子から尊敬を受けなくて当然である。なぜならば、神を畏怖する者は自分を神の子孫であると認識し、子は親を自分と神の間に位置する者として認識するのに対し、無神論者の子は親を自分とサルの間に位置するものとして認識するからである。

6. 殺人をしてはならない。
殺人は神への攻撃である。神は殺人を禁じ、そして「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」と命じる。我々の身体と人生は神が与えたものである。よって他人の生命を奪うことは許されないし、自分の生命も断つ(自殺する)ことは許されない。

禁じられているのは殺人であり、死刑、戦争、自衛行為とは異なる。聖書では悪人を死刑にし、敵を殺し尽くし、侵略者と戦うべしとする神の命令が随所に見られる。

創世記9.6
人の血を流す者は
人によって自分の血を流される。
人は神にかたどって造られたからだ。

申命記17.12
あなたの神、主に仕えてそこに立つ祭司あるいは裁判人を無視して勝手にふるまう者があれば、その者を死刑に処し、イスラエルの中から悪を取り除かねばならない。

死刑と自衛と正義の戦いは神の意志である。

7. 姦淫してはならない。
結婚は単なる個人間の約束事ではなく、神と人間の関係のように神聖な契りである。

創世記4.1
さて、アダムは妻エバを知った。

性的関係は神聖なものであり、二人がお互いを真に理解することであると聖書は教える。

かつて結婚年齢が低く10代での結婚が当たり前だった時代、この関係の神聖性は説明するまでもなく明確であった。現代において、契りと貞操の定義がすっかり曖昧になり、性関係が持つ神聖性も意味も失われている。

創世記2.18、24
主なる神は言われた。「人が独りでいるのは良くない。彼に合う助ける者を造ろう」
こういうわけで、男は父母から離れて女と結ばれ、二人は一体となる。

創世記1.28
神は彼らを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」

これが神の意志であり、結婚はそのために神が人間に与えた。姦淫はその神聖な関係を汚すものである。

8. 盗んではならない。
神は私有財産の概念と所有権をここに打ち立て、それを侵害する行為に対する罰則を明確にした。

人間は盗みを正当化するために様々な言い訳を考えるクセがある。往々にして人は利益を得るための手段として他人を扱い、大抵の言い訳はそこから来る。

聖書はあらゆる言い訳を排し、神の命令であるが故に盗みは許されないと言明する。神が命じるように、我々は隣人を自分自身と同じように愛さなければならないからである。

人間を創造した神は盗みに対する罰則を具体的に示す。泥棒が捕まったら、泥棒は被害者に対して盗んだ額の倍額を返済しなければならない。20ドル盗んだら返済額は40ドル。泥棒は盗った額を返し、被害者が盗られた額を償うのである。それが罰というものである。

一方で神は罪の意識と反省に対する理解を持つ。もしも泥棒が盗んだ後ですぐに自首し謝罪するならば、泥棒は元の額及びその額の20%を支払うべしとしている。

出エジプト記21.37
人が牛あるいは羊を盗んで、これを屠るか、売るかしたならば、牛一頭の代償として牛5頭、羊一頭の代償として羊4頭で償わねばならない。

神は犯罪の計画性も考慮に入れる。牛を盗む方が羊を盗むよりも難しく、より計画性と意思を要する。それだけ罪が重いということである。

レビ記19.15
あなたたちは不正な裁判をしてはならない。あなたは弱い者を偏ってかばったり、力ある者におもねってはならない。

神は富める者も貧しき者も、分け隔てなく正義を要求する。貧者としての立場を言い訳に利用して富者から盗むことは許されない。

「このくらい盗ったところで誰も気づかないし、いいだろう」という言い訳は神には通じない。神は全てを見ている。

9. 隣人に関して偽証してはならない。
司法制度は嘘偽りのない証言と立証によって支えられる。神は公正な裁判を行うための手引を示す。

申命記19.15
いかなる犯罪であれ、およそ人の犯す罪について、一人の証言によって立証されることはない。二人ないしい三人の証人の証言によって、その事は立証されねばならない。

偽証の罪は重い。

申命記19.19
彼が同胞に対してたくらんだ事を彼自身に報い、あなたの中から悪を取り除かねばならない。

偽証が受け入れられることによって被疑者が受けたであろう境遇を、偽証者に受けさせなければならない、という意味である。

一方、神は杓子定規に「本当の事だけを言え」、「本当の事なら何でも言え」と命じているわけではない。

神は生命を守るための嘘と平安を保つためにつく嘘を良しとしている。エジプト王はヘブライ人(イスラエル人)の男児が生まれたら殺すように助産婦に命じたが、助産婦は神を畏れるあまり命に反した。エジプト王は怒り、助産婦を問いただす。「お前ら俺の命令が聞けんのか」。

出エジプト記1.19〜20
助産婦はファラオに応えた。「ヘブライ人の女はエジプト人の女性と違います。彼女たちは丈夫で、助産婦が行く前に産んでしまうのです。」

出エジプト記1.20
神はこの助産婦たちに恵みを与えられた。

人の心を傷つけないための善意の嘘はどうなのか?例えば親戚から子供へのプレゼントを受け取ったが、子供にとって全く気に入らないものだった場合どうするか。

ドクター・ローラは聖書の教えから答えを導く。「私の誕生日を覚えいてくれて本当にありがとう。親切で素晴らしい!叔母さんは最高です!」はどうであろうか。不必要に真実を曲げるのではなく、またはつっけんどんな態度で相手を不要に傷つけるのでもなく、素晴らしいところを祝福することであると。

10. 隣人の家、妻、財産を欲してはならない。
この戒律はそれまでの殺人、盗み、偽証といった人の行動に関する戒めとは性質を異にし、人の心、思い、欲求、感情に関するものである。

欲求というものは人間の性であるが、高次の価値によってそれが常に抑制され、満足することを知らねば世界に災厄をもたらす。

満足することは怠惰でも大志の欠如でもない。それは「無いもの」や「まだ得られていないもの」に集中して文句を言うのではなく、「あるもの」と「与えられたもの」を祝福する態度である。前者は不幸、不満、権利意識、焦燥感、怒り、攻撃性をもたらし、後者は幸福感と満足感をもたらす。

悪しき欲求は他人からの収奪に向かう一方、良き欲求は精神の高揚、知恵の獲得、知識の集積へと向かい、それらは他人からの収奪ではなく人々の間に利益をもたらす。

受け取る喜びを与える喜びでバランスをとることが重要である。ドクター・ローラは親は無私と供与の喜びを学ぶ機会を幼少時より子に与えることを推奨する。

ネガティブで醜悪な感情から我々を解き放つのは祈りである。聖書を読み、罪を贖い、祈りを捧げることで我々は神とつながることができる。その瞬間に我々の心と精神は浄化されるのである。

道徳というものの定義が曖昧模糊としたものとなって久しい。単なる処世術や、その時々のうまい身のこなしに過ぎないようなものを道徳であるとする風潮が強まっている。

道徳の原点であり原典である十戒の重要性を認識させてくれた一冊である。


Dr. Laura, no Waylon Jennings on Late Late Show w/Tom Snyder, September 23, 1998



Dr. Laura Schlessinger on In Praise of Stay-at-Home Moms

トランプ弾劾終了し、本当のバイデン疑惑が始まる

  • 2020.02.02 Sunday
  • 17:11

【ワシントン時事】米上院で開かれたトランプ大統領の弾劾裁判は31日、野党民主党が求めていたボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)らの証人尋問について採決し、賛成49、反対51の反対多数で否決した。16日に開廷した弾劾裁判は、実質審理を終えた。陪審員役の上院議員による評決は、2月5日午後4時(日本時間6日午前6時)に行われる。トランプ氏の罷免には上院議員の3分の2以上の賛成が必要で、無罪評決が下されるのは確実だ。2/1(土) 9:47配信


トランプ大統領が就任して以来、民主党は「ロシア疑惑」で大統領の職務を妨害し続けた。その「ロシア疑惑」はどうなったというと、結局「何の証拠も発見されず」で立ち消えとなった。

その後で出てきたのが「ウクライナ疑惑」である。

トランプ大統領がウクライナの新大統領ゼレンスキーとの電話会談において、政敵である民主党の大統領有力候補のバイデンに対する捜査に協力して情報を出すように迫った。その際、ウクライナ政府に米国政府からウクライナ政府への資金援助を打ち切ることをチラつかせた。自身の政治的利益のために国家間の外交を利用した。

こういう話である。

これが完全なる作り話であることが会議記録(文字起こし)の公開で判明した。

大統領は「借款」も「援助」も口に出さず、こう言ったのである。

The other thing, there's a lot of talk about Biden's son,. that Biden stopped the prosecution and a lot of people want to find out about that so whatever you can do with the Attorney General would be great.Biden went around bragging that he stopped the prosecution so if you can look into it ... It sounds horrible to me.

「それと・・・バイデンの息子についていろいろ言われてるんだけども・・・バイデンが起訴を止めさせたという話なんですけどね、これについては色々な人が知りたがっている。なので、うちの司法長官と協力してもらえると助かりますわ。バイデンが起訴を止めさせたっちゅうことで自慢してまわってましてね。なんで、よろしくたのみます。酷いことっすわ」

どこにも「さもなければ援助を差し止める」という脅しは無い。ゼレンスキー自身も後に記者に質問された際に「そんな圧力など無かった」と答えている。

にも関わらず、民主党は「この記録自体が怪しい」だとか「もっと裏がある」となおも食い下がり、遂に弾劾へと至ったのである。

だがこの弾劾は民主党にブーメラン返りすることとなった。

トランプはウクライナへの経済援助も軍事援助も合意の期日までに実施している。一方で、ロシアの脅威に対抗するために切実に必要とされている軍事援助も含めて実施に援助を差し止めたのはオバマ政権であった。

また、ウクライナ政府(ポロシェンコ政権)と共謀して大統領選挙を操作しようとしたのは共和党ではなく民主党であることは、既に民主党側に立つ左派系メディア自身が報じている事実である。ポリティコという左翼サイトは堂々と「トランプ潰しをしようとしたウクライナの介入が明るみに」と書いている。ケネス・ボーゲルという記者の2017年1月の記事であるが、当時はこのように引き合いに出されるとは思いもよらなかったのだろう。

ところで、上記のトランプ大統領の発言は、バイデン自身が公開映像で裏付けている。

オバマ政権時代、ウクライナの天然ガス企業・ブリスマは汚職に絡んで検事の追及を受けていたが、当時の副大統領だったバイデンの息子ハンター・バイデンはブリスマ社の取締役に就任した。天然ガスのことなど何も知らぬハンターに月に8万ドルという破格の報酬が与えられた。バイデン副大統領はウクライナ政府に検事を首にせいと圧力をかけた。その時の自慢話が下の映像、52:00からである。




「ちょうど10億ドルの借款の話が進んでいた折だった・・・ポロシェンコ(2014〜2019までの大統領)とヤツェニユーク(首相)はこの検事(ショーキン)をクビにするはずだったんだが、なかなかやろうとしない。で、俺はいった。やらないのならカネはやらんぞと。そしたら奴らはいった『あなたは大統領ではないし、それを言う権限はないでしょう』と。俺は言ってやったよ。『電話かけろや』と。『俺は6時間で出るからな。それまでに決めねぇんだらカネはやらねぇよ』と。で、この野郎(ショーキン検事)、クビになってよ。その後をマトモな奴が継いだというわけよ」

トランプ大統領がウクライナ政府にバイデンを追及するように軍事援助と引き換えに迫った、という話は事実無根と判明した。一方、実はたとえ大統領がそうしていたとしても、何ら違法性は無いのである。当たり前だが、志ある政治家は誰しも自分が大統領になることで国益を守ると考える。政治的野心と国益との間に明確な境目は無いのである。

自らの暗部を隠すために民主党がしかけた弾劾裁判は終わったが、バイデンのウクライナ汚職疑惑は衆目に晒されることになった。今年の大統領選に向け、共和党はこの本当の疑惑を最大限に追求するはずである。


【参考】
Amb. John Bolton on Ukraine (28AUG2019)
残念ながら男を落としたボルトン。トランプにクビにされたことを恨み、「トランプはウクライナ大統領との電話会談でバイデン捜査の圧力をかけた」という本を緊急出版。だが「2度の電話首脳会談はとても和やかなものでした」という当時のインタビューが発見されてしまった。



WATCH: Pam Bondi argues Biden corruption concerns are legitimate | Trump impeachment trial

コロナウイルスは神の助け

  • 2020.02.02 Sunday
  • 15:21

中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスによる影響は拡大の一途である。

米国、オーストラリア、シンガポールでは中国全域からの入国禁止を発表している。湖北省以外でも感染が発生し、拡大傾向にあるためであるが、当たり前の措置である。

各国がチャーター便を飛ばして自国民を帰国させているが、オーストラリアは武漢帰りの人々をクリスマス島という本土から離れた孤島で14日間の検疫を行うこととしている。

日本は中国湖北省滞在の外国人は入国拒否するとしているが、「なにがなんでも」日本に入ろうとしている人間が自分の行動経路を正直に言うわけがない。ボケすぎである。

政府というものは、このような国民に対する脅威を遮断するためにある。強制的に行き来を遮断しなければ脅威が入ってきてしまう。入ってくれば人々の安全を危険に晒す。

コロナウイルスで人々が大変な目にあっている情報に接しているせいか自己欺瞞に陥っている人間が多いが、中国というのはこのような最中でも尖閣諸島への侵略を怠らない国であり、敵国である。

安倍政権は、このような敵国の元首を国賓として招待しようとしているが、今回のウイルス騒動はこの愚かさを諫めんとする神の警告である。その警告を受けなければ、今度は我々が神罰を受けることになる。

かつて聖書の時代、神はエジプトに災厄をもたらしてイスラエルの民を救ったが、このウイルスもまた、日本にとっては中国共産党支配体制を解体・崩壊させるための神風である。これを最大限利用しないということは神に対する反逆行為に他ならない。

中国を解体するのに直接手をかける必要はない。直接軍事行動を起こせばこちらにも被害がある。一番良いのは一発の銃も撃たずに敵を破ることである。それができるのは経済である。

これだけ両国間の商売が増えれば、共産党政府はともかく個人間では仲間である。経済戦争においては仲間同士で直接銃を向け合うことなく
モノも破壊せずに戦争を終わらせることができる。

中国は世界から製造業を呼び寄せ、税収をあげるとともに科学技術を盗みながら軍事転用することで力をつけてきた。それを断ち切ってしまえばよい。

経済で重要なのはインフラである。公衆衛生と安全は重要なインフラの一つである。中国は前回のSARSに続き、今回のコロナウイルスにおいても重大なる欠陥を露呈した。米国が貿易戦争で中国の製造業に打撃を与えている今、更に追い打ちをかけて日本が製造業を引き抜いてしまうことも可能なのである。

それは、日本がトランプ政権の米国と同じように大減税と規制撤廃を断行すれば、である。政府があの手この手で愚かな金融政策で自国通貨価値を毀損しつつ産業育成を邪魔しなければ、である。


これは最もコスパの良い戦いである。レーガン大統領がソ連を崩壊させたのはこの方法である。

今回の騒動は、そのための絶好の機会を与えてくれたわけだが、政府にも一般社会にもそのような考え方はかけらも見られない。誠に残念な現状である。

PS
この大陸は昔から疫病の発生地であった。旧日本軍の731部隊は何をしたかというと、こういう衛生上の脅威から自国民を守るための衛生対策や防疫をやったのである。

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